老化の原因「AGEs」を抑える食生活とは?

2015/07/14 掲載

みなさん、「AGEs」という言葉を聞いたことがありますか?
日本語でいうと「糖化最終生産物」
これを聞いてもピンとこないな・・という方もいらっしゃるでしょう。
 

私たちのからだの中では、日々さまざまな化学反応を経て、食べた食事を消化、吸収、代謝をしているのですが、体内でたんぱく質と糖が結びついて変性する反応を「糖化」その最終産物を「AGEs」といい老化物質として注目されています。

このAGEsは分解されにくく、蓄積していくことによって、肌や髪の変化だけでなく、様々な老化の原因となるといわれているのです。

クッキーやホットケーキを焼くと、香ばしい良い香りとこんがりきつね色の焼き色がおいしそうにつきますが、この反応をメイラード反応(たんぱく糖化反応)といいますが、これと同様の事が体内でおこると考えるとイメージしやすいかもしれません。

 

では、「AGEs」を発生させない方法はないのでしょうか?

私たちのからだの組織はたんぱく質でできていて、食事などで糖からエネルギーを摂取して生活しているので、全く発生させないということはできませんが、食べ過ぎなどによる余った糖分が「AGEs」を作りだす原因ですから、糖や炭水化物を余分にとりすぎないことや血糖値の急上昇をしないような食べ方が重要です。

 

「AGEs」を抑える食べ方

■野菜から先に食べる

少し前からよく聞く、「食べ順ダイエット」や「ベジタブルファースト」という食べ方は血糖値の急上昇を防ぐことで肥満を防いだり、糖尿病のリスクを減らすことで注目されました。私たちは食事をすると血糖値が上昇し、インスリンというホルモンが分泌されて血糖値を下げて、一定の状態に保っています。

血糖値が急上昇すると、からだは多くインスリンが必要だ!!と判断し、多量のインスリンを分泌し、急いで血糖値を下げようとしてしまいます。急激に血糖値が低下すると空腹感を感じます。
食後2時間程度でお腹がすいてしまうという方は、血糖値の急上昇と急降下が原因として考えられます。       

 

野菜は食物繊維が多く、消化吸収に時間がかかる事から、血糖値の上昇が緩やかになります。ヒトへの介入試験でも、野菜から先に食べた人とごはんから先に食べた人では、血糖値の上昇スピードに明らかに差があり、分泌されるインスリンの量にも違いがある事が解っています。

食べ順として、お勧めしたいのは、野菜の副菜や温かい汁物から食事をスタートし、メインの料理、そのあとに主食であるごはんやパン、麺類などという順番です。

食べる順番を変えるだけですから、今日からすぐに手軽に取り組めますね。

 

■食物繊維の多い食事内容にする

野菜から先に食べれば、野菜の量は少なくても良いかというと、そうではありません野菜や海草、こんにゃく、きのこなどに多く含まれる食物繊維をしっかり摂る事も重要です。

1日350g以上の野菜にプラスして、海藻、きのこ、こんにゃくなどを食卓にぜひ取り入れてください。
野菜には香り成分や苦みの成分などで抗酸化物質であるファイトケミカルも多く含まれています。
老化のもう一つのおおきな要因の酸化を防ぐ効果も期待できますから、野菜たっぷりは効果絶大ですね。

 

■食後に軽い運動をする

食事内容に注意するとともに、食後に軽くからだを動かすことは血糖値の急上昇を抑えるもう一つの方法です。

あがった血糖値を下げるホルモンはインスリンしかありませんが、筋肉を動かすことで筋肉にあるGLUT4というレセプターが直接ブドウ糖を筋肉に栄養素として取り込んでくれるのです。

ランチは遠めのお店を選んで、食べた後にウォーキングをしたり、食後にかかと上げエクササイズなどで大きな筋肉を動かすようにすると良いでしょう。

 

食後30分から1時間のタイミングを狙って15分~30分ほど歩くのがお勧めです。

 

他にも、「1回あたりの食事を20分以上かけてゆっくり食べる」「ひとくち30回は噛むようにする=噛みごたえのある食事にする」なども血糖値を急激に上げない食べ方です。

 

これらは、タニタ食堂でも重要視している部分。
タニタ食堂のレシピの中には、AGEsを抑える食事がたくさん掲載されています。
本以外でも下記にてご覧いただけます。

 

★からだカルテ タニタ食堂ヘルシーレシピはこちら

★社員食堂モバイル(会員向けサービス)はこちら

 

ぜひ今日からでもAGEsを抑える食生活を始めて、いつまでも若々しくいましょう!

 

 

参考文献

糖化を防げば、あなたは一生老化しない

丸の内タニタ食堂