ストレスフリーな人の秘密は「レジリエンス」が高いこと!?

2017/10/10 掲載

ストレスフリー(イメージ)

同じような出来事に直面しても、ケロッとしている人もいれば、非常にショックを受けて落ち込む人もいます。こうした反応の個人差は、個々のストレスの受け止め方による違いが要因の一つと言われています。
 

逆境に直面した時に、心理的な強さと逞しさ、粘り強さを発揮し、ストレスに負けない自分でいるためには、どうしたら良いのでしょうか?


そこで、最近メンタルヘルスの中で話題になることが増えた「レジリエンス」についてご紹介します。


「レジリエンス」とは何か?

もともと環境学において、生態系の環境変化に対する「復元力」を表す言葉です。
アメリカの心理学会では、「逆境やトラブル、強いストレスに直面した時に、適応する精神力と心理的プロセス」と説明され、日本においても、最近注目をされるようになってきました。


竹(イメージ)

<レジリエンスの高い人の特徴>

【回復力】

失敗や困難に直面しても、すぐに元の状態に戻ることができる、竹のようなしなやかさがある

【緩衡力】

ストレスや外的圧力に対する耐性、ボールのような弾力性、打たれ強さがある

【適応力】

道路の亀裂からも芽を出す雑草のように、人生における変化やピンチに抵抗せず、それを受け入れ対応できる


レジリエンスの高い人は、失敗をした時でも落ち込んだ気持ちからしなやかに抜け出し、逞しさをもって逆境を乗り越え、それを教訓にしてまた前に進むことができます。


レジリエンスは高められる!

レジリエンスは、本来生まれつきのものではなく、鍛えれば高めることができます。
レジリエンス向上の研修なども開催されていますが、ここでは誰でも簡単にできるレジリエンス向上のためのヒントをご紹介します。


気持ちを切り替えるスイッチをもちましょう!

失敗やトラブル、困難な状況から生まれたネガティブ感情は、まずは受け止め、そして繰り返し思い出さないことが大切です。厄介なネガティブ感情を悪循環させないように、自分にあった「気晴らし」の方法を実践しましょう。ネガティブ感情はその日の内に解消することが、深く安らかな眠りと翌朝の爽快な気分をもたらします。


水泳(イメージ)

運動

運動には多くの心理的効果がありますが、スポーツの種類によってももたらす効果に違いがありそうです。気分転換のための運動なら、勝敗やタイムを競うより、楽しむことを目的にしましょう。
有酸素運動は、脳内ホルモンの影響で、ストレスを低減し、不安感情の解消に役立つことも分かっています。チームスポーツは、寂しさを解消し、社交的スキルを高めてくれるでしょう。

腹式呼吸(イメージ)

呼吸

感情が乱れた時には、呼吸も浅く早く短い「胸式呼吸」になっていることがあります。「ため息をつく」時は感情が憂うつになっている時です。ホッとした時、ふ~と一息つくように、不安や不愉快な感情の解消には、深い深呼吸が有効です。
ゆったりと呼吸が整い、気持ちが落ち着いている時は、抗ストレスホルモンの「セロトニン」が脳内分泌されます。セロトニンには穏やかな気持ちを生成し、ストレスを低減させる効果があります。

音楽鑑賞(イメージ)

音楽

音楽療法というセラピーが存在するように、自分にとって心地よい音楽の世界に没入することは最大の気晴らしになります。
ただし攻撃的な気分になってしまう激しい系統の音楽は、ネガティブな気分の際は控えたほうが良いでしょう。

筆記(イメージ)

筆記

感情や思考、心の中にあるイメージを文字にして表現することは、ネガティブ感情を外に出してクールダウンの効果があります。自由な記述、日記などが含まれます。
1日の終わりに、今日の小さな良かったこと、小さな幸せを書き出してみるのも、心をリセットするのに役立ちます。


あなたの「強み」は何ですか?「強み」を活かしましょう!

困難や逆境を乗り越えよう(イメージ)

辛かった時や困難に直面した時、どうやって克服しましたか?その状況を乗り越えるために、どんな「強み」を使いましたか?


レジリエンスのある人は、自分を特徴づける「強み」が何かを把握し、「強み」を自信にして有事に活かすことができています。 「勤勉さ」、「勇気」や「冒険心」、「親切」や「愛情」、「責任感」、「自己規律」、「計画性」、「謙虚さ」や「寛容性」、「平等」、「リーダーシップ性」、 「ユーモア」、「協調性」や「コミュニケーション」などなど、誰にでも幾つかは備わっているものです。


ただし、自分では「強み」に気付かずに過ごしている場合もあります。家族や友人、職場の同僚と話題にしても良いでしょう。 自分を特徴づける「強み」を把握し、それを活かすことは、困難や逆境を乗り越える資源と勇気になるでしょう。



【参考資料】

  • 「レジリエンス」の鍛え方 久世浩司著 実業之日本社
  • 働く人のメンタルヘルス アドバンテッジリスクマネジメント監修 日本経済新聞出版社

※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。