これからの未来のために。0から始める妊活講座

2016/07/12 掲載

みなさんは、「妊活」をご存知ですか?

妊活とは「妊娠について知識を身に付けたり、妊娠にあたって自身のからだの現状を把握する活動のこと」です。現在、様々な情報があふれ、何をしたら良いのか、うまく妊活が進められるか不安な方も多いと思います。

妊活というと、つい構えてしまうかもしれませんが、今回ご紹介している食生活のほとんどは、「健康的なからだづくり」をするための方法です。

妊活に限らず、その後の人生にとっても、必ずプラスになることですので、妊活をされている方も、まだこれからという方も参考にしていただければと思います。

 

妊娠について知ろう

避妊しなければすぐに妊娠できると思っている方も多いかもしれません。

健康な20代後半~30代前半の男女でも排卵日に合わせて性行為を行ったとしても、妊娠する確率は約25~30%、30代後半では約18%、40代前半では5%、40代後半では1%だといわれています。

思っていたよりもずっと少ない確率ではないでしょうか。

 

では、妊娠はどのように成立するのでしょうか。妊娠を考え始めたら、その仕組を知っておくことも大切です。

妊娠は、射精→排卵→受精→着床という過程を経て、成立します。膣内に2~3億個という精子が射精されても、卵子にたどり着くのはそのうちの数百個です。さらに受精できるのは、そのなかでたったひとつだけです。妊娠することは、簡単なことではありません。

ですので、夫婦で妊娠についてしっかり話し合い、健康な身体を作っていく準備をしましょう。

 

妊活中の食生活

これを食べると必ず妊娠できる!という食べ物は、残念ながらありません

ですが、妊娠しやすいからだを作るために、食生活を見直して健康を維持していくことはとても大切です。

 

1.なるべく適正体重に近づけよう

 

日本産科婦人科学会では、妊娠・出産に影響を与えるものとして「やせ」「肥満」をあげています。

 

■やせ
ダイエットや運動などで体脂肪率が低くなってくると、月経不順、月経異常、無月経が起こりやすくなります。一度卵巣機能に障害が起きると、妊娠・出産に影響することがあります。また、妊娠期にやせすぎていると低体重の赤ちゃんが生まれやすく、その子は将来糖尿病や高血圧などの生活習慣病を発症しやすいという報告があります。
■肥満
肥満の女性では無月経や、月経周期の乱れが起こりやすくなります。月経不順や排卵障害となると、不妊症の原因にもなります。
また、妊娠後に妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群などを発症するリスクが高まり、緊急帝王切開や分娩後大量出血等の異常も多くなります。

  ※文部科学省 「健康な生活を送るために~健やかな妊娠・出産のために」より作図

はじめに、ご自身の標準体重を計算しましょう。

 

標準体重の計算方法は数多くありますが、世界で広く使われているBMI(Body Mass Index)を用いた方法がおすすめです。

 

★過去コラム『ここに注目!体組成計の「測定項目」』参照

 

 

2.バランスの良い食事

 

バランスの良い食事とよく聞きますが、実際どうすればよいか、何を食べたらよいかをご紹介します。

1) 食事は基本的に1日3回、3つのお皿を揃えましょう。3つのお皿とは主食・主菜・副菜のお皿です。
2) 1日1回はどこかで果物・牛乳・乳製品を食べましょう。

何だかちょっと面倒に感じるな…という方もいらっしゃるのではないでしょうか?普段の食事を工夫することで、健康的にかつ美味しくバランスの良い摂取できる方法をご紹介します。

 

スマートフォン・携帯サイトに「タニタ社員食堂レシピ」というコンテンツがあります。「タニタ社員食堂レシピ」の中から、妊活におすすめの組み合わせをご紹介します。

 

玄米の野菜パエリア定食
主菜:玄米の野菜パエリア
副菜:豆腐のあんかけ茶碗蒸し
副菜:ひじきのしょうが香り炒め
汁物:ブロッコリーの豆乳スープ
主食:ごはん
合計: 544kcal
定食
牡蠣とほうれん草のグラタン定食
主菜:牡蠣とほうれん草のグラタン
副菜:白菜とえのきの紅葉和え
汁物:トマトのスープ
主食:ごはん
デザート:キウイフルーツ
合計: 500kcal

 

料理は同サイトからの抜粋です。レシピが気になる方は是非、登録して内容をご確認ください!★タニタ社員食堂レシピ

 

3.体を温める食材を活用する

 

血行が悪いと卵巣に酸素や栄養が十分に届かず、卵巣機能の低下を招きやすくなります。体温を上げる食材を活用して冷えを予防しましょう。「冬が旬」・「寒い地域で採れるもの」が体を温める食材と言われています。例えば、ごぼう、にんじん、ねぎ、れんこん、しょうがなどです。具だくさんのスープにしてストックしておくのも良いですね。

 

また、手軽にできるジュースからはじめてみるのもおすすめです。私自身も妊活中にはりんご・人参ジュースを飲んでいました。老化防止や抗酸化作用のあるポリフェノールが含まれる「りんご」と身体を温める効果のある「にんじん」で妊活中におすすめの飲み物です。これらの働きのある食材は他にもいろいろな組み合わせがありますので、お好みの食材を組み合わせて特製ジュースを作ってみてください。

 

4.妊娠前から葉酸を摂ろう

 

妊娠前後の葉酸摂取が、胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減に有効であるということが、数多くの研究から明らかにされています。

 

厚生労働省では、『妊娠を希望している女性は1日に400μgの葉酸(プテロイルモノグルタミン酸)を摂ることが望ましい』としています。妊活中から葉酸の摂取を意識しましょう。

 

★過去コラム『妊娠する前に知っておきたい!妊婦の食事の注意点とは?』参照

 

 

5.ストレス解消

 

日常生活の中で避けて通れないストレス。ストレスは女性ホルモンのバランスを乱れやすくし、ストレスからくる心身の疲れが男性の精子をつくる能力にも影響すると言われています。

 

ストレスを感じたら、いつも以上にバランスの良い食事を基本に、特に消費しやすいたんぱく質(肉・魚・卵・大豆製品など)とビタミンC(じゃがいも、ピーマン、レモン、ゆずなど)や精神を安定させるカルシウム(牛乳・小魚・大豆製品など)を意識して摂り入れるようにしましょう。

 

また、食事以外でも適度な運動や35~40度の湯加減のお風呂に、10~20分程度ゆっくりつかることでストレス解消やリラックスをしましょう。

 

 

 

最後に…

私自身、20代前半で産婦人科にかかりホルモンのバランスの悪さを指摘されました。まだ子供を考えていなかった頃ですが、とても不安でいっぱいでした。

そこから、自分の身体の事をしっかり考え、食事をより意識するようにしました。このコラムを通じて妊活を前向きに進めていける方が少しでも増えると嬉しいです。

 

 

参考文献

◆愛成病院 ホームページ-「妊娠しやすい体づくり」

http://www.kouwakai-nakamura.jp/medicalex/gynecology/it/it_bodybuilding/

◆福岡産婦人科情報館 ホームページ-「自然妊娠の確率と年齢」

http://www.f-fujinka.com/childbirth/age.html

◆文部科学省 ホームページ- 「20.健やかな妊娠、出産のために」

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/

◆日本産婦人科学会 ホームページ-「病気を知ろう:不妊関連」

http://www.jsog.or.jp/public/knowledge/funin.html

◆週末妊活のすすめ ムリなく授かる50のヒント

北村 健

※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。