結婚は早い方がいい?!アスリートの体組成と食生活から学ぶこと

2012/03/09 掲載

プロサッカー選手の体組成測定からわかったことは…

タニタでは以前より高精度機器を用いて、アスリートの体組成データを研究しています。
その研究の一環として行っているのが、プロサッカー選手の体組成測定と、体組成や食事についてのアドバイスです。

以前、あるチームでほとんど同じトレーニングをしているのに体脂肪率が高めな選手をピックアップしたところ、
『あれ?独身者が多い?』ということに気がつきました。
さっそくいくつかのチームでもデータを集めたところ、おもしろい結果が出ました。

生活の違いがアスリートの体組成に影響する

全身の筋肉量Jリーグ選手80名を生活の違いから、

◆寮

◆単身

◆同居(既婚者または実家

の3グループに分けて体組成を比べてみると、身長と体重に大きな差はありませんでしたが、寮または同居グループに比べて

単身グループは体脂肪率が高く、

筋肉量が少なめという結果が出ました。

 

 

体幹の筋肉量

さらに部位別の結果では、単身グループは体幹部分の体脂肪率が高いということが分かりました。このような結果になった理由として推測できることは、

1.単身生活では外食率が高く、

  同じ量(エネルギー摂取量)でも脂肪の摂取が多い。

2.単身生活では外食率が高く、ビタミンやミネラルが摂取しにくく、

  栄養バランスが乱れがちになってしまう。

さらに単身グループは、年齢とともに体脂肪率が右肩上がりになってしまう可能性も考えられ、早めの体組成測定と食事改善が重要であることが分かりました。

 

サッカー選手の結婚は早い方がいい?

年齢と体脂肪率分布

この結果をあるチームのコーチに報告すると

「アスリートは早く結婚した方がいいってことだね」とポツリ…。

同居グループの選手に食事のことをお話すると「奥さんが本当に頑張ってくれているんですよ~」とみなさんおっしゃいます。
あの素晴らしい体組成はトレーニングだけでなく、そうした家族のサポートがあるからなのですね!

確かに単身者の方が食生活の管理が難しいという傾向はありますが、単身生活でも栄養管理のために自炊をしている選手や、
外食がちでも工夫をしている選手(揚げ物は避ける、オフでもお酒は飲まない、お菓子は食べないなど)も多く、
そうした選手はやはり理想的な体組成の傾向にあります。

またこのような結果から、単身者の食生活管理に取り組み始めたチームもあります。
 

体組成計はモチベーション向上アイテム

ダイエットやトレーニングをする中で運動や食生活の管理はとても重要ですが、 難しいのはモチベーションを維持し続けること。

アスリートの皆さんはどのように高いモチベーションを保っているのでしょうか。
以前こんなことがありました。

ある選手に食事についてアドバイスをした翌月、その選手が体組成計に向かって
「頼む!俺の1ヶ月の努力を認めてくれ~!」と手を合わせてお願いをしていました。

もちろん結果は努力の甲斐あって体脂肪率は減り、選手は大声でガッツポーズ!!
トレーニングと食事管理のモチベーションにつながったようで、測定って大切だなあと改めて感じました。
 

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