「ワクチン」ってなんだろう? ○×クイズでワクチンについて学ぼう!
2021/04/13 掲載
「ワクチン」について知っていますか?
最近よく耳にするようになった「ワクチン」という言葉。皆さんはどれくらいワクチンについてご存じですか?
ワクチンについて疑問をお持ちのあなた。
クイズに答えて疑問を解消し、ワクチンについて学びましょう。
【疑問解消 ワクチン○×クイズ】
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第1問
感染症を予防する方法の1つであるワクチン接種は、病原体の感染経路(うつる道筋)の対策である。 -
第2問
ワクチンを接種すれば、感染を防ぐことができる。 -
第3問
ワクチンの接種方法には、飲んで接種するワクチンがある。 -
第4問
ワクチンの種類は、病原性を弱めた病原体(ウイルスや細菌など)からつくられたワクチンのみである。 -
第5問
どんなワクチンでも副反応が起こる可能性がある。 -
第6問
ワクチンの有効性90%とは、100人がワクチンを接種したら90人には効いたが、10人には効かなかったということである。
答えられましたか? さあ、正解を見てみましょう!
○×クイズ回答
第1問
感染症を予防する方法の1つであるワクチン接種は、病原体の感染経路(うつる道筋)の対策である。
⇒×
感染症を予防するためには、「感染源」「感染経路」「からだの抵抗力」について対策が必要です。ワクチン接種は、「からだの抵抗力」を高める対策の1つです。
感染源についての対策 | 感染経路についての対策 | からだの抵抗力についての対策 |
---|---|---|
患者の早期発見・早期治療、消毒や滅菌など | 手洗い・マスク・人ごみを避けるなど | 食事・運動・休養・予防接種など |
人間には、病原体などからからだを守り、病気に打ち勝つ力、つまり「抵抗力」が備わっています。病原体が体内に入ってきた時は、血液の中のリンパ球という白血球の一種が中心となって、その病原体と闘います。「抵抗力」の中でもこの働きを「免疫」といいます。 この免疫の仕組みを応用したものが予防接種です。ワクチンを接種することによって、病原体と闘う仕組み(免疫)を備えることができます。
第2問
ワクチンを接種すれば、感染を防ぐことができる。
⇒×
ワクチンの効果は3つ。
①感染予防効果、②発症予防効果、③重症化予防効果があります。
①感染予防効果 | ②発症予防効果 | ③重症化予防効果 |
---|---|---|
感染を防ぐ (病原体が体内に入ってくるのを防ぐ) |
感染しても発症を防ぐ (病原体が体内に入っても、発熱や咳など症状が出るのを防ぐ) |
感染して発症しても重症化を防ぐ (病原体が体内に入って症状が出ても、悪化して重症するのを防ぐ) |
第3問
ワクチンの接種方法には、飲んで接種するワクチンがある。
⇒○
ワクチンの種類(ロタウイルスワクチン等)によっては、経口による接種を行う飲むワクチンがあります。
第4問
ワクチンの種類は、病原性を弱めた病原体(ウイルスや細菌など)からつくられたワクチンのみである。
⇒×
ワクチンの種類には、生ワクチン、不活化ワクチン、組換えタンパクワクチン、メッセンジャーRNAワクチン、DNAワクチン、ウイルスベクターワクチンがあります。
生ワクチン | 不活化ワクチン・組換えタンパクワクチン | メッセンジャーRNAワクチン・DNAワクチン・ウイルスベクターワクチン |
---|---|---|
病原性を弱めた病原体からできています | 感染力をなくした病原体や、病原体を構成するタンパク質からできています | ウイルスを構成するタンパク質の遺伝情報を投与します |
MRワクチン(M:麻しん、R:風しん)、BCGワクチン(結核)など | インフルエンザワクチン、B型肝炎ワクチン、肺炎球菌ワクチンなど | 新型コロナウイルスワクチンなど |
第5問
どんなワクチンでも副反応が起こる可能性がある。
⇒○
どんなワクチンでも、副反応が起こる可能性があります。一般的にワクチン接種後には、ワクチンが免疫をつける過程で反応を起こすため、接種部位の痛み、発熱、頭痛などの「副反応」が生じる可能性があります。また、ワクチンに含まれる成分に対する急性のアレルギー反応であるアナフィラキシーショックを起こす可能性があります。
第6問
ワクチンの有効性90%とは、100人がワクチンを接種したら90人には効いたが、10人には効かなかったということである。
⇒×
発症するかどうか分からない健康な人が接種するワクチンの「効く」「効かない」の有効性を調べるためには、治験参加者のほぼ半数にワクチン、残りにプラセボ(偽薬)を接種し、その後発症したかどうかを追跡します。その結果、ワクチンを接種したグループが、プラセボを接種したグループに比べて、感染による症状が出た人の割合がどのくらい減少したかを調べます。例えば、治験参加者を追跡して症状が出た人の割合が、ワクチンを接種したグループで100人中1人、プラセボを接種したグループで100人中10人だったとすると、ワクチンの有効性は90%となります。
正解した方も、正解できなかった方も、ワクチンについての疑問は解消できましたか?
ワクチンの効果(①感染予防効果 ②発症予防効果 ③重症化予防効果)は、ワクチンの種類や個人差によって、効果の程度が異なります。
また、大勢の方がワクチンを接種することによって、病原体に対する抗体を持つ人が増え、集団免疫の効果も期待できます。
新型コロナウイルスに限らず、病気を予防するためのワクチンは数多く開発されています。その中でも、法律に基づいて国や自治体が実施する「定期接種」は、公費(一部自己負担あり)で受けることが可能です。
「定期接種」の予防接種は、種類や対象の年齢、性別など公費で受けられるタイミングが決まっているものがあります。詳しくはお住いの市区町村などに確認し、受けるタイミングを逃さないようお気を付けください。
参考文献:
1)予防接種情報 |厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/index.html
2)新型コロナワクチンについて|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_00184.html