足がつる!その原因と対策

2023/03/14 掲載

最近、弊社の健康セミナーでこのような質問をいただきました。

「最近、寝ているときによく足がつるんです。とても痛くてつらいのですが、対策はありますか?」

そういえば我が家でも、夫がよく夜中に足がつって目が覚めている様子が思い出されました。というわけで、今回はその原因と対策について調べてみることにしました。

「つる」とはどういう状態?

「足がつる」「こむらがえり」は、医学的には「有痛性筋痙攣」といいます。
運動時だけでなく、寝ているときに突然足がつり、その驚きと痛みで目が覚めることもありますが、おさまるのをひたすら待つくらいしか出来ないのは非常につらいですよね。

「つる」とは、足や手などの筋肉が伸縮バランスを崩して元に戻らない状態を指します。強い痛みがありますが、ほとんどの場合は数分でおさまります。

では、足がつるのは何が原因なのでしょうか?

足がつる原因①:運動不足

運動しているときや運動後に足がつるのは、第一に日ごろの運動不足やウオーミングアップ不足が挙げられます。それほどの運動ではないと思っても、運動前にはしっかりとストレッチをしてウオーミングアップしましょう。

両足のかかとをしっかりと地面につけ、前に出した脚の膝をしっかりと曲げ、後ろになっている脚のふくらはぎはしっかりと伸ばします。目安としては30秒間、左右の脚を入れ替えて数回行いましょう。

足がつる原因②:水分不足

運動の前にもう一つ重要なのは水分補給です。
運動中は汗をかくことによって体内の水分が不足するだけでなく、ミネラルのバランスも崩れます。発汗量が多い運動をするときには、ミネラルウオーターだけでなく電解質を含んだスポーツドリンクや経口補水液を飲むことも効果的だといわれています。
運動中、体重が2%ほど減る程度の脱水の状態では足がつりやすい状態になると言われていますが、、その前にミネラルウオーターを飲んだ場合と経口補水液を飲んだ場合では、後者の方が有意に足がつりにくかったことが発表されています。※1

経口補水液の特徴として、スポーツドリンクよりも電解質濃度が高いことがあります。また、水と電解質の吸収を速めるために、スポーツドリンクと比べて糖濃度が低いため、大量の汗をかく運動時や脱水時の水分補給としては優れています。
一方で、塩分制限等がある方で発汗量がそれほどではない場合は注意が必要です。

運動をするときだけでなく、加齢による足の筋肉の減少や、動脈硬化による血行不良などが原因で睡眠中に足がつることが多くあります。痛みは数分で治まることもありますが、それでも目がさめてしまうので、くり返すようになると睡眠障害につながります。
足のつりは、運動をしている方にも、運動をしていない方にも起こる現象なのです。

睡眠中の足のつりを予防する意味でも、水分補給は重要です。寝ている間にはコップ1杯から2杯の発汗があります。高齢になると夜間にトイレに行くことへの抵抗があり、夜の水分摂取を控えがちです。寝る前にたくさんの水を飲むのではなく、夕食前、食事中、入浴の前後など、こまめに少しずつでよいので、不足しないよう水分補給をしましょう。

足がつったらどうするの?

足がつるときは、突然症状が出て痛さで何もできないこともあると思いますが、対処方法としてはストレッチが有効です。
こむらがえりの場合は自分の手でふくらはぎを強めにさすったり、足の指や足の裏を持って、つま先を手前に向けるのが効果的。また、ホットタオルやカイロなどで少し温めると筋肉の緊張がとれやすくなります。

予防方法のまとめ

前述したストレッチや、ミネラル・水分の補給を含め、普段の生活で足のつりを予防するためにできそうなことをまとめてみました。

  • 1)普段から水分補給をこころがける

    食事以外で1日に必要な水分量は1.5Lといわれています。時間を決め、こまめな水分補給を習慣にできるとよいですね。

  • 2)ミネラルが不足しないようにバランスのよい食事をこころがける

    関連する電解質の中でも、カリウム、マグネシウム、カルシウムは不足しやすい栄養素です。

    カリウムを多く含む食品
    野菜(特にほうれん草や小松菜などの葉物野菜)、海藻、バナナ、柿などの果物
    マグネシウムを多く含む食品
    魚介類、海藻類、玄米、ナッツ類、野菜
    カルシウムを多く含む食品
    牛乳、乳製品、骨ごと食べられる小魚、豆腐、大豆製品、小松菜など
  • 3)十分なストレッチなどの準備運動をしたうえで適度な運動習慣をもつ

    加齢による足のつりの対策として、筋肉量を維持し、血流を改善するために、定期的に適度な運動をすることが大切です。

改善しない場合は医療機関の受診も検討を

いかがでしたか? 基本的な注意点や対策は知ってたという方も一度ご自身の生活習慣を振り返ってみていただく機会になると嬉しいです。
筋痙攣は、糖尿病による神経障害や、肝障害などとも関連がある場合があります。生活習慣の改善やストレッチの実施など、気をつけても足がつる状況が続くようでしたら医療機関の受診も検討しましょう。

【出典】
※1 かくれ脱水ジャーナル 日本整形外科学会学術総会で筋痙攣と電解質との関係を新発表
https://www.kakuredassui.jp/archives/7258

※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。

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