季節に合った飲み物で上手に体調コントロール

2015/04/14 掲載

皆さんは家に常備しているお茶はありますか?
我が家では、第二子妊娠中に助産師さんに勧められて以来「コーン茶」を常備しています。

美味しくて、ノンカフェイン、子供達も好きなので1年中、コーン茶を飲んでいましたが、ある時、友人が「うちは麦茶を常備していたけど、体を冷やすって聞いて番茶に変えたの」という話を聞いて、ホット、アイスという飲み方以外にも体を冷やす、温めるという考え方がお茶にもあるの?!と思い、調べてみました。

今回、参考にしたのは、薬膳・漢方に基づく「五性」という分類です。

 

季節ごとのオススメ飲み物

≪春≫

環境変化によるストレスを感じやすいので、気持ちを落ち着かせるようなもの。

 

名前

特徴

特筆事項

ジャスミン茶

「茉莉花」という生薬名があるほど、漢方食材としても有名。花茶の中でも「クィーン」と呼ばれるほど人気が高く、花茶生産量の80%を占める。沖縄では「さんぴん茶」とも呼ばれ、気持ちを鎮めてくれます。

 

独特の上品な甘い香り

菊花茶

食用菊の花を乾燥させてお茶にしたもの。

菊花も漢方ではよく使われます。癒し効果があり、リラックスできる。

ノンカフェイン

菊の花の香りが豊か。苦味と酸味を少し感じる。

カモミールティー

カモミール(カミツレ)の花を乾燥したものを使うハーブティー。ハーブやアロマの世界ではカモミールといえば、「リラックス効果を与える薬草」として有名。4千年以上前から使われている。

ノンカフェインですが、子宮を刺激する作用があるため、妊婦さんは注意!

 

ジャーマンカモミールはリンゴのような香りで、甘く優しい味。

ラベンダーティー

リラックス効果が高く、心を落ち着かせてくれる。

ノンカフェインですが、妊娠中は大量摂取を控える。

華やかな花の香りと味わい。

かすかな甘味。

 

≪夏(梅雨を含む≫

・体を冷やす(熱を取る)もの
・発汗を促すもの

 

名前

特徴

特筆事項

緑茶

不発酵茶。こもった熱を冷まし、頭をスッキリさせるなど様々な働きがあるといわれている。

 

 

麦茶

大麦の種子から作られる飲料。体にこもった熱を取り、消化も助けるので、夏に飲むと暑気あたりを予防できる。

ノンカフェイン

 

ハト麦茶

ハト麦(ヨクイニン)は穀物の王様と呼ばれ、アミノ酸、ビタミンB1、B2、カルシウム、鉄、食物繊維を多く含む。肌によいと言われている。

ノンカフェイン

 

麦茶より香ばしい

コーン茶

炒ったとうもろこしの実をお茶にしたものと、ひげを使ったものがある。実のお茶は鉄、食物繊維が多く、ひげ茶はカリウムが多い。

ノンカフェイン

 

香りも味もとうもろこし。

 

≪秋≫

・体の内外が乾燥しやすくなるので、潤す作用のあるもの

 

名前

特徴

特筆事項

烏龍茶

緑茶と紅茶の中間に位置する半発酵茶。食べ過ぎによる消化不良を緩和してくれる

 

 

杜仲茶

トチュウの樹皮は「杜仲」という生薬名があり、医薬品として扱われる。杜仲茶は葉を煎じたもの。ビタミン、ミネラル、抗酸化成分が豊富。

ノンカフェイン

 

一般的には渋いのでホットがオススメ。

ココア

チョコレートと同じ「カカオ」から作られる。カカオマスからココアバターを絞った後、粉末状にしたもの。

ピュアココア、純ココアは砂糖が入っていないため、甘くない。ココアに含まれるポリフェノールは、抗酸化作用が強いと言われ、注目されている。

 

 

牛乳

優れたたんぱく質、カルシウム源。加熱しても、栄養成分に変化がありません。ホットミルクは体を温め、心地よい眠りを誘います。

ノンカフェイン

 

豆乳

大豆を水に浸してすり潰し、水を加えて煮詰めた汁を漉した飲料。無調整豆乳と、砂糖、食塩、ビタミン類の他、香料、植物油などを加えて、飲みやすい味にした調整豆乳がある。

ノンカフェイン

 

 

≪冬≫

・体を温めるようなもの

 

名前

特徴

特筆事項

紅茶

発酵茶。冷えを解消し、精神を安定させる。

 

 

プーアル茶

加熱によって、酸化発酵を止めた緑茶をコウジカビで発酵させる熟茶と、経年により熟成させた生茶に大別。紅茶よりも発酵度の高い黒茶に分類される。本場の中国では、プーアル茶といえば、生茶を指し、熟茶は基本的には輸出用。

 

日本で飲まれているのは熟茶。褐色のお茶で独特の甘みと柔らかなとろみに特徴のあるやさしいお茶。生茶は黄色のお茶で、苦味と渋味のお茶らしい味わいが特徴。

黒豆茶

黒豆(黒大豆)を原料として使用したお茶のこと。

特有の香ばしい香りが特徴。

ノンカフェイン

 

 

ゆず茶

はちみつ漬けしたゆずをお湯で溶いた飲み物。ゆずは緊張やストレスを和らげてくれます。

ノンカフェイン

 

 

あれ? 私の好きなあの飲み物が入ってない! と気付かれた方もいるかと思います。
そう!「コーヒー」です。

実は、コーヒーだけはいろいろ調べてみたのですが、はっきりとこの季節がオススメと言えませんでした。
……というのも、コーヒーは薬膳的分類でいえば、体を温める食品に入るのですが、コーヒー豆は暑い国のもの。
南国のものは体を冷やすものが多いという別の観点からの話もあり、結果、分類できませんでした……。

 

もうひとつ同じ理由で分類できなかったのが「ルイボスティー」です。

このように、食品の分類方法については、様々な考え方がありますので、これがすべてではありません。
あくまでも参考として、飲み物を上手に選んでリフレッシュしてください。

 

【参考文献】

薬膳・漢方食材&食べ合わせ手帖喩静、植木もも子著(株式会社西東社)

国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報データベース

http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail496.html