髪の悩みを解消!気になる薄毛対策

2024/10/08 掲載

最近筆者は、髪の毛の分け目と頭頂部のボリュームが気になり始めました。ちょうどそのタイミングで担当の美容師から「頭皮が硬くなってきたかも」と言われ、急に気になり調べてみると、私のように薄毛を気にしている人は意外と多いことがわかりました。

薄毛に関する意識調査

リクルートの調査※1(20代から60代の男女50,000人が回答)によると、男性の26.7%、女性の8%が薄毛である回答しており、薄毛でないと回答した人の中でも男性では22.9%、女性の25.8%が不安があると回答しています。薄毛を気にしている人は思った以上に多いんですね。

薄毛であると回答した人を年代別にみると、男性は20代で11.6%、年齢を重ねるごとに増加して最も多い60代では37.3%が薄毛であると回答しています。女性も同様に60代が最も多く、11.1%が薄毛であると回答していました。

関連の研究やサイトも多く、日本皮膚科学会から「男性型および女性型脱毛症治療のガイドライン」も発表されています。

薄毛とはどのような状態?

まず、薄毛とはどのような状態を指すのでしょうか。
髪の毛が抜けること=薄毛ではなく、発毛周期などへの影響により、毛髪が減り、頭皮が透けて見える状態のことを薄毛というようです。

発毛から抜けるまで、「成長期」「退行期」「休止期」を一定の期間で繰り返していますが、AGA(男性ホルモン型脱毛症。女性のAGAも最近は多い)では通常2~6年の成長期が数カ月~1年と短くなり、毛母細胞が休止期のまま成長期に入れないため、成長期の毛髪が少なくなっている状態です。

薄毛の4つの原因

薄毛の原因は大きく4つ。遺伝的要素、皮脂の分泌過剰、ストレス、血行不良です。

このほかストレスとの関連が大きい円形脱毛症、若年世代に多い脂漏性脱毛症などがあります。
薄毛のタイプはAGA型、円形脱毛症、脂漏性脱毛症などに分けられます。

ガイドラインの内容は診断や治療に関するもので、それぞれの治療や対策方法についてエビデンスのレベルと、推奨度が示されています。
内容で興味深い点としては、「男女で病名も治療方法も全く異なる」「女性に使える薬剤は1つだけ」「かつらの着用や植毛についても記載がある」などがありました。
AGAは進行性で、早めに治療する方が薬剤等の効果が発揮されやすいため、気になったら早めに医師に相談するのも良い方法ではないでしょうか。

その他、詳しい内容は「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」をご参照ください。なお、治療は保険適用外のため、事前に十分確認することが重要です。

薄毛と生活習慣その1 食事との関連

治療からは少し離れますが、生活習慣との関連についても調べてみました。
主な原因への対策として有効なものがいくつかあることがわかります。

【食事との関連】
頭皮や毛髪の材料となるのは食事から摂取された栄養素ですから、必要な栄養素が不足すると薄毛の原因になります。
特に、食事制限による急激なダイエットは脱毛の原因にもなります。育毛に必要な栄養素は以下のものがありますから、基本は食事を抜かず、バランスよく食べることとなります。

育毛や発毛につながる特定の食品はありませんが、頭皮も毛髪もたんぱく質が原材料になっていますから、たんぱく質を不足しないように摂取すること、細胞や組織を作り出すために必要なビタミンやミネラル、エネルギー源となる炭水化物なども不足しないように摂りたい栄養素です。

栄養素 役割 多く含まれる食品
たんぱく質 髪の毛や組織の材料になる 肉・魚・卵・大豆製品
ビタミンB2 エネルギー(脂質)の代謝を潤滑にする レバー・納豆
ビタミンB6 ホルモンバランスの向上 赤身肉・マグロ・カツオ
ビタミンE 血流を促進する アーモンド・かぼちゃ・うなぎ
ビタミンC コラーゲンの合成 キウイフルーツ・いちご
亜鉛 細胞の合成 牡蠣・レバー・赤身肉

一方で、摂りすぎに注意したい栄養素としては脂質があります。脂質の摂りすぎは、皮脂の過剰な分泌の原因につながる場合があります。
アルコールやカフェイン、塩分などについては諸説ありますが、直接抜け毛につながるというよりも血行や代謝を妨げる原因になるため、適量が推奨されています。

薄毛と生活習慣その2 頭皮ケアとマッサージ

【頭皮のケア】
頭皮のセルフケアで日常的に実施することといえば、洗髪です。洗髪は1日1回まで、回数が多すぎると頭皮の皮脂を過剰に分泌させることに。
シャンプーやコンディショナーのすすぎが十分でないと肌トラブル、フケやかゆみの原因にもなりますので、念入りにすすぐこともポイントです。

【頭皮マッサージ】
頭皮をもみほぐすことで、血行を良くする効果が期待できます。
サプリメント摂取と頭皮マッサージを同時に行い、効果を認められた研究や、マッサージによる頭皮の血流量の増加や頭皮の柔軟性の向上を研究している文献が複数あります。

洗髪時におすすめのマッサージの例

頭皮全体をもみほぐす
5本指で頭皮を掴むように頭皮を押した状態で円を描くようにもみほぐす。
耳の上から頭の中心に向かって指の位置を変えて繰り返し行います。

引き上げ
人差し指、中指、薬指の3本で、頭皮を押しながら。
こめかみから頭頂部に向けてゆっくりと頭皮を引き上げるように指を移動します。

ツボ押し
両手の指先で頭の真ん中の気持ちいいと感じる部分を1か所につき3秒ほど押して離します。

薄毛対策のまとめ

  • ・薄毛に悩む人は多いが、治療や対策方法が数多く研究されている
  • ・気になる人は医療機関での治療という方法がある(ただし保険適用外)
  • ・生活習慣では食事の工夫や頭皮のケアなどで血行を改善できる

【出典】
※1)株式会社リクルート ホットペッパービューティーアカデミー
2021年薄毛調査報告書
http://hba.beauty.hotpepper.jp/wp/wp-content/uploads/2021/10/data_usuge_20211007.pdf

※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。

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