薄味でも大満足!減塩のコツ10カ条

2018/05/08 掲載

減塩(イメージ)

 

塩分の摂り過ぎが健康に良くない・・・ということはわかっていても、味が薄いと料理が美味しくないのではないか?と中々実行に移せない方が多いようです。


味の感じ方には慣れもありますので、薄味に慣れることが大切です。

ただ、やはり食事は美味しく楽しみながら食べたいもの。塩分が控えめでも、より美味しく食べられる料理のコツをご紹介します。


減塩クッキングのコツ10カ条

出汁(イメージ)

1)うまみを上手に利用

昆布、かつお節、きのこ類、干しえび、乳製品など・・・ うまみを多く含んだ食品やそれから溶け出しただしを上手に利用しましょう。


2)香辛料や香味野菜を使う

わさび、マスタード、カレー粉、しょうが、にんにく、しそ、みょうがなど・・・香りのよい素材を使うとその香味が効いて薄味が気にならなくなります。


3)酸味を利用する

かんきつ果汁、トマト、酢など・・・酸味を加えるとすっぱさがアクセントになります。


ごま油(イメージ)

4)油脂で香りとコクを出す

ごま油、オリーブ油、植物油など・・・煮物や汁物の仕上げにごま油を1滴たらすとこくとうまみが加わり、薄味でも気にならなくなります。ナッツやごまなど油脂分の多い食材も香ばしい香りとコクで塩分控えめでも美味しく感じます。尚、市販のナッツ類は塩分が添加されているものや油調理されているものもあるので、無塩、ローストタイプを選ぶようにしましょう。


5)香ばしい焦げの風味をつける

焼く・揚げるなどしてついた焦げの風味は、香ばしさをプラスしておいしく食べられます。


6)材料の表面に味をつける

(※4)煮物でも最初からしょうゆなどの調味料を入れて煮るのではなく、だしだけで煮て材料に火を通したら、最後にしょうゆを加えて絡めるようにすると味を強く感じることができるので、少量でも満足のいく味になります。また、和え物などは時間がたつと素材から水分が出るため味が薄くなります。食べる直前に調味料を和える方が少量でもしっかり味を感じることができます。


7)普通の味と薄味を組み合わせる

薄味の料理が2~3品あるより、しっかり味のついた料理を1品+極薄味1~2品にしたほうが献立にメリハリが出て満足感が得られ、定食当たりの塩分量を抑えることができます。


8)料理は適温にする

熱い料理は熱いうちに、冷たい料理は冷たいうちに食べると、塩分が少なくても美味しく食べられます。


食物繊維が多い食物(イメージ)

9)食物繊維をたくさんとる(※5)

全粒穀類、野菜、いも類、こんにゃく、きのこ類、海藻類、果物など・・・食物繊維には腸内で塩分(ナトリウム)を吸着し便と一緒に排泄する働きがあります。結果的に塩分の体内への吸収が減少します。


10)カリウムを含む食品を食べる

野菜、いも類、海藻類、果物など…カリウムには体内の余分な塩分(ナトリウム)や水分を尿と一緒に排泄し、塩分のとり過ぎによる血圧の上昇を抑える作用があります。


減塩を実践するためのポイントと定食紹介(※1,2)

(※5)平成28年国民健康栄養調査によると、日本人の食塩摂取量の平均値は9.9g。
男性10.8g、女性9.2gとなっています。10年間で減少してはいるものの健康日本21(第二次)で目標とされている平均8gには到達していない状況です。

「タニタ社員食堂レシピ」では減塩クッキングのコツ10カ条を組み合わせて、より美味しい減塩レシピを作成しています。
1日8g以内の塩分量を実践するための3食のポイントとおすすめの定食をご紹介します。


【朝食】目標塩分:1.5~2g

「早寝、早起き、朝ごはん」という標語があるように、朝食はとても重要です。
ところが、その朝食に塩分を多く摂ると、日中の血圧が上がりやすいそうで、3食の中で朝食が最も塩分コントロールが大切な食事と考えられます。


コンビーフポテトの目玉焼き定食(QRコード)

(献立例)コンビーフポテトの目玉焼き定食(489kcal、塩分2.3g)

