世界が注目!日本食の健康的でサステナブルな価値

2022/12/13 掲載

2021年に、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されたのは記憶に新しいですね。実は、夏季オリンピックの年は世界各国の栄養が議論される年でもありました。

東京栄養サミット2021

2012年から、オリンピック・パラリンピックのホスト国が栄養改善に向けた国際的取り組みを促進する会合「栄養サミット」を開催するようになり、ロンドン、リオデジャネイロに続き、「東京栄養サミット2021」で3度目の開催となりました。

日本政府は栄養における国際的目標を達成するために、以下の5つのテーマを特定し、議論が行われました。当日は、各国、国際機関、企業、市民団体の多くのステークホルダーからコミットメント(誓約)が表明され、世界の栄養改善に向けた取組をリードするサミットとなりました。

1 健康 :栄養のユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)への統合
2 食 :安全で持続可能かつ健康的な食料システムの構築
3 強靭性 :脆弱な状況下における栄養不良対策の促進
4 説明責任 :データに基づく説明責任の促進
5 財政 :栄養のための資金調達の推進

今回のコラムでは、「2 食:安全で持続可能かつ健康的な食料システムの構築」のテーマで改めて注目された「日本食」の価値をご紹介しようと思います。

日本食はからだに良いの?

2013年に「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されてから、海外における日本食レストランは2倍以上に増加し、そのヘルシーなイメージから世界中で更に注目を集めるようになりました。
ところで、日本食はヘルシーで健康的な食事なのでしょうか?

全国11地域で、日本人約9万人を対象に、日本食のパターンで食事をしている方が、そうでない方に比べてどのくらい死亡のリスクが低いのかを調査した研究があります。
日本食パターンとして、ご飯、みそ汁、海草、漬物、緑黄色野菜、魚介類、緑茶の摂取量が中央値より多い場合に加点、牛肉・豚肉の摂取量が中央値より少ない場合に加点して、獲得得点と、その後約18.9年の追跡期間中に確認された死亡(全死亡、がん死亡、循環器疾患死亡、心疾患死亡、脳血管疾患死亡)との関連を調べた研究です。 ※1
その結果、日本食スコアの高いグループは、同スコアの低いグループに比べ、全死亡のリスクは14%、循環器疾患死亡のリスクは11%、心疾患死亡のリスクは11%低いことがわかりました。

理想的な日本食の栄養バランスは?

最も理想的な日本食パターンが多くの方に食べられていたのは、1975年頃の日本だと言われています。

1975年は、2019年と比較すると1日のエネルギー摂取量が280kcalと15%程多く、たんぱく質源としては魚介類の摂取量が最も多く、大豆・加工品と肉類がほぼ同じくらいでした。しかし、2019年には肉類の摂取が急増し、魚介類が減少していることがわかります。
献立のイメージはこのようになります。

1975年頃の食卓では、野菜や魚と肉類のメニューの割合や穀類の摂取量も今とは異なることがおわかりいただけると思います。

日本食の健康的でサステナブルな価値

「東京栄養サミット2021」では、健康面からの価値だけでなく、SDGs(持続可能な開発目標)達成の観点からも、改めて日本の伝統的な和食のサステナブルな価値が再認識されました。
世界の食料需要は、温室効果ガス排出量全体の35%を生み出していますが、特に、動物由来の食品が温室効果ガス排出と土地利用の大部分を占めています。家畜が育つまでに、大量の飼料や土地が必要になるからです。
そのため、近年の、肉を中心とした食事は環境への負荷が最も大きく、豆・魚を中心とした「日本食」は環境への負荷が最も小さいことがわかっています。

さらに、日本人の、食べ物を大切に考える文化や、素材を使い尽くす工夫も地球環境に優しいと言われています。私たちが住んでいる日本の食事が、世界からそんな風に注目されているなんて嬉しいですね。

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【出典】
※1 国立がん研究センター 日本食パターンと死亡リスクとの関係について
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8499.html

【参考文献】
東京栄養サミット公式サイト, 外務省
国民健康・栄養調査報告, 厚生労働省

※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。

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