新しい大豆の食べ方!最新大豆食品で栄養UP

2013/05/14 掲載

健康や美容に良いことで知られる大豆製品ですが、パンやお菓子の材料として、最近新しい大豆アイテムが注目されています。 それは、「大豆粉」や「乾燥おから」。

 

大豆は、植物性のたんぱく質や脂質・イソフラボン・食物繊維など、メタボ予防や美容、ダイエットに効果のある栄養成分を多く含む食品です。 けれども、日本人の大豆(とその加工品)の摂取量は年々減少傾向にあり、現在日本人の摂取量平均は51.7gと、目標値100gの約半分程度にとどまっています。

 

1日に摂取する豆類の量(平成9年~23年)

出典:国民健康・栄養調査結果より(平成9~23年)

 

その原因を考えてみると、日本人の食生活の多様化が影響しているように思えます。

大豆は、豆腐・納豆・みそ・煮豆など、主に和の食材として古くから私たちの食生活に定着してきましたが、日本人の和食離れが進んだことにより、それらの大豆製品を食べる機会も減少してしまいました。

また簡単に食べられる食品が好まれる現代では、水分が多くまとまりのない形状の加工品の多い大豆が形勢不利であることも一因と言えるでしょう。

 

ですが、昨今の健康ブームでさまざまな大豆製品が注目を浴びています。

豆乳、おから、高野豆腐、ゆで大豆、などは、すでに食生活に取り入れているという方も多いでしょう。では、「大豆粉」や「乾燥おから」はいかがでしょうか?

今回はこの新しい大豆アイテムについて、ご紹介します。

 

大豆粉ってどんなもの?

大豆粉は、生の大豆を粉砕して粉にしたものです。粒状の大豆が粉状となったことで加工の幅は大きく広がり、粉類を使用するさまざまな料理に加えることで、自然と大豆の栄養をとることができてしまいます。

風味はというと、当然大豆そのものといった感じで大豆独特の青臭さもありますが、他の材料と合わせて加熱することにより緩和されます。

おすすめの活用法は、パンケーキ・蒸しパンなど、しっとりとした食感を楽しめるものです。お好み焼きやチヂミなども良いでしょう。

大豆粉でパンケーキなどをつくる時は、粉類の何割かを大豆粉に変えてつくります。大豆粉には膨張に関わる成分「グルテン」が含まれていないため、大豆粉の量を多くする場合はグルテンやベーキングパウダーをプラスする必要がありますね。

出来上がりは、やはり大豆独特の香りとしっとり・ずっしりとした食感が特徴です。香りが苦手な場合は、レモン・紅茶・ココア・しょうがなどの風味を加えてカバーすると良いでしょう。

 

乾燥おからってどんなもの?

乾燥おからとは生のおからを脱水加工して粉末状にしたものです。

おからは水分が約80%で保存性が良くないという欠点がありましたが、乾燥おからにすることで保存性は大幅にアップ!もちろん粉状で加工もしやすくなっています。また食物繊維の含有量が多いので、料理やお菓子に加えるだけで、ボリュームアップしつつダイエットや便秘対策に役立つメニューにすることができます。

おすすめの活用法は、ひき肉料理のつなぎや、クッキー・ぼうろ・スコーンなどのお菓子類です。食物繊維は脂肪や糖質の吸収を緩やかにする作用がありますので、脂肪の多い「ひき肉料理」や、バター・砂糖を使用する「手作りお菓子」にはぜひ加えていきたいですね。

クッキーなどのサックリとした食感のお菓子は、乾燥おからを加えることで、やや硬めの仕上がりとなり噛みごたえがアップします。

この時、小麦粉と乾燥おからは「半々くらい」で配合することがポイント。乾燥おからが多過ぎると生地がまとまりにくくなるため気をつけましょう。

また、乾燥おからを使用したお菓子を食べると、食物繊維が体内で水分を吸ってどんどん膨張します。少量ずつ、たっぷりの水分とともに食べると良いでしょう。 

 

大豆粉・乾燥おからを使用したパンやお菓子の栄養価はどう変わる?

大豆粉や乾燥おからを調理に使用した場合、実際どのくらい栄養価の変化があるのかを計算してみました。

 

大豆粉使用による栄養素量の変化(パンケーキ)
1枚(約100g)中の栄養成分 エネルギー
(kcal)
たんぱく質
(g)
脂質
(g)
炭水化物
(g)
カルシウム
(mg)
カリウム
(mg)

(mg)
食物繊維
(g)
通常のパンケーキ 340 8.7 9.1 53.1 79 171 0.7 1.4
大豆粉入りパンケーキ 355 16 14.9 40.3 140 650 3.0 5.2
成人男性の目安量   60     650~800 2500 7.5 19以上
成人女性の目安量   50     650 2000 10.5~11 17以上

 

 

乾燥おから使用による栄養素量の変化(クッキー)
6枚(約40g)中の栄養成分 エネルギー
(kcal)
たんぱく質
(g)
脂質
(g)
炭水化物
(g)
カルシウム
(mg)
カリウム
(mg)

(mg)
食物繊維
(g)
通常のクッキー 177 2.3 8.9 20.9 9 34 0.2 0.5
乾燥おから入りクッキー 190 3.8 10.0 20.4 35 148 0.6 4.4
成人男性の目安量   60     650~800 2500 7.5 19以上
成人女性の目安量   50     650 2000 10.5~11 17以上

 

パンケーキは小麦粉の半量を大豆粉に、クッキーは小麦粉の1/3量を乾燥おからに、それぞれ置き換えてつくった時の栄養価の変化をまとめると、

 

【大豆粉入りパンケーキ】

●鉄分・カリウム・食物繊維は約4倍、たんぱく質・カルシウムは約2倍、脂質は約1.5倍に増加

●炭水化物は約0.8倍に減少

 

【乾燥おから入りクッキー】

●食物繊維は約9倍、カルシウム・カリウムは約4倍に増加

 

増加している栄養素は、外食やコンビニ食などが多い方が不足しやすいものばかりです。大豆粉や乾燥おからを使用したおやつを週末など時間のある時につくっておいて間食にすることで、栄養バランスを整える効果が期待できますね。

また、激しいスポーツをする方や妊娠中の方の栄養補給としてもおすすめです。

 

 

いかがでしたか?

普段食べているパンやお菓子に大豆の栄養が加わることで、食生活の栄養バランスを整えることができそう!と感じていただけましたでしょうか?

もちろん、「大豆がイイのはわかったけど、パンやお菓子を手作りするなんて無理!」と言う方も多いと思います。

そんな方は、普段の食生活で納豆・豆腐・味噌汁などを今までより意識して取り入れてみたり、コンビニおにぎりは納豆巻きを選んでみたりと、手軽な定番大豆アイテムを活用していきましょう。

また最近では、大豆の栄養に注目したお菓子や飲料も登場しています。間食などにこれらを利用することも良い方法ですね。

 

ただし、「大豆だけを食べていれば健康になれる」ということは決してありません。食生活全体を整えた上で、不足がちな大豆を補って、美容や健康に役立てていきましょう。

 

※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。