憎い脂肪を減らすには「消費カロリー」より「脂肪燃焼」が肝!

2016/03/22 掲載

細身の服を着たり薄着になったりすると、身体のラインが気になりますよね。
でも、ジムやエステ、高額ダイエット食品や痩身グッズに手を出す、お金も時間も心の余裕も無い!
…そんなあなたのために、いかに手間ヒマかけずスリムになるか…科学的にデータを検証しつつまとめます。

なぜ「体重」より「脂肪」を減らすことが大事なのか?

スリムになりたいという野望をかなえるには、よく「脂肪を燃やしてキレイに痩せよう」とか、「筋肉は維持して脂肪を燃やそう」なんて言いますよね。

体重よりも脂肪を減少させた方が健康診断の数値の改善度が高いことがわかっていますし、筋肉を減らして痩せてしまうとエネルギー消費量が落ちてリバウンドしやすくなり、どんどん太りやすい体・エネルギー循環の悪い体質になってしまう(【図1】)と言われています。

 

 

このような面から「健康」の面で「脂肪減少」を重視すべき、ということはもちろんなのですが実は「見た目」的にも脂肪を減らす方が効果が大きいのです。

同じ体重でも、違う体型に見える!…体積が大きい脂肪

「筋肉は重く脂肪は軽い」ことを知っていますか?      
これは筋肉より脂肪の方が密度が低いということを示していますが、この違いを「同じ重さ」で比べたらどうなるでしょう?同じ重さで換算すると・・・「脂肪組織」は、「筋肉や骨」等の組織に対して「1.25倍」、なんと25%も大きく広がってしまうのです。

※詳しくは過去のコラムをどうぞ…「脂肪は軽く、筋肉は重い!?実際はどれくらい違うの?」

 

これを視覚的に示したものが上の【図2】です。同じ体重でも、脂肪が多いと体積が大きくなり、ポワンとふくらんで見えてしまうことがわかりますよね。
更に筋肉はキュッとくびれたかたちを作りますので、メリハリがあり、引き締まって見える効果もあります。このように、スリムに見せるなら、脂肪を減らした方が断然「視覚的改善効果」が大きいのです。たいして体重変動がなくても「スリムになった?」「引き締まったね!」なんて言われちゃうのです!

脂肪が燃えるって具体的にどういうこと?

人間は寝ていても、運動していても、常にエネルギーを消費しています。こうしたエネルギーは自分の「食べたもの」や「身体に蓄えられている体脂肪」などを燃料源としています。

「脂肪が燃える」とはエネルギー燃料源として身体に貯蔵されていた「体脂肪」が主に使われている状態のことです。
この状態が続けば体脂肪が減って、キレイに痩せる…というわけです。

 

ではあなたに質問します、たった今の自分の燃料源は「食べたもの」なのか「体脂肪」なのか、わかりますか?
次では、「体脂肪が燃えているか」を知る方法をご紹介します。

最も簡単・短時間で脂肪燃焼がわかる「呼気中アセトン計測」

これまで、研究現場では、「酸素を吸った量」と「二酸化炭素をはいた量」の比率で、エネルギー消費の中の「脂肪燃焼」の割合を計算していました。特殊なマスクをベルトでがっちり顔に長時間固定する必要があるため、見た目はコワイし顔は締め付けられるし被験者さんにとっては苦痛であったと思います。他には、小さな部屋がまるごと測定器になっている装置もありますが、大掛かりで高価過ぎるため、あまり普及していません。

 

現在、最も負担なく簡単なのは、「ケトン体」を測る方法です。
ケトン体は、身体の中で脂肪がエネルギー源に使われる(脂肪が燃焼する)と出てくる代謝産物です。
脂肪が燃えれば燃えるほどケトン体もたくさん出てきます。血液や尿で測っても良いのですが、呼気中にも「アセトン」という成分として排出されます。呼気のアセトン濃度なら、「ふぅーっ」と一息はいた呼気を採取するだけで計測ができるのです。

          

近年、この「呼気アセトン」に関する研究が進んでいます。
例えば、呼気アセトンは体重や体脂肪量に変化が現れるより、ずっと早く脂肪燃焼が上昇しはじめたことを明確に示すため、ダイエット指導の際、モチベーションの維持に大変効果的ということも発表されています。
呼気アセトンによる脂肪燃焼評価は、いわば「これから脂肪が減って痩せそうですよ」という「痩せ予報」として使うこともできるということです。

最近注目のアセトン。これを使うとまだまだ色々な事がわかりそうです。
今後の研究に期待したいですね!

 

 

※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。