健康への投資で未来のコスト削減に!

2019/10/08 掲載

2019年10月より消費税が8%から10%へ引き上げられました。

おそらく、家計を預かる方はあれやこれやの節約を考えておられることでしょう。中にはお小遣い減額!?と心配されている方もいるのではないでしょうか。

家計の負担は消費税増税だけで済むはずがなく、今後は医療や介護などの社会保障費の負担増もじわじわと予定されています。

 

健康への投資を考えたことがありますか?

皆さんは、ご自身の健康づくりのために年間でいくらくらい支出をしているか考えたことはありますか?

健康のために良いことといえば、食事に気を付ける、運動をする、適正な体重を維持するなどいろいろあると思います。それらにかかる経費が「健康への投資」となります。

表1~4は平成26年国民健康・栄養調査の世帯の年間収入別の食品摂取や生活習慣の統計結果です。

表1

表1表1表1

※平成26年国民健康・栄養調査より 作図:タニタヘルスリンク

厚生労働省の平成26年国民健康・栄養調査報告によると、「所得により生活習慣の状況に差がみられること、また健診の未受診者で健康状態に課題がみられることなどが明らかになりました。」とあります。

ただ、この結果はあくまでも平均です。収入の多い少ないにかかわらず家計をやりくりして健康に気を付けている人もあれば、健康に全く気を付けていない人もおられるはずです。

やはり健康づくりは、ご自身の意識が重要なのではないかと思います。

 

本当に有効な節約術とは?

国際経済全般について協議することを目的とした国際機関である経済協力開発機構(OECD)のレポートには、「肥満者は正常体重者より年間医療費が25%多い」ということが報告されており、他にも様々な研究で肥満者の医療費が高くなる結果がでています。

病気で月に何回も病院に通い、高い薬を飲むことになったら毎月いくら支出が増えるのでしょうか。

やはり単純に食費の支出を抑える節約方法より、食事の質を上げて未来の健康へ投資されることをオススメいたします。

健康診断についても厚生労働省から発信されている医療費分析の報告では、健康診断を受けている人より受けていない人の方が医療費が高くなる傾向にあることが分かっています。

一般的な項目の健診であれば、健康保険組合や市町村の補助などで比較的安く受けることができます。年に一度の健康診断を受けることも未来のための節約に繋がるのです。

また、タバコを吸う人は、がんや循環器疾患の発症リスクが高いといわれています。このことから医療療費が高くなることが容易に推測できます。寿命が短いことも分かってきていることから、働き盛りの人が亡くなった場合の経済損失は家庭だけでなく社会にとっても大きいです。さらに、受動喫煙によるタバコを吸わない人の健康への悪影響も問題となっています。

タバコをやめることは、今の支出も抑えるだけでなく多くのメリットがありそうですね。

 

健康への投資が未来のコスト削減に!

今回の消費税引き上げの背景には、少子高齢化で拡大する医療や介護など社会保障費の財源を確保することにあります。社会保障制度は高齢者に限らず、これから子どもを産んで育てる世代にとっても大切な制度です。

また、2040年には現役世代いわゆる労働人口が減少することで、企業は人材不足に陥ることが予測されています。そのため、定年の延長も見据えて高齢になっても健康で長く働き続けてもらうための対策として、健康経営に取り組む企業も増えてきています。健康経営は企業が優秀な人材を確保する上で求められる未来への投資でもあるのです。

私たちも未来の自分や家族が安心して生活できるよう、健康への投資が必要かもしれませんね。

 

≪参考資料≫

■厚生労働省:平成26年国民健康・栄養調査報告 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou/h26-houkoku.html

■OECD:肥満と予防の経済学:肥満ではなく健康を(FIT, NOT FAT)https://www.oecd.org/els/health-systems/46068503.pdf

■厚生労働省:事例に学ぶ効果的なデータヘルスの実践 https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000170829.pdf  

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