魔女の一撃!「ぎっくり腰」って何?

2024/01/09 掲載

魔女が不意打ちをくらわす!?

ぎっくり腰になったことがある人にはわかる感覚でしょう。思わぬ瞬間、からだにその激痛は走ります。痛さはもちろんですが「なんで? どうして? やってしまった……」と、心のダメージもはかり知れません。

通称「ぎっくり腰」は急性腰痛症といわれ、重いものを持ち上げたり、ゴルフや野球のスイングなど腰に直接負荷がかかったと思われるときだけでなく、くしゃみや洗顔のとき、ベッドから起き上がるとき、物を拾おうとしたときなど、日常生活のふとした瞬間に見舞われます。これは、年齢・性別問わず誰にでも起こります。

ぎっくり腰の原因

実は、ぎっくり腰は、はっきりとした原因がわかっていません。椎間板ヘルニアや腰痛圧迫骨折など、はっきりとした病名がつかない急性の腰痛をぎっくり腰と呼んでいます。

腰痛の主な原因としては次のようなものがあげられます。これらを放置することでぎっくり腰の発生率も高くなっていきます。

  • 姿勢の悪さ

    猫背や反り腰
    また、同じ姿勢で長時間作業することで血行不良が起こります。

  • 運動不足

    筋肉量の低下
    腰骨を前後から支える腹筋や背筋が弱くなると、姿勢が悪くなる要因になります。

  • からだの硬さ

    一部の筋肉や関節の動きが悪いと、そこを補うために周囲の筋肉に力が入り、からだ全体の緊張状態が続きます。

  • ストレス

    痛みの抑制に関わる脳内物質であるドーパミンの分泌がされなくなり、自律神経のバランスの崩れや緊張が高まることによって腰の痛みが現れやすくなります。

ぎっくり腰になってしまったときの対処方法

  • 急性期と呼ばれる痛みの強いとき

    痛みの強い時には無理をせず、楽な姿勢で安静に過ごしましょう。市販の鎮痛消炎剤を含む湿布や鎮痛剤なども効果的です。

  • 痛みが和らいできたら

    適度にからだを動かしていく方が回復が早いといわれています。

  • 痛みが長く続く場合には

    通常、急性腰痛症は1週間から10日程度で痛みが緩和されていきます。
    2週間経っても強い痛みが続いたり、下肢に痛みやしびれ、排尿・排便障害、発熱や嘔吐などの症状があったりする場合には、圧迫骨折や神経症障害、内臓疾患など別の病気が隠れていることがあります。専門医を受診しましょう。

  • 予防のためにできること

    ・日々の適度な運動、筋肉トレーニング・ストレッチ
    ・バランスの良い食事
    ・質の良い睡眠
    ・ストレス解消
    ・肥満改善

不意な魔女の一撃に襲われないために

日々の予防に加えて、ちょっとした動きにも気をつけましょう。

  • ・同じ姿勢で長時間いない
  • ・椅子に座るときは胸を張って姿勢を正す
  • ・重いものを持ち上げるときは中腰を避け、ひざを曲げて腰を落とした姿勢で行う
  • ・顔を洗うときは前かがみにならず、軽く膝を曲げた状態で
  • ・ものを拾うときにはしゃがんで取る

一度ぎっくり腰になってしまうと、約25%の人が再発しているというデータがあります。

腰痛は生活活動の質(QOL)の低下を招くといわれています。腰痛を予防するために、日々の姿勢や動作などの工夫も大切ですが、最も重要なことは年齢とともに減っていく筋肉を維持・増加させること、そしてからだの柔軟性を高めておくことです。年齢に負けないからだづくりを目指しましょう。

※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。