今、話題の「プレコンセプションケア」って何?
2026/06/09 掲載

みなさん、「プレコンセプションケア(preconception care)」という言葉、聞いたことがありますか? 最近では、SNSや雑誌でも見かけたという人もいるのではないでしょうか。
こども家庭庁が2025年に「プレコンセプションケア推進5か年計画」を策定するなど、大きな動きが起きています。現在「プレコン(プレコンセプションケア)」は単なるトレンドではなく、若い世代が自分らしく生きるための「新常識」として、日本全国に浸透しつつあります。
「プレコンセプションケア」、略して「プレコン」は、直訳すると“妊娠前の健康管理”という意味です。しかし、これは単に「子どもを授かるための準備」だけを指す言葉ではありません。女性はもちろん、男性も含めた“すべての若い世代”が、将来のライフプランを見据えて自分自身の心身をケアし、より健康で豊かな人生を送るために必要な健康管理です。
今回のコラムで「プレコン」について詳しく解説していきます。
「プレコンセプションケア」って何?

米国の疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)は、「女性の健康と妊娠転帰に対する医学的・行動的・社会的リスクを、予防と管理を通じて特定・修正することを目的とした一連の介入(2006)」、世界保健機関(World Health Organization:WHO)では「妊娠前の女性とカップルに医学的・行動学的・社会的な保健介入を行うこと(2012)」と定義しています。
日本では、「前思春期から生殖可能年齢にあるすべての人々の身体的、心理的および社会的な健康の保持および増進(2019)」の定義案がだされ、現在から「将来にわたる自らの健康のみならず次世代の健康の保持及び増進を図り、国民全体の健康を向上すること」が目的となっています。
海外では「母子保健」の一部として、日本では「前思春期を含む青壮年期の保健・健康教育・管理」の一部として取り組まれている「プレコン」。それぞれの国の医療・健康状況、文化等で、プレコンの定義や目的が異なる、ということを知っておきましょう。
「プレコン」は何歳から取り組むの?
「プレコン」は“妊娠前の健康管理”なので“妊活”の方が対象と思われがちですが、日本の定義には「前思春期から生殖可能年齢にあるすべての人々の身体的、心理的および社会的な健康の保持および増進」と書かれていますので、教育的な面からは前思春期=10歳前後から取り組むことが推奨されています
思い当たることはありませんか? 日常生活をチェックしてみましょう!
まずは、日常生活をチェックすることから始めてみませんか?
ひとつでも気になることがあれば、今日からプレコンセプションケアを実践してみましょう!
| 男性 | |
|---|---|
| 20代 | 30代 |
| 女性 | |
|---|---|
| 20代 | 30代 |
参考:東京都HP 福祉局,プレコンセプションケア
「プレコン」の具体的な内容を知りましょう!
プレコンセプションケアの基本は、日々の生活習慣を整えることです。
具体的には以下のようなものがあります。

まずは、ひとつからでも取り組んでいけるようチャレンジしてみましょう。
健康管理ツールを使った「プレコン」チャレンジ

プレコンの実践には、自分のからだの状態を「見える化」することが大切です。
適正体重の維持のためには『体組成計』を、適度な運動のためには『歩数計アプリ』や『活動量計』を使うことをおすすめします。
アプリケーションと連携すれば、継続的に楽しく取り組めるかもしれません。できることから始めてみましょう。
● 適正体重・適正体脂肪率を維持→『体組成計』を使ってみましょう!
『体組成計』は、毎日同じ時間帯、同じ条件で測り続けていくことが大切です。
体脂肪率のほかに、BMI(Body Mass Indexの略。体格を判定する指数で、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で計算される)、筋肉量、体水分量等がわかります。
体脂肪率が低すぎると、ホルモンバランスの乱れや月経不順につながる可能性があります。女性で20%未満の場合は、エネルギー不足の可能性があります。おやつにナッツや乳製品など栄養価の高いものを取り入れる工夫をしてみましょう。逆に体脂肪率28%以上の場合は、活動量を増やして脂肪燃焼をこころがけましょう。筋肉量は、メーカーごとの基準値を参考にして、「標準」に入るようにしましょう。
なお、産後の方の体脂肪率の目標値は、産後半年~産後1年までに体脂肪率22~28%くらいを目安にしましょう。
● 適度に運動しよう(週あたり150分以上)→『歩数』をカウントしてみましょう!
健康なからだづくりのためには、「週あたり150分以上の身体活動を行う」「1日8,000歩以上歩く」ことが推奨されています。スマホやウェアラブルデバイスで歩数をカウントしたり、歩数計をポケットにいれたりして、1日に歩いた歩数と、どのくらいのエネルギーを消費したのか確認できます。また動いた時間も含めてわかる歩数計もあるので、時間が記録されるものであれば、週あたり150分以上か、未満かを確認しましょう。150分以上に到達しない場合は、「毎日、今より10分多く動く」を目標に、ウォーキングや早歩きなど、できることから始めてみましょう。
身の回りの「プレコン」を探してみましょう
現在、中学生、高校生、大学生が学校で学ぶ健康・保健教育、健康管理・支援の取り組み、職場の健診や健康経営等の活動も「これって、プレコンかも?!」というものが、色々存在すると思います。新たにチャレンジすることも必要ですが、「気がついていなかったけど、すでにプレコンに取り組んでいた!」と、気づくことが一番大切かもしれません。
こども家庭庁のポータルサイト「はじめよう プレコンセプションケア」でも、マンガや記事で詳しい情報が発信されています。男性向けの「メンズプレコン検定」などもありますよ。ぜひ、身の周りの「プレコン」探しをしてみてくださいね。
【参考文献】
・『ママと赤ちゃんにやさしい 産前・産後のボディケアとビューティーメソッド』(あさ出版 本田由佳著より)
・日本におけるプレコンセプションケアの定義案と目標案の検討 (荒田ら,令和元年度厚生労働科学研究費補助金(女性の健康の包括的支援政策研究事業) 分担研究報告書)

