オーラルフレイルって何？　健康長寿の秘訣は口にあり

11月8日は「いい歯の日」です。6月の虫歯予防デーとともに「歯」やお口の状態について考えてみる機会にするのはいかがでしょう。

オーラルフレイルって何？

オーラルフレイルという言葉を聞いたことはありますか？
オーラルフレイル（Oral Frailty）は、口の機能が健常な状態（いわゆる『健口』）と『口の機能低下』との間にある状態です。

「最近、堅いものを食べづらくなった」と感じた時、皆さんはどう対応しますか？　柔らかいものを食べたり、食材を細かく刻んで食べたりしていませんか？
実はその対応によって、噛む機能は更に低下しやすくなり、口腔機能がますます低下します。
その結果、心身機能の低下、低栄養の状態につながりかねないのです。

ある調査によれば、オーラルフレイルを知っているという人は約30％。以前と比べると増加傾向にありますが、対策まで行っている人は21.4％と少数派です。
早い人では40代からオーラルフレイルが始まっているというデータもあります。

セルフチェックシート

オーラルフレイルの危険性があるかどうか、早速チェックしてみましょう。

※歯を失ってしまった場合は義歯等を適切に使って堅いものをしっかり食べることができるよう治療することが大切です。

引用：公益社団法人日本歯科医師会リーフレット「オーラルフレイル」

チェックの結果、3点以上だった方は早めに歯科を受診しましょう。

よく噛む人と噛めない人

口の中をよい状態に保つことで、おいしい食事が食べられるばかりでなく、からだに摂り入れる栄養素の量にも差がでてきます。
多くの研究で、噛める状態の口かどうかと、摂取している食品群や栄養素について検討されています。全体的に、噛める人のほうが栄養状態も良く、高齢期に特に必要な食品もきちんととれています。一方で、摂り過ぎが気になる食品もありますので、注意が必要です。

いくつかの研究結果をまとめると以下のようになります。

不足しやすい食品群	摂り過ぎになりやすい食品群
肉類 魚介類 卵類 豆類 いも類 緑黄色野菜 その他の野菜 油脂類 果物	穀類 嗜好飲料（甘い飲み物） 菓子類

オーラルフレイルの予防方法とは

自分の歯でいつまでもおいしく食べ、楽しくおしゃべりをして、元気に過ごしたい。そのためには、誰もがなりたくないオーラルフレイルですが、その対策方法は大きく2つに分かれます。1つは自分でできるセルフケア。もう1つは、歯科医院で行うプロフェッショナルケアです。

セルフケア

①歯磨き
毎日の丁寧な歯磨きは重要ですが、特に就寝前は念入りに。歯間ブラシやフロスなどを使うのも良い方法です。歯だけでなく、舌や頬の内側などもきれいにしましょう。
起床時は口の中の細菌が最も多い状態なので、起きてすぐに口をゆすぐか歯磨きをしましょう。

②お口の若返り
お口の周りの筋力アップにつながる会話や歌、しっかり噛んで食べる食事の工夫も大切です。

プロフェッショナルケア

歯磨きでは取り切れない歯石の除去や定期的なお口の中のチェックが重要です。
入れ歯の人も定期的に入れ歯を調整し、しっかりかめるお口の状態をつくることが必要です。
かかりつけの歯科医院で年に1回はケアしましょう。

「8020」を目指して

いかがでしたか？

8020運動とは、80歳で自分の歯が20本あることを目指す運動です。近年は80歳で20本以上の歯が残っている人の割合は増えています。
自分の歯を1本でも多く残すことを一つの目標にするのも良いですね。

【出典】
・日本歯科医師会　歯っぴぃスマイル
お口と体の健康対策　オーラルフレイル危険度をチェック！
https://www.jda.or.jp/happysmile2022/healthchek/index.html