頭痛もちさん必見!我慢しないためのタイプ別対処法
2025/10/14 掲載
「また頭が痛くなってきた…」
ふとした瞬間に襲ってくる頭痛。
「またか…」と、つい我慢してしまったり、市販薬でごまかしたりしていませんか? 頭痛は誰にとっても身近な悩みですが、その種類や原因はさまざまです。「たかが頭痛」と軽くみていると、脳梗塞やくも膜下出血など命に関わる病気が隠れていることもあります。強い頭痛や長引く頭痛、さらに麻痺・しびれ・吐き気などを他の伴う場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
一方で、慢性頭痛のように日常的に繰り返す頭痛は、そのタイプを知り、適切なケアをすれば、痛みから解放されて毎日をもっと快適に過ごせるようになります。今回は、慢性頭痛と上手につきあう方法をお伝えします。一緒に、その痛みの正体を探ってみましょう。
あなたの頭痛はどのタイプ?
慢性頭痛にはいくつかの種類があり、それぞれ原因や痛みの特徴が異なります。
代表的な頭痛は次の3つです。
片頭痛 |
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【セルフケア】 ・自分の頭痛の傾向を知る └ストレス、不規則な睡眠、飲酒、まぶしい光、騒音、月経周期など ・痛む部分を冷やす └拡張した血管を収縮させ、痛み緩和 ・痛む時は静かで暗い場所で安静にする ・規則正しい生活は、頭痛の予防につながります |
緊張型頭痛 |
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【セルフケア】 ・肩や首を温める └血行を促すことが有効です ・肩や首のマッサージを行う ・ストレッチをする └長時間同じ姿勢を続けないよう、こまめに休憩をとり、首や肩のストレッチを行う ・気分転換をする └頭痛が始まったら、その場所から離れるなどして、気分転換をする |
群発頭痛 |
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【セルフケア】 ・飲酒・喫煙は控えめにする └強い関連があります。痛みがある時は一口も口にしないようにしましょう ・規則正しい生活は、頭痛の予防につながります ・速やかに受診を └群発頭痛は市販の鎮痛薬では改善が期待できません。速やかに頭痛の専門医を受診しましょう |
鎮痛薬の使いすぎが、新たな頭痛の引き金に?(薬物乱用頭痛)
「頭痛を治すためのお薬で逆に頭痛が起きることがある」とは不思議な話ですが、頭痛もちの方が良かれと思って服用した薬が原因で、新たな頭痛を引き起こすことがあります。
これは「薬を飲むから頭が痛くなる」という悪循環に陥った状態で、薬剤の使用過多による頭痛(MOH)といいます。 鎮痛薬や頭痛の治療薬(以下、頭痛薬)を頻繁に使いすぎると、脳が痛みに敏感になり、わずかな刺激でも強い痛みを感じやすくなります。その結果、頭痛の回数が増え、痛みも強くなってしまう悪循環に陥ってしまうことがあります。
特に片頭痛の方は、薬を早めに飲まないと効果が薄れることを経験的に知っているため、症状が悪化するのを恐れて、つい頭痛薬をすぐに飲んでしまう傾向にあります。もし、薬を飲む量が増えてきたと感じたら、それは専門医に相談するサインです。我慢せずに頭痛外来などの専門の医療機関に早めに相談しましょう。
「薬の使い過ぎ」の見分け方
次に該当する方は注意が必要です。
以前から片頭痛や緊張型頭痛などの一次性頭痛がある人で
1. 頭痛が1カ月に15日以上起きる
2. 鎮痛薬や頭痛の治療薬を3カ月以上定期的に使用している
2は、使用している薬によって服薬日数は異なりますが、1カ月に10日~15日以上服薬している場合には薬の使いすぎに該当します。
我慢は禁物!頭痛と正しく向き合いましょう
現在、頭痛にはさまざまなタイプがあり、それぞれに合った治療法や予防法が確立されています。
自己判断で市販の頭痛薬を飲み続け、痛みが治まらないまま我慢していると、かえって痛みを慢性化させてしまうこともあります。頭痛で悩んだときは、一人で抱え込まず、医療機関で受診して専門医に相談しましょう。正しい対処法を知ることで、つらい頭痛はコントロールできるようになります。
【参考文献】
・日本神経学会と日本頭痛学会:頭痛の診療ガイドライン2021