無意識に食いしばっている? 歯を守るために知っておきたい「ブラキシズム」

2026/09/08 掲載

歯を守るために知っておきたい ブラキシズム

皆さんは、寝ている間や仕事などに集中しているときに、「歯を食いしばっている」と感じたことはありますか?

私はこれまで、食いしばりや歯ぎしりをしているという自覚がまったくありませんでした。そんな私が最近、歯科医院で勧められたことをきっかけに、就寝時に使用する「マウスピース(ナイトガード)」を作ることになりました。今回は、私自身の経験をきっかけに知った「食いしばり」と歯の健康についてご紹介します。

虫歯はないのに、歯がしみる……

実は私はこれまで、一度も虫歯になったことがなく、どちらかというと「自分の歯は丈夫なほう」と思っていました。
歯科医院に行くのも半年に1回の定期健診が中心で、歯のクリーニングをしてもらう程度。日頃から歯磨きにも気をつけ、歯がしみにくいように知覚過敏を予防する歯磨き粉を使うなど、自分なりに歯の健康には気を配ってきました。

そんな私にも、以前からひとつだけ気になることがありました。なぜか、いつも同じところの歯がしみるのです……。

「しっかり歯磨きをしているのに、どうしてだろう?」

定期健診の際に歯科医師へ相談してみると、原因の一つとして指摘されたのが、意外にも「食いしばり」でした。自分では食いしばっているつもりも、寝ている間に歯ぎしりをしているという自覚もありませんでした。

しかし、口の中には「骨隆起(こつりゅうき)」と呼ばれる、あごの骨が盛り上がった状態もみられていました。骨隆起があるからといって必ず食いしばりがあるというわけではありませんが、かむ力などの環境要因が関係するとされており、自分の歯にかかっている「力」について考えるきっかけになりました。

歯を守るために知っておきたい ブラキシズム

※骨隆起自体は痛みを伴わないことが多く、必ずしも治療が必要とは限りません。気になる場合は歯科医院にご相談ください。

「ブラキシズム」とは?

歯ぎしりや食いしばりなどは、「ブラキシズム」と呼ばれます。ブラキシズムには、寝ている間に起こる「睡眠時ブラキシズム」と、起きている間に起こるものがあります。

睡眠中の食いしばりや歯ぎしりがやっかいなのは、本人が気づきにくいことです。日中であれば「今、食いしばっているな」と気づいて力を抜くこともできますが、寝ている間は自分でコントロールすることができません。

また、ブラキシズムには、歯をギリギリとこすり合わせる「歯ぎしり」だけでなく、音を立てずに強くかみしめるタイプもあります。「家族から歯ぎしりを指摘されたことがないから大丈夫」とは限りません。

もしかして私も? 気づきのポイント

睡眠中の歯ぎしりや食いしばりは、自分ではなかなか気づきにくいものです。普段の自分を振り返ってみて、次のようなことに心当たりはありませんか?

  • 朝起きたとき、あごや口の周りが疲れている
  • 歯のすり減りや欠けを指摘されたことがある
  • 家族から、寝ている間の歯ぎしりを指摘されたことがある
  • 日中、仕事やスマートフォンの操作などに集中していると、気づけば歯を食いしばっている
  • 冷たいものなどで歯がしみることがある
  • 朝起きても、なんとなく疲れが残っていることがある
  • 起床時に頭痛を感じることがある

頭痛や疲労感、歯がしみるといった症状にはさまざまな原因があるため、これらに当てはまるからといって必ず睡眠時ブラキシズムがあるわけではありません。気になる症状が続く場合は、自己判断せず歯科医院などの医療機関に相談しましょう。

睡眠中の食いしばり、歯にはどんな影響がある?

食いしばりや歯ぎしりで問題となるのが、歯やその周辺へ繰り返し「力」がかかることです。

強い歯ぎしりによって歯に亀裂が生じたり、歯が欠けたりすることがあるほか、歯の周囲の組織やあごの関節に負担がかかる場合があります。また、強い力でなくても、上下の歯を長時間接触させ続けることで、歯の周囲の組織やあごの筋肉にストレスが加わることがあります。

私の場合も、歯科医師から「食いしばりによる負担が、気になっていた部分に影響している可能性がある」と言われました。虫歯にならないように毎日歯を磨くことは意識していても、「歯にどれくらいの力をかけているか」なんて、これまで一度も考えたことがありませんでした。

そこで「ナイトガード」を作ることに

歯科医師から勧められたのが、寝ている間に装着する「ナイトガード」と呼ばれるマウスピースです。

ナイトガードは、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりそのものを必ず止めるためのものではありません。上下の歯が直接強く接触することを防ぎ、歯や歯の修復物などを守ったり、歯やあごにかかる負担を軽減したりする目的で使用されます。

歯を守るために知っておきたい ブラキシズム

私自身、「マウスピース」と聞くと、歯列矯正やスポーツのときに使用するものというイメージが強かったため、寝ている間の歯ぎしり・食いしばり対策にも使われることを今回初めて知りました。

歯ぎしりなどの治療を目的として歯科医院で作製するマウスピースは、症状や治療内容によって健康保険の対象となる場合があるということです。
※ナイトガードの必要性や健康保険の適用については、症状や治療内容などによって異なります。詳しくは歯科医院でご確認ください。

「歯を守る=歯磨き」だけではなかった

私はこれまで虫歯になったことがなかったこともあり、どこかで「きちんと歯を磨いていれば大丈夫」と思っていました。でも、寝ている間や何かに集中しているときなど、自分でも気づかないうちに歯へ負担をかけていることがあるのを知りました。

最近、歯やあごに気になる症状がある方は、一度「自分は食いしばっていないかな?」と意識してみてはいかがでしょうか。そして、違和感が続いている場合には、歯科医院で相談してみるのもひとつです。

私も「磨く」だけでなく、「無意識にかかる力から歯を守る」ことも、自分の健康習慣のひとつにしていきたいと思います。

※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。