意外と知らない!「青汁」のキホン

2016/09/27 掲載

青汁は、「苦い」「美味しくない」というイメージが強いですが、最近は味に工夫されているものが多く、以前に比べると飲みやすくなっています。健康のために飲んでいる方も多いと思いますが、具体的にどんな効果があるのでしょうか?

また、健康のために青汁を飲んでみようと思っても商品の多さに、どの青汁を選んだらよいか迷ったことはありませんか?今回は、青汁の効果や原料による特徴を調べてみました。

 

青汁ってどんなもの?

青汁は、栄養価の高い緑黄色野菜を絞った汁のことです。

原料の緑黄色野菜を乾燥させて粉末状にして水などに溶かすものが一般的ですが、錠剤タイプやフリーズドライタイプ、急速冷凍したタイプなどもあります。

 

青汁の歴史は意外と古い!

平安時代に書かれた日本最古の医書「医心方」に、いくつかの植物の葉を利用した汁の記載があり、これが青汁の起源と言われています。なんと青汁には1000年以上もの歴史があるのです。その後、1943年戦中の食糧難から栄養失調が問題となり、その解決のために栄養価の高いケールを原料にした青汁が作られました。これが現在の青汁の原型です。

 

青汁の効果

青汁は薬とは違い食品ですので、飲んですぐに効果が出るものではありません。毎日飲み続けることで、少しずつ効果が出てくるものです。それも、目に見えて効果が現れるというよりは、なんとなく調子がいいという感じかもしれません。青汁の材料はどれも栄養価が高く、ビタミン・ミネラル・食物繊維を豊富に含んでいるので、青汁を継続して飲むことで期待される効果としては、野菜不足を補うことで期待できる効果と同様です。そのため、様々な体質改善や生活習慣病の予防・対策につながります。

以下に、青汁の主な効果と作用する栄養素について表にまとめました。

効果

作用する栄養素

アンチエイジングや

美肌効果

βカロテン、ビタミンC・Eなどの抗酸化作用により、細胞の酸化や老化を遅らせる効果が期待できる。

ビタミンCがコラーゲンの生成に関与し、肌のハリや弾力がアップ。

SOD酵素(※1)が含まれるので、老化の原因である活性酵素を除去してくれる。

便秘解消

食物繊維が腸のぜん動運動を促すことによる

むくみ解消

カリウムが体内の水分バランスを調整

免疫力向上

免疫機能をつかさどる腸が、便秘を解消することで期待できる

高血圧予防

カリウムが、摂りすぎた塩分を体外へ排出してくれる

動脈硬化予防

食物繊維により血液中の悪玉コレステロールを下げる効果が期待できる

[※1]SOD酵素:「Super Oxide Dismutase」の略で、活性酵素を除去する酵素

         元々、ヒトの体内にも存在しており、体細胞が酸化するのを抑える働きをしている

 

 

材料は何?

昔の青汁の材料は、苦味が非常に強いケールという食材のみを使うのが一般的だった為、苦くて飲みづらいものでした。けれども、最近の青汁の材料として代表的なものとしては、ケール以外に、大麦若葉・明日葉・桑の葉などがあり、これらを単品もしくは組み合わせて作られているものが多くなっています。

 

また、飲みやすいようにハチミツなどの甘味料、その他の野菜や成分が含まれているものもあり、製品によって材料の配合や含まれる成分が異なります。

主な材料の特徴をまとめました。

 

材   料

特   徴

ケール

・非常に苦みが強い

・ビタミンやミネラルをバランスよく豊富に含み、栄養価は野菜の中でも高い

・カルシウムが野菜の中でも特に豊富

・メラトニンによる睡眠の質の向上

・美肌効果、便秘改善、高血圧予防、その他生活習慣病予防

大麦若葉

・ほのかな甘みで飲みやすい

・食物繊維がケールより豊富   ・赤血球の材料である鉄が豊富で貧血予防

・美肌効果、便秘改善、高血圧予防、その他生活習慣病予防

明日葉

・食物繊維がケールより豊富

・豊富なβカロテンとカルコンによる抗酸化作用

・造血作用のあるビタミンB12が豊富   ・カリウムが豊富

・美肌効果、便秘改善、むくみ予防、高血圧予防、その他生活習慣病予防

  

種類が多い青汁、どうやって選ぶ?

青汁を選ぼうと思っても、種類が多すぎて悩みますよね。青汁と一言で言っても実際には材料が商品によって違います。材料が違っても、食物繊維・ビタミン・ミネラルをそれぞれ豊富に含むので、期待できる効果は大きく変わりません。けれども、得たい効果によって必要な栄養成分が異なるので、青汁を選ぶ際は期待したい効果に合わせて上記の表を参考に栄養成分を確認して選びましょう。また、飲みやすさを重視して甘味料やフルーツ含有量の多い青汁もありますので、緑黄色野菜を多く含むものを選ぶことをおすすめします。

 

飲む際に注意していただきたいこと

ワーファリンという血栓を溶かす薬を内服している方は、青汁を控えるか医師に相談してください。青汁に含まれるビタミンKが、この薬の効果を弱めてしまうためです。また、健康な方でも体質によっては、お腹がゆるくなりすぎる場合もありますので、その場合は、飲み方を見直してみましょう。

青汁には様々な効果が期待でき、簡易に飲むこともできますが、青汁を飲んでいるから安心、野菜を食べなくて良いという訳ではありません。毎日の食生活が私たちの体を作っていきます。そのため、1日3食、主食・主菜・副菜を毎食揃えてバランスよく食べることが基本です。健康的な体を作るためには、ご自身の食生活を見直したうえで、本当に必要なのかを考えて、上手に青汁を活用していきましょう。

 

参考文献

・平成26年度 国民健康・栄養調査     ・日本食品標準成分表2015年版(七訂)    

・「ケールのチカラ」西川敦子著

※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。