新しい生活様式に合わせて身体活動について考えよう!
2021/01/12 掲載
新しい生活様式で私たちの日常はどう変わった?
皆さん、昨年の今頃はどのように過ごされていましたか?
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大前には考えもしなかったような、仕事や生活の大きな環境変化がこの一年であったという方が多いと思います。
そしてその考えもしなかった変化の中には、応急処置ではなく「新しい生活様式」として日常生活に定着するものがあるのかもしれません。
私は仕事環境が大きく変わり、今までは出社するのが当たり前でしたが、在宅勤務(テレワーク)でも仕事ができるようになりました。また、ネット通販などの利用も増え、買い物に行く機会は減りました。
それに伴い、身体活動が激減しています。これは、私だけでなく社会全体に言えることかもしれません。
今回は、新しい生活様式の課題のひとつ『身体活動』について考えたいと思います。
実際に身体活動に変化はあったのか
グラフは、タニタヘルスリンク社員の2019年と2020年の同月で歩数(中央値)の変化を比較してみたものです。
2020年4月~5月は新型コロナウイルス感染拡大防止対策として緊急事態宣言が発出され、テレワークが強く推奨されました。外出自粛などの影響で、歩数は2019年同月と比較して約30%減少しています。また、緊急事態宣言解除後もテレワークが推奨されたことから約20%減少しています。
アフターコロナにおいても多くの企業でテレワークは継続され、ニュー・ノーマルになる可能性があります。
このままでは、数年前より歩数すなわち身体活動の減少も常態化する可能性があるのです。
身体活動を今より増やし、座りがちの時間を今より減らす
2020年11月に世界保健機関(WHO)から「運動・身体活動と座りがちな行動に関するWHOガイドライン」が発表されました。
WHOの調査で成人の4人に1人は十分な運動・身体活動を行っていないことが分かりました。運動不足により、世界で 540億米ドル(5.2兆円)の医療費が使われているとあります。これは、身体活動が減少することで 肥満や糖尿病、高血圧など生活習慣病のリスクが高まり、医療費を使う機会が多くなるということです。世界とありますが、日本でも同じことです。
ガイドラインには、健康のために身体活動を増やすことが必要とされるだけでなく、座りがちな行動は健康に有害な影響があるとも明記されています。
では、どのくらいの身体活動が必要なのでしょうか。
「運動・身体活動と座りがちな行動に関するWHOガイドライン」より抜粋
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●成人:18~64歳の運動推奨量
- ・ウオーキングなどの有酸素運動を週に150~300分以上
- ・適度な筋力トレーニングを週に2日以上
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●高齢者:65歳以上の運動推奨量
- ・ウオーキングなどの有酸素運動を週に150~300分以上
- ・適度な筋力トレーニングを週に2日以上
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●高血圧や2型糖尿病、がんなど慢性疾患のある人の運動推奨量
- ・ウオーキングなどの有酸素運動を週に150~300分以上
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●座ったまま過ごす時間を減らすための提案
- ・エレベーターやエスカレータを使わず、階段を使う。
- ・テレビのリモコンを近くに置かない。家事は立ったまま行う。
- ・1時間ごとに立ち上がり体操や運動をする。
- ・仕事のミーティングなどは、立ったまま行う。
- ・ランチの時間には10~20分ほど歩く。
- ・休憩時間に歩く。家やオフィスの周りを歩くことを習慣にする。
- ・ちょっとした用事があるときは、車でなく歩いて行く。
- ・車で買い物に行くときは建物の入口から一番遠い場所に駐車する。
ガイドラインには、高齢者や慢性疾患のある人についても運動の推奨量が設定されています。運動を開始する前に医師のメディカルチェックを受けることを前提に、とにかく少しでも良いから運動や身体活動をした方が、何もしないよりは良いとされています。
身体活動を増やすことを新しい生活様式にも取り入れよう!
私の場合、これまで運動習慣がありませんので新たに運動を始めるというのはとても大変なことです。まずは、日常生活に身体活動を増やせる時間はあるか、何をして増やすかを具体的に考えてみました。
【私の身体活動を増やすためのプロセス計画】
- ・WHOの運動ガイドラインでは、ウオーキングを週に150~300分以上とあるが、平日の5日で割ると1日当たり30~60分。
- ・60分は無理でも30分ならできそうかも。筋トレはウオーキングが達成できてからということで、一旦は保留にしておこう。
- ・これまで通勤に費やしていた2時間程度がテレワークだとなくなる。
- ・近隣の公園は1周歩くと15分程度。
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よし、テレワークの時は朝30分を使って近隣の公園を2周分歩こう!
という感じで考えた目標は、日々の歩数や体組成データを記録している健康管理サイト「からだカルテ」の「健康宣言」にも追記しました。
30分まとめて時間が取れないときは、15分×2回や10分×3回と小刻みにするなど、ハードルを下げることで今のところ継続できています。
「からだカルテ」で2020年の歩数を月ごとに見てみると、健康宣言をして歩き始めてから歩数アップが顕著に表れています。
こうして成果が可視化されると「頑張ろう!」というモチベーションにも繋がりますね。
次のステップとして、オンラインミーティングの際は、立ったまま行ってみようと思います。
ぜひ、皆さんも身体活動を増やすために生活の中で何ができるかを考え、「新しい生活様式」に取り入れてみてください。
参考文献:
「運動・身体活動と座りがちな行動に関するWHOガイドライン」(WHO Guidelines On Physical Activity And Sedentary Behaviour)
https://www.who.int/publications/i/item/9789240015128