口内炎ってなんだろう?
2023/12/12 掲載
「最近ちょっと寝不足かも」「野菜不足かも」「暴飲暴食で胃が痛い」なんて思っているとポチっと現れる口内炎。小さいのに結構痛くて辛い。
そんな厄介者の正体を知って、口内炎を作らない生活と痛みの対策を考えていきましょう。
どうして口内炎はできるの?
よく見られるのが、白い米粒大の円形や楕円形の潰瘍状になっている「アフタ性口内炎」と呼ばれるものです。再発を繰り返しやすいことも特徴です。「アフタ性口内炎」ができる原因としては次のものがあげられます。
- ・偏った食事→ たんぱく質、ビタミン不足
- ・睡眠不足やストレス→ 免疫力、抵抗力の低下
- ・胃腸の不調→ 免疫力、抵抗力の低下
- ・月経前や妊娠中→ ホルモンの乱れ
- ・加齢(更年期)→ ドライマウス
口は、話したり食べたりと外から体内への入り口ですが、外からの細菌やほこりなどが侵入しやすい器官でもあります。普段、口の中を潤している唾液には、口腔内の汚れや細菌を洗い流す自浄作用や細菌の発育を抑える抗菌作用があります。加齢であったり、ホルモンバランスが乱れるなど様々な要因で免疫力が落ちると、唾液量が減って口内炎ができやすくなる原因になります。
また、口は内臓の入り口、口腔内は消化管の一部です。そのため、不規則な生活やストレスなどで免疫力が落ちて胃や腸の調子を崩すと、口腔内にも口内炎ができるという訳です。
「アフタ性口内炎」の他にも様々な種類の口内炎があります。物理的な刺激でできる「カタル性口内炎」では、口腔粘膜に傷ができるとそこから細菌が侵入して炎症を起こします。傷を悪化させないためにも、口腔環境を清潔に保つことが大切です。
そのほか、ヘルペスなどのウイルス感染による「ウイルス性口内炎」、カビの一種であるカンジタ菌感染による「カンジタ性口内炎」などがあります。これらも免疫力や抵抗力が低下すると感染しやすくなります。
痛い口内炎、つくりたくない!
-
・バランスの良い食事と、たっぷりのビタミンB群を
-
ビタミンB1
豚肉、うなぎ、玄米等
-
ビタミンB2
牛乳、レバー、のり
-
ビタミンB6
まぐろ、バナナ、ニンニク
-
ビタミンB12
あさり、しじみ、かき
-
葉酸
ほうれん草、ブロッコリー、のり
-
ナイアシン
かつお、落花生、たらこ
-
-
・刺激のあるものはできるだけ避ける
辛いもの、熱いもの、塩辛いもの、酸っぱいものは刺激が強く口内炎をつくる一因になります。
-
・良い睡眠と適度な運動で、元気なからだとストレス解消
ストレスが全くない生活はなかなか難しいものですが、規則正しい生活は心の安定にもつながります。また、良い睡眠と適度な運動は、元気なからだをつくり、ストレスを解消にも役立ちます。特に、良質な睡眠を得るためには、まずは室温や湿度、明るさ、寝具など睡眠環境を整えましょう。
-
・胃腸の調子をととのえる
胃の負担を少なくするために消化の良い食事を心がけましょう。胃腸の調子が悪いときはできるだけ脂質や食物繊維が少ないもの、胃酸の分泌を抑えるために香辛料や味の濃いものは控えるとよいでしょう。やわらかく調理したものも、しっかりよく噛むことが大切です。
-
・よく噛んで食べる
口の中が乾燥すると細菌が繁殖しやすくなります。食事をよく噛んで食べることで唾液が多く分泌されます。よく噛むことも大切ですが、おしゃべりをしたり笑うことで口を動かすのもよいですね。
-
・プロフェッショナルケアとセルフケアで口の中をきれいに保つ
自分で毎日一生懸命にブラッシングしていても日に日に取れない汚れがついていきます。年に何回かは、歯科医院でしっかりチェックしてもらいましょう。
口内炎で痛いときは……
口内炎ができると食べるのが痛くて辛い。そんなときは、口腔内を刺激しないように極端に熱いものや冷たいもの、香辛料やかんきつ類、酢の物は避けましょう。温度で刺激を感じるときは人肌まで冷ました(温めた)ものが食べやすいですよ。物理的に口腔内に食べ物が当たって痛いときにはとろみをつけると食べやすいようです。
口内炎にはぬり薬、貼り薬、飲み薬など様々な薬も効果的です。専門医や薬局に相談してみるのもよいでしょう。
多くの場合、口内炎は2週間程度で治ります。それ以上に続く口内炎や、繰り返す口内炎には重大な病気が潜んでいることもあります。気になるときには専門医を受診しましょう。