免疫を高めて未知の新型ウイルスに負けないからだをつくりましょう!

2020/02/12 掲載

皆さんは、「免疫が落ちると風邪をひきやすくなる」とか、「睡眠不足やストレスが続くと免疫が低下する」というような話を、以前に比べて日常的によく聞くようになったと思いませんか?

「免疫」。これは、病原体(病気の原因となる細菌やインフルエンザなどのウィルス)など、外からの異物を皮膚や粘膜がブロックして体内への侵入を防いだり、侵入してしまった異物から身体を守ってくれるしくみです。 更には体内で発生した病気に抵抗して癒す働きもあることから、人が本来持っている「生体防御機能」とも言えるものです。 血液中の白血球が免疫細胞となって病原体を食べつくしたり、攻撃して破壊し、病原体を消滅させるだけでなく、同じ病気にかからないように抗体をつくる働きもあります。 つまり、免疫が低下することは、病原体を退治する力も弱くなり、インフルエンザや様々な病気にかかりやすくなってしまうということを意味します。 (図1)

それでは、免疫を高めるためには、どのようにすれば良いのでしょうか。

自律神経を整えて免疫アップ!

一般的に、心身ともに疲れを感じている時は、免疫も低下していると考えられていますが、これには、過度なストレスや睡眠不足、不規則な生活、不健康な食生活、激しい運動、運動不足、気温など様々ことが影響します。 また、これらは自律神経を乱す要因になります。

自律神経とは例えば、暑い時には自然に汗をかいて体温を調節したり、緊張してドキドキした時に心体が冷えると血管が収縮して拍数が増えるように、私達の意識とは無関係に24時間休むことなく生命維持のために働く神経のことです。身体をアクティブにする働きを担う交感神経と、リラックスさせる働きを担う副交感神経の2つに分けられます。 交感神経と副交感神経が交互にバランスよく働き、自律神経が整っていることが、日々を快適に過ごすことにつながります。 様々な原因で自律神経が乱れて血管が収縮すると、全身の血流が悪くなり、血流に乗って全身をパトロールする免疫細胞も働きにくくなります。

自律神経を整え、免疫機能を高めるには、日頃から規則正しい生活やバランスの良い食事、適度な運動などを心がけることがとても大切なのです。

免疫と体温の関係 

免疫細胞は、体温が上がることで活性化するため、身体の冷えはその働きを鈍らせると言われています。 (図2)

では、体温が高い人の方が免疫力が高く、病気になりにくいのでしょうか?体が冷えると血管が収縮して血流が悪くなり、身体のすみずみまで栄養や免疫細胞が運ばれにくくなることで免疫が下がり、風邪やインフルエンザなどの病気にかかりやすくなります。特に寒い時期は、内臓や手足を温めて血流を良くし、免疫細胞を活性化しておくことが重要になります。 また、加齢や運動不足などに伴う筋肉量の減少は、基礎代謝を低下させ、筋肉での熱の産生も減少するため、筋肉量を減少させないことも大切です。 免疫機能は腸との関係も深く、起床時や寝る前、冷え込むときは、白湯などの温かい飲み物が内臓をあたためて腸を活性化し、免疫を高めてくれるでしょう。しかし、「体温が高い方が免疫力がアップして健康にいい」とする説がある一方で、「体温が低い方が寿命が延びる」という研究報告もされているようです。今後の研究が待たれるところです。

日頃の心がけで、未知の新型ウィルスに備えましょう

免疫を高めることは、手洗い・うがいと共に、風邪やインフルエンザ、2003年のSARSや2012年のMERS、2019年12月に発見された COVID-19に代表されるウイルスの感染予防や重症化予防にもつながります。

複数のチェックがついた人は、免疫が低下しているかも知れません。 まずは日頃の生活を振返り、風邪やインフルエンザ、未知の新型ウィルスに備えましょう!
 

□慢性的な睡眠不足
□座り仕事が多くて運動不足
□野菜や果物をあまり食べない
□ダイエット中
□大きなストレスを抱えている
□風邪をひきやすい、長引きやすい
□便秘や下痢をすることが多い
□口内炎や口唇ヘルペスがよくできる
□最近、あまり笑っていない
□いつも手足が冷たい

参考資料
日本免疫学会解説記事
厚生労働省ホームぺージ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
厚生労働省 e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-030.html

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