ダイエット中の「停滞期」はなぜ起きるの?
2012/04/24 掲載
ご質問
自分は今まさにその段階かもしれないのですが、ダイエットを開始して、しばらくは順調に体重が落ちていても、減少が止まってしまい、減らなくなる時期があるようです。 |
バランスの良い食事と適度な運動習慣でコツコツと地道にダイエットをしても、なぜか避けては通れない「停滞期」、落ち込んだりイライラしてダイエットやめてしまったという方も多いことでしょう。ですが、「停滞期」は順調なダイエットの証拠とも言えるほど、実は私たちの体の自然な現象なのです。
危機管理システム「ホメオスタシス機能」
ダイエット中の停滞期が起こるメカニズムを知るためには、まず始めに、人間の体に備わった危機管理システム、「ホメオスタシス機能」を理解することが必要です。
「ホメオスタシス機能」とは、人間が生きるために重要な体温や血糖値の調節などを、外部環境が変わっても常に正常に保つための働きのことを言います。食事からのエネルギーの吸収率や、運動時の消費エネルギーなども「ホメオスタシス機能」により調節されています。
例えば非常時で食事がほとんど摂れない生活が続いた場合でも、ある程度の体重減少が起きた時点で「ホメオスタシス機能」が働くことにより、食事からのエネルギー吸収率が高まり、また基礎代謝量や運動時の消費エネルギーも低く抑えられ、それ以上の体重減少を防ぎ生命を守ることが可能になります。
つまり、ダイエット中の「停滞期」は、この「ホメオスタシス機能」が非常時と同様の働きを発揮することで表れる現象なのです。これはとても高度で素晴らしい危機管理システムなのですが、ダイエット中にはちょっと厄介なものですね。
それでは、「停滞期」にはどんな対策が必要なのでしょうか。答えは、「そのままバランスの良い食生活と適度な運動習慣を継続すること、これだけです。「停滞期」には、体重を減らすことではなく維持することを目標として取り組みを続け、再度「減少期」が訪れるのを待つことにしましょう。「ホメオスタシス機能」は、一定期間同じ状態が続くことで働きを終えたと認識し、一度解除されます。
体重の5%減少したタイミングで始まる
ダイエット中の「停滞期」が、どのタイミングでどのくらいの期間続くのか、これには個人差がありますが、一般的にはダイエット開始後1ヶ月前後、もしくは体重の5%(50kgの方なら2.5kg)減量したタイミングから始まり、1ヶ月前後続くことが多いようです。
「停滞期」を乗り越えダイエットを成功させるポイント
1.極端な食事制限や激しい運動での極端なダイエットは避けること
バランスの良い食生活と適度な運動習慣を継続し、適度なペース(1ヶ月で0.5~1kg)で減量することで 「ホメオスタシス機能」の働きを最小限にとどめることができます。
2.「停滞期」を見込んだ目標設定をすること
ダイエット1ヶ月目は-1kg、2ヶ月目は維持、3ヶ月目で-2kg、など「ホメオスタシス機能」の働きや「停滞期」をしっかり理解してダイエット計画を立てることで、「停滞期」の不安やイライラを解消し、ダイエットを成功させやすくなります。
3.こまめに体の状態や生活習慣を記録し、振り返ること
大幅なダイエットでは、「減少期」と「停滞期」を繰り返しながら、右下がりの階段状の体重グラフを描くことになります。ですが体重の増減は、その時々の体調(風邪や夏バテなど)や食生活(外食や宴会の回数)、生活状況(仕事量の増減やイベント)など、さまざまな要因の影響を受けています。これらを記録して振り返ることで、客観的な分析をして対策を練ることが可能になります。例えば「停滞期」に体重が増え始めても、すぐに気付き食事量や運動量の変化なないかチェックして調整することもできます。またグラフで体重の減少を常に視覚的に認識することで、「うまくいった、この調子で頑張ろう」という気持ちを持続させることにも効果的です。
ダイエット中の最大の難所とも言える「停滞期」の攻略法をマスターしたら、もう怖いものはありません。目標達成までコツコツと計画的に、取り組みを継続していきましょう。