気づいても取れない加齢臭3つの対策法
2017/07/11 掲載
梅雨や夏の汗ばむ時期は男女問わず自分のニオイが気になりますが、ニオイは季節を問わず年代によって発生するものもあります。
今回は、特に40代頃から気になりだす「加齢臭」にスポットを当てて対策法を探っていきます。
加齢臭の発生原因
年齢を重ねると皮脂を分泌する「皮脂腺」の中で「パルミトレイン酸」という脂肪酸が増加するといわれています。このパルミトレイン酸と同時に加齢とともに増えてくるのが過酸化脂質。過酸化脂質とは、脂質に酸素が結びつき変質した脂がさびたようなものです。この2つが結びつき、パルミトレイン酸が連続的に酸化・分解されることによって、ニオイ物質のノネナールが発生するといわれています。(※1)
(※1)
ノネナールが発生するのは「加齢」が原因なので男女差はありません。加齢臭というと中年の男性のイメージが強いかもしれませんが、女性にも加齢臭は出てきます。
嗅覚は3~4歳頃までに完成すると言われていますが、この時期におじいちゃんやおばあちゃんと過ごした経験のある人はニオイに慣れていて、加齢臭を嫌なニオイに感じにくいとも言われています。(※1)
嗅覚は3~4歳頃までに完成すると言われていますが、この時期におじいちゃんやおばあちゃんと過ごした経験のある人はニオイに慣れていて、加齢臭を嫌なニオイに感じにくいとも言われています。(※1)
また、加齢臭は皮脂が関係しているため、皮脂の分泌の多い部分は特にケアが必要です。
よく「加齢臭は耳の後ろからにおう」と言われますが、耳の後ろは皮脂の分泌量の多い場所の1つです。特に、下図の中でも耳の後ろは洗い忘れが多い場所でもあり、周りの人の鼻に近いこともあってニオイを認識されやすいようです。(※2)
よく「加齢臭は耳の後ろからにおう」と言われますが、耳の後ろは皮脂の分泌量の多い場所の1つです。特に、下図の中でも耳の後ろは洗い忘れが多い場所でもあり、周りの人の鼻に近いこともあってニオイを認識されやすいようです。(※2)
このように、加齢臭は全身から出る可能性があります。汗を抑える成分が含まれている制汗剤の使用を考える方もいらっしゃると思いますが、これは主に脇や足への使用目的で作られているものなのでこれを全身に使用すると、うまく発汗ができず熱中症になる危険もあるようなので注意が必要です。
制汗剤が使えないとなると、加齢臭が気になる人はどうしたらよいか?実は「ミョウバン」がおすすめです。1.5Lの水に50gのミョウバンを溶かし、スプレー容器に入れておけば、全身に使えない制汗デオドラントスプレーの代わりに使うことができます。
ガーゼに含ませて制汗シート代わりにも使えます。また素肌への使用が心配な方は衣類にスプレーするとよいでしょう。(※3)(※4)
ガーゼに含ませて制汗シート代わりにも使えます。また素肌への使用が心配な方は衣類にスプレーするとよいでしょう。(※3)(※4)
加齢臭の対策法
1)食事
◆常温で固まる動物性脂質を控える
加齢臭が発生するシステムと生活習慣病が発生するシステムはとてもよく似ています。
年齢を重ね、脂質の多い食事を続けていると、血管の中にコレステロールが溜まっていくのと同じように、皮脂腺にも脂肪分が増えていきます。皮脂腺の脂肪分が多いということはニオイの元となるノネナールの原料が多いということ。また、体内の過酸化脂質を減らすためにも常温で固まる動物性脂質(バターやラードなど)は控えるようにしましょう。(※2)(※4)
◆抗酸化作用のある食べ物を積極的に摂る
ノネナール産生に関わる「過酸化脂質」が増えるのは、活性酸素が体内に大量発生した時と言われています。活性酸素を減らすビタミンCやビタミンE、ポリフェノールなどの抗酸化作用のある成分が豊富な緑黄色野菜や果物、海藻類、ごはんはビタミンEの多い胚芽米に替えるなどがおすすめです。(※3)
2)運動
ウオーキングなどの有酸素運動を習慣にしておくことで、汗腺の働きが高まりサラサラした「良い汗」をかけるようになり、皮膚の上でノネナールが薄められて、加齢臭のニオイを弱めることができるそうです。このような運動は、生活習慣病対策にもおすすめです。(※4)
3)ストレス
ストレスは、活性酸素を発生させ、過酸化脂質を増やし、ノネナールが作られ、加齢臭が増加するという悪循環を生んでしまいます。
特に、「加齢臭がしているんじゃないか?!」というニオイのストレスには、今回お伝えする対策法を試してみたり、加齢臭対策グッズ(石けんやボディソープ、汗ふきシートなど)も活用して自信を持つことでストレスが減り、加齢臭も減少するかもしれません。(※1)
特に、「加齢臭がしているんじゃないか?!」というニオイのストレスには、今回お伝えする対策法を試してみたり、加齢臭対策グッズ(石けんやボディソープ、汗ふきシートなど)も活用して自信を持つことでストレスが減り、加齢臭も減少するかもしれません。(※1)
また、たばこを吸うことでストレス発散をされている方もいらっしゃるかもしれませんが、タバコに含まれるニコチンはせっかく抗酸化のために摂ったビタミンCを消費します。そのため、活性酸素を減らすことができず、加齢臭に繋がりやすくなります。実際、タバコを吸う人の方が吸わない人よりも加齢臭が強くなる傾向があります。(※2)
「加齢臭」は程度の差こそあれ、誰にでも起こる加齢現象ですので、正しい知識をしっかり持って付き合っていきましょう。
加齢臭は、体の酸化が年齢以上に進むとより強くなるといわれています。
内臓脂肪がたまっていないか?生活習慣病のリスクはないか?ちょうどこのような事が気になってくる年代でもありますので、加齢臭を切り口にまずはご自身の健康を改めて見直すきっかけにしていただけたらと思います。
【参考文献】
- ※1 40代からの気になる口臭・体臭・加齢臭 五味常明著 旬報社
- ※2 加齢臭読本 奈良巧著 草思社
- ※3 気になる「カラダのニオイ」をかんたんケア 五味常明著 PHP研究所
-
※4 NHK 視点・論点「気になる?加齢臭・体臭」2015年6月2日(火) 医師 五味常明