感染症の予防とかかった時の対処法

2023/04/11 掲載

春らしい日が続き、薄着になったり、外へ出かける機会も増えてきました。

寒さや乾燥が気になる時期には風邪やそのほかの感染症への対策をしっかり行ってきたという人でも、新型コロナウイルス感染症対策が少しずつ緩和されることもあり、脱マスク生活になったり、これまで行っていた対策を緩めることもありますよね。寒暖差が大きい季節の変わり目のこの時期は、生活環境も大きく変化するため、風邪などの感染症にかかりやすくなることがあります。

そこで、今回はそれらの感染症の予防と、感染してしまった時の対処法について考えてみたいと思います。

感染しやすいのはこんな時!

「いつも同じ時期に風邪をひく」「忙しいときに限ってインフルエンザになった」という声をよく耳にします。
ストレスや疲労が免疫細胞の活性を低下させやすいことは、皆さんご存じの通りです。では、どう予防するのがいいでしょうか。

  • 1)部屋の換気、手洗い、うがい、マスクの着用

    ここ数年、換気、手洗い、うがい、マスクの着用など、基本的な感染症予防対策として継続してきたことのなかには、皆さんの生活の中にもしっかりと定着しているものがあるかと思います。
    新型コロナウイルスやインフルエンザだけでなく、風邪の予防としても十分な効果が期待できます。すでに身についている人も多いと思いますので、無理のない範囲で今後も継続していきましょう。

  • 2)規則正しい生活とバランスの良い食事

    「そんなの知ってる」という声が聞こえてきそうですが、これも基本であり、大切なことです。3食規則正しく食べるのはもちろんのこと、免疫機能と関連の深い栄養素として「ビタミンA」「ビタミンC」「ビタミンE」をとりいれましょう。

  • 3)ストレスや疲労を貯めない

    忙しい時期に風邪をひいてしまいがちという方は、疲れを感じたら早めに休みましょう。睡眠時間が6時間未満だと、7時間以上睡眠をとっている人と比べて風邪をひきやすいというデータがあります。※1

感染症からの回復を早める対処法

どんなに気をつけていても感染症にかかってしまうことはあります。そこで、感染症にかかった時、少しでも回復を早めるための対処法をいくつか紹介します。

  • 1)安静
    身体の中で免疫細胞がウイルスと戦っています。とにかくあたたかくして安静に過ごしましょう。予防でも述べましたが、睡眠時間は6時間以上確保することが大切です。

  • 2)水分補給
    発熱時はもちろんですが、発汗によって水分が非常に多く失われます。のどの粘膜を潤すためにも水分を積極的に補給しましょう。発汗がひどいときは経口補水液やイオン飲料もおすすめです。

  • 3)栄養補給
    免疫細胞の材料となるたんぱく質、風邪で消耗するビタミンB群、ビタミンCを積極的に補給しましょう。果物やプリン、ゼリーなど水分を多く含む食べ物や、煮込みうどんやおかゆ、おじやなど消化の良いエネルギー源も忘れずに。

    <体力が低下していても食べやすいお勧めメニュー>

    ■フルーツ入りのヨーグルト、プリン
    のどごしがよく、喉が痛い時でも食べやすい食品です。フルーツの入ったヨーグルトやプリンは、たんぱく質や糖質も一緒に補えます。生のフルーツが食べられそうなら、添えて食べるとビタミンCも補給できます。
    ■煮込みうどん
    消化が良く、エネルギーや水分補給と同時に、からだをあたためる効果も期待できます。卵やささみなどをたっぷり入れてたんぱく質も補いましょう。
  • 4)保温と保湿
    室内の環境では、適度な温度と湿度を保つことが重要です。室温は20~23℃、湿度は50%前後が適切だといわれています。

忙しい時期ほど気をつけましょう

いかがでしたか? 基本的な感染症予防対策も、生活習慣の変化とともに疎かになってしまうことがあります。忙しい時期こそ、より気をつけられるようにしていきたいですね。

【出典】
※1 BEHAVIORALLY ASSESSED SLEEP AND SUSCEPTIBILITY TO THE COMMON COLD
http://docs.dpaq.de/9524-prather_et_al.pdf

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