サッカー日本代表選手をタニタ的に分析してみると?
2013/03/13 掲載
タニタではサッカー選手の体組成測定と体組成や食事についてのアドバイスを行っています。
こうした研究から、以前もこのようなコラムを書かせていただきました。
結婚は早いほうがいい!?アスリートの体組成と食生活から学ぶこと
そして、2010年FIFAワールドカップのときにこんなコラムを書いたなぁと懐かしく思っていましたが・・・・
タニタ的ワールドカップ観戦のススメ
気がつけばあっという間に来年2014年はワールドカップ・ブラジル大会です!
そこで今回はワールドカップ開催1年前記念!?として、過去3大会(2002年・2006年・2010年)での ワールドカップ体組成版を振り返り、日本代表選手の体格の変化を解析していきます!
ポジション別ランキング
まずは、2010年の全参加国(32カ国)の選手の体格をみていきます。
BMIとは体格を示す指標で、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で求めることができ、
数値が大きいほど、がっしりしている選手ということを示します。
参加国選手のBMIをポジション別にみてみました。
やはり守りのGK(ゴールキーパー)のBMIが最も大きいことがわかりました。
ここで、お気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、BMI25以上、つまり『肥満』と 判定されてしまう可能性がありますよね。サッカー選手が肥満!?ちょっと変ですよね?
実はBMIを使った肥満判定は選手には当てはまりません。なぜなら同じBMIでも、
選手は肥満の人とは体組成が違い、筋肉量が多くて体脂肪量は少ないためです。
もしも体組成計がなかったら、選手が頑張って手に入れたBMIは肥満と判定されて
しまっていたかもしれない・・・・体組成計の価値を実感します。
BMIランキング
次に過去三大会のBMIをランキングにしてみました。
世界の中で日本人のBMIランクはこのような結果でした!
日本のFP(フィールドプレイヤー)が2002年から2006年に急上昇しています!うれしいですね!
しかし、2006年と2010年であまり違いがないという結果はタニタ社員としては
納得できなかったので、さらに解析をしました。
すると、2006年に比べて2010年はBMIの幅が広かった、つまりいろいろな体格の選手が
いたことがわかりました!BMI25以上の選手は2002年には0名だったのですが、
2006年には1名のみでしたが、2010年には3名に増えていました。 日本人選手は小さい・細いと言われていますが、外国人選手と同レベルの体格の選手も増えてきているのです!
BMIを「1」増やすには、175cmの選手では体重を約3kg増やす必要がありますが、
この体重を選手たちは、なるべく脂肪を増やさず筋肉量で増やすような努力をしています。
そのためにも、定期的に体組成を測定して、今の食事やトレーニングが合っているのか見直しながら、からだづくりをしています。
選手のからだづくりには、本人だけでなくコーチやトレーナの方々、スタッフの献身的なサポートがあってこそ!ということを現場で実感しています。
フィジカルコーチコラム:継続的な測定が自らを高める
選手のためだけでなく、スタッフのみなさんが選手をサポートしやすい機器を提供することが、タニタの役目だと思っています。
もう一度ランキングのグラフを見てください。強豪国のBMIが必ずしも上位ではないことがわかりますよね。
今回はBMIの結果のみですが、体脂肪率や筋肉量のレベルも同様のことがいえるかもしれません。
選手の「意識の高さ」が体組成レベルを高める
スタッフのみなさんは共通してこんなアドバイスをくださいます。
「同じスキルを持っている選手であれば、体組成がいい選手の方がいいかもしれない。
サッカーでの体組成ってそういうもの。そして、これがベストな体組成といえるものではなくて、
その選手ごとに合っている体組成があることも忘れてはいけない。」
本当にその通りだと思います。
ただ、自分が目指すところに対する『意識の高さ』はトレーニングや食事の質を自然と高めるので、
活躍している選手や長く現役を続けている選手は体組成レベルも高い選手が多い!とも感じています。
これは、選手だけでなく私たちにも共通していえることではないでしょうか?
2014年のブラジル大会に向けて、日本代表選手の皆さんには体組成レベルを高めて、頑張ってほしいですね。
<参考資料>
・The Official Website of the FIFA World Cup
https://www.fifa.com/worldcup/
・週刊サッカーマガジン増刊南アフリカワールドカップ決算号,ベースボール・マガジン社
・2006ドイツ・ワールドカップパーフェクト決算号, ベースボール・マガジン社