意外と知らない! ベビーリーフについて
2021/06/08 掲載
「野菜を食べよう!」と思っていても、何かと忙しくて野菜を料理するのが面倒に感じてしまうことってありますよね。
そんな時に便利なのがベビーリーフです。袋から洗ってお皿に盛るだけで、手軽に野菜を食べられます。彩りが鮮やかなので、メインの肉や魚の付け合わせに加えたり、ピザやパスタのトッピングに使ったり、サンドイッチに挟んだりすることで料理が華やかになり、食欲がそそられるのも魅力です。
そんなベビーリーフを手にした時にふと浮かんできたのが、「知らない野菜の名前ばかり」「スーパーによって売られている商品に違いはある?」という疑問です。
今回は、何気なく手に取っていても意外と知らないことが多い、ベビーリーフについて調べてみました。
そもそも、ベビーリーフって何?
「ベビーリーフ」とは、その名のとおり野菜の幼葉のことで、「ベビーリーフ」という名前の野菜が存在するわけではありません。「幼葉」とは、発芽後約20~30日で生育途中の幼い葉のこと。色々な野菜の幼葉から5~8種類をパック詰めしたものが「ベビーリーフ」として販売されています。幼葉なので食感が柔らかい反面、傷みやすいので早めに食べる必要があります。
メーカーによって、入っている幼葉の種類は様々。実際にパッケージに書いてある野菜の名前を調べてみると、「ピノグリーン」「デトロイト」「オーク」など、聞いたことがないものばかりでした。ところが、実は市場に出回る際に呼びやすく付けられた名前がそのまま使われているものや、馴染みのある野菜の仲間であることが分かったのです。
ここでは、比較的よく使われている野菜をいくつか紹介します。
ベビーリーフ名 | 一般的な名前 | 特徴 |
ピノグリーン | 小松菜 | 丸い葉の形と鮮やかなグリーンでクセがなく食べやすい。 |
デトロイト | ビート | 赤いカブの形のような砂糖大根で有名なビートの幼葉。茎が赤い。 |
オーク | リーフレタス | リーフレタスの幼葉。グリーンオーク、レッドオークがある。 |
レッドからし菜 | からし菜 | からし菜の一種。ピリッとした辛味の中にアブラナ科特有の旨味が感じられる。 |
レッドマスタード | からし菜 | 西洋からし菜の一種。葉脈がはっきりした赤紫色の葉。 |
ミズナ | 水菜・京菜 | ギザギザの葉の形が特徴の日本在来のアブラナ科の緑黄色野菜。 |
ロケットサラダ | ルッコラ | ごまの様な香りが特徴のアブラナ科の緑黄色野菜。 |
エンダイブ | エンダイブ | キク科で柔らかい食感が特徴の緑黄色野菜。 |
イタリアンレッド | チコリ | チコリの幼葉。チコリ独特の苦みが少し感じられる。 |
レッドバタビア | リーフレタス | リーフレタスの幼葉。赤茶色でウェーブ状の形が特徴。 |
ロメイン | ロメインレタス | ロメインレタスの幼葉。細長いスマートな形が特徴。 |
このように、レタスやアブラナ科の野菜などが入っていました。
知らない名前に見えて実は小松菜やルッコラだったり、レタスだけでもこんなに品種があったり、意外ですよね。
1袋あたりの栄養価は?
今度は、ベビーリーフ1袋にどのような栄養価が含まれているのか、近隣のスーパーを回って手に入れた5種類の商品について調べてみました。
- ①袋から開け、種類ごとに分ける(形・色・香りで判断し分別)
- ②野菜の種類の特定
- ③計量(0.1g単位で計量)
- ④栄養価計算
5種類それぞれの商品でこの作業を行い、栄養価の平均を計算。その結果、ビタミンやミネラルをまんべんなく摂れることが分かりました。
日本人に一番食べられている野菜である大根と比較すると、丈夫な骨づくりに関わるカルシウムは約6倍、ビタミンKは約62倍あり、新しい健康な血液づくりに関わる鉄は約7倍、葉酸は約4倍含まれています。
また、アブラナ科の野菜が数種類入っていましたが、アブラナ科の野菜に含まれるイソチオシアネートは抗酸化・抗炎症作用に優れ、細胞や血管の老化防止効果が期待できるため、がんや心疾患、脳血管疾患などの生活習慣病予防にもつながります。
このような栄養価や成分が摂れるベビーリーフは、健康づくりの強い味方ですね!
他の野菜と合わせて使うのがおすすめ
ベビーリーフ1袋で補える栄養価として、ビタミンKは成人が1日に必要な量の40%程度摂れますが、他のビタミンやミネラルは0~20%程度です。また、1袋30~50g前後であることが多く、これだけで副菜のサラダにするには量が足りないため、トマトを添えるなど他の野菜と合わせましょう。
1袋を小分けにして使う場合、副菜は別に用意して、主菜の付け合わせに加えるなど彩りをプラスする感覚で活用することをおすすめします。
配合される野菜は、季節やその時収穫できる種類によって変わるそうです。味や見た目の変化を楽しみながら、手軽に野菜を摂る1つの手段として食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。
【参考文献】
・文部科学省「七訂食品成分表2020」
・新版「日本食品大事典」医歯薬出版株式会社2017年3月
・厚生労働省「日本人における野菜の摂取量ランキング」
https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000096137.pdf
・国立研究開発法人 国立がん研究センター
「アブラナ科野菜と全死亡および疾患別死亡との関連について」
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8153.html