★ポイント★
主菜の「コンビーフポテトの目玉焼き」はコンビーフ、ピザ用チーズと食材の塩分で味付けし、調味料、油を使わないメニュー。簡単に作れて朝食向けです。「野菜のレモンスープ」はレモンの酸味をプラスすることで、食欲が出ない朝でもさっぱり飲むことができ、同時に塩分も抑えられます。
URL:http://www.tanitashokudo.com/sp/view.php?mode=menu&menuid=12988&add=

コンビーフポテトの目玉焼き定食(イメージ)

【昼食】目標塩分:2~3g

昼食で減塩を実践するには料理を手作りするのが一番です。なるべく手作り弁当などを持っていけると良いですね。外食はどうしても塩分は高くなりがちなので、メニュー選びに気を配り、しょうゆやソースは控える、ラーメンやそばの汁は飲まないなど食べ方にも注意しましょう。


昼食で多い丼ものやチャーハンなど味付きのごはんも塩分が多くなります。塩分の吸収を抑え、排泄を促す食物繊維やカリウムをしっかり摂るために野菜や海藻類の副菜を組合せに選び、果物を添えても良いですね。


ささみと根菜のカレーライス定食(QRコード)

(献立例)ささみと根菜のカレーライス定食(591kcal、塩分2.1g)

★ポイント★
カレーはルーを使わずにカレー粉を使用。トマトを多く使い塩分1gを実現しています。
また副菜の「長ねぎのバターホイル焼き」はバター、レモン、こしょうのみの味付けで塩分0g!
みそ汁はだしをしっかり効かせ、ごぼうを炒めて入れることで香ばしさ、うまみの相乗効果で味噌が少なくても満足できる味に。デザートのみかんもついて満足感の高い定食になっています。
URL:http://www.tanitashokudo.com/sp/view.php?mode=menu&menuid=11605&add=

ささみと根菜のカレーライス定食(イメージ)

【夕食】目標塩分:2~3g

夕食を考える前にその日の朝食、昼食を思い出してみましょう。
1日の中で塩分が高くなりがちなメニュー(麺類、丼物、汁物、スープ、シチュー類など)がある場合はそれらが重ならないようにメニューを考えます。もし昼食までの塩分が多かったり、外食があった場合は、夕食では汁物やスープ類を減らし、副菜には酢の物や生野菜などのサラダ(ドレッシングは少なめに)、スパイスやレモンなどを使ったものを加えて、塩分の低いメニューを組み合わせるようにします。


ポークミルフィーユ定食(QRコード)

(献立例)ポークミルフィーユ定食(548kcal、塩分2.2g)

★ポイント★
「ポークミルフィーユ」の野菜は大きめに切ってにんにくやローズマリー、こしょうをしっかり効かせて減塩を。副菜の「カラフルサラダ」には生のオレンジ、バルサミコ酢など酸味をうまく使って塩分0.1gのメニューに。「かぶのポタージュ」は牛乳でコクをプラスしています。
URL:http://www.tanitashokudo.com/sp/view.php?mode=menu&menuid=13505&add=

ポークミルフィーユ定食(イメージ)

1日合計:1628kcal、塩分6.6g


(※3)減塩は高血圧予防というイメージが強いのですが、他にも良いことがたくさんあります。
今まで調味料の味に消されて気づかなかった素材の味を感じ、素材の持つ甘みやうまみ、旬の美味しさなどを感じられるようになります。


それによって、舌が敏感になり、味をよく感じようと、よくかむようになります。
ご存知の通り、よくかむことはダイエットにも効果的!食べた時の満足感も増し、減塩をきっかけに血圧以外の健康効果も期待できるのです。
美味しければぜひ減塩に挑戦したい!そう思っている方はたくさんいらっしゃると思います。

今回のコツをぜひ覚えて、美味しく減塩して健康なからだづくりをしていってください。


 

【参考資料】

  • ※1 塩分1日6gの健康献立 監修:女子栄養大学栄養クリニック 女子栄養大学出版部
  • ※2 浜内千波の塩分1/2でもこんなにおいしい!浜内千波著 学校法人文化学園文化出版局
  • ※3 塩分1日6g はじめての減塩 女子栄養大学出版部「栄養と料理」編 女子栄養大学出版部
  • ※4 よくわかる高血圧を下げる基本の食事 忍田聡子著 主婦の友社
  • ※5 厚生労働省 平成28年国民健康栄養調査 結果の概要
  • ※6 食物繊維のナトリウム吸着能が高血圧 自然発症ラットの血圧に及ぼす影響 日本家政学会
※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。