お風呂でリラクゼーション! 安全で効果的な入浴法

2025/02/12 掲載

お風呂でリラクゼーション! 安全で効果的な入浴法

疲れを感じたとき、みなさんどうしていますか?
「一日の終わりにお風呂で疲労回復」という人は多いのではないでしょうか。

入浴の効果とは?

入浴がからだにもたらす作用には、①温熱 ②静水圧(からだにかかる水圧) ③浮力などがあります。
これらにより、新陳代謝が高まって体内の老廃物や疲労物質などが排出されやすくなり、肩のコリや筋肉痛などの改善も望めます。そして、これらが総合的に働くことで健康効果が生まれるのです。

お風呂でリラクゼーション! 安全で効果的な入浴法

①温熱の作用
なかでも疲労回復に最も影響するのが温熱による血流促進作用です。37~40℃程度のぬるめの微温浴は副交感神経を刺激し、血流が促進されてからだの芯から温まり、湯冷めもしにくくなります。

②静水圧の作用
お湯の中でからだに水圧がかかると、静脈(心臓に戻る血液を運ぶ血管)にも圧力がかかり、血行が促進されます。その結果、むくみの解消に役立ちます。

③浮力の作用
お湯に肩まで浸かると、浮力によって体重が普段の10分の1程度になります。
そのため、体重を支えている筋肉や関節を休ませることができ、からだ全体の緊張がほぐれます。

安全な入浴の仕方

入浴の際はヒートショックに注意が必要です。
ヒートショックとは、暖かい部屋から寒い部屋への移動などによる急激な温度の変化によって血圧が上下に大きく変動することをきっかけにして起こる健康被害のことです。めまいやたちくらみだけではなく、心筋梗塞や脳梗塞などによる突然死の恐れもあり、気温の下がる冬場に多く見られます。

お風呂でリラクゼーション! 安全で効果的な入浴法

ヒートショックを防ぐ6つのポイント

  • ①脱衣所や浴室、トイレへの暖房器具の設置や断熱改修
    冷え込みやすい脱衣所や浴室、トイレを暖房で暖めることは効果的な対策の一つです。また、窓まわりは熱が逃げやすいので、内窓を設置するなどの断熱改修も効果があります。浴室をユニットバスに改修することでも断熱性は向上します。
  • ②シャワーを活用したお湯はり
    シャワーを活用した浴槽へのお湯はりが効果的です。高い位置に設置したシャワーから浴槽へお湯をはることで、浴室全体を暖めることができます。湯沸しの最後の5分を熱めのシャワーで給湯しても十分効果があります。
  • ③夕食前・日没前の入浴
    夕食を食べる前、できれば日没前に入浴するのが良いでしょう。日没後に比べて外気温がまだ高く、脱衣所や浴室がそれほど冷え込まないことに加え、人の生理機能がピークにある午後2時から午後4時頃に入浴することで、温度差への適応がしやすいためです。
  • ④湯温設定41℃以下
    お湯の温度は、41℃以下にしておくことをおすすめします。
  • ⑤一人での入浴を控える
    可能な場合は、家族による見守りのほか、公衆浴場や日帰り温泉等を利用するなど、一人での入浴を控えるといった方法も有効です。
  • ⑥食事直後・飲酒時の入浴を控える
    食後1時間以内や飲酒時は、血圧が下がりやすくなるため、入浴を控えた方がよいでしょう。

また、入浴中はたくさん汗をかくため、水分が不足しがちです。入浴の前後に水分補給をこころがけることが重要です。

疲労回復に導く効果的な入浴法

1.ぬるめのお湯にゆったりとつかる

お風呂でリラクゼーション! 安全で効果的な入浴法

37~40℃の湯加減のお風呂に、10~20分ゆっくりつかって心身をリラックスさせましょう。45℃以上の熱すぎるお湯に長く入っていると、お湯の熱が心臓を刺激して血圧を上げ、のぼせる原因となってしまうのでご注意を!
特に血圧が高めな方は、ぬるめのお湯に入るように気をつけましょう。

2.足からゆっくり入る

お風呂でリラクゼーション! 安全で効果的な入浴法

お風呂に入る時は、足(10秒)→腰(10秒)→肩の順番につかると、血行の流れがよくなり、歩き疲れ、立ち疲れなどによる足のむくみや、冷え性改善に効果的です。

3.入浴後のマッサージも効果的

お風呂でリラクゼーション! 安全で効果的な入浴法

入浴によりからだが温まることで、筋肉が柔らかくなり、ストレッチ効果も高まります。
さらにマッサージを行うことで、心身ともにリラックスすることができます。腕や脚、手の平や足の裏などを丁寧にもみほぐしていきましょう。

入浴の頻度が上がるほど要介護リスクが減る

入浴には興味深い健康増進効果も報告されています。

65歳以上の高齢者約1万4000人を3年間追跡した研究※1によると、週2回以下しか入浴しない人たちに比べて毎日入浴する人たちは要介護になるリスクが29%低くなると発表されました。また、40~50代の約3万人を対象にした調査では、毎日入浴すると脳卒中や心筋梗塞を起こしにくいことも報告されています。

「今日はちょっと疲れたな」という日は、お気に入りの入浴剤などを使ってみるのもいいですね。
ヒートショックを防ぐ正しい知識を身につけて、リラックスしながらバスタイムを楽しんでみてはいかがでしょうか。

【出典】
※1)八木明男(千葉大学)「お風呂の習慣(浴槽入浴)で要介護認定が3割減」 JAGES Press Release NO: 157-18-20

※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。