脱!マイルール!プロから学ぶ「キッチンの消毒法」

2016/02/09 掲載

食中毒、というとレストランや料亭などの外食での集団食中毒を想像しますが、ニュースにならないだけで、もちろん家庭でも起きる「身近な問題」です。

ですが、食品衛生法で細やかにルール化されている飲食店とは違い、家庭のキッチンはどうしても「マイルール」になりがち。
忙しさのため作ること優先で片付けがいい加減だったり、そもそも正しい知識を持っていなかったり…家庭によってまちまちです。

 

誰でも、家族の健康をつくる食卓が、家族の病気の原因になるのは避けたいものですよね。

 

今回は食品衛生者教本を元に、プロが実践している「キッチン消毒の基本」をご紹介します。

 

 

まな板

【 木製 】
熱湯をかけた後、直射日光で乾燥させます。日光にあてるのは、紫外線消毒の意味があります。

紫外線消毒は表面だけを消毒します。

 

【 合成樹脂 】
キッチン用の漂白剤のような次亜塩素酸ナトリウムの溶液をまな板に塗り、

3分以上放置し、水洗い、乾燥させます。
次亜塩素酸ナトリウム溶液は、漂白効果・殺菌効果・防臭効果があり、毒性が少ないので調理器具の消毒に向いています。

ただし、成分が変化しやすいので冷暗所で保管する必要があります。また、金属を錆びさせるので使用する際は金属に触れないようご注意ください。

 

【 まな板のキズ 】
まな板にたくさんキズがあると菌が繁殖しやすいので、定期的に表面を削って平らにしましょう。
まな板を削る専門のサービスや、家庭で簡単に削る器具が販売されているので利用すると簡単です。


【 まな板を使うコツ 】
野菜などと、肉・魚を切る場合で、使うまな板を分けるというのは一般的ですが、魚は表面・えら・内臓に菌が多いので
皮を取り、えら、内臓を取り除いたあと、まな板と包丁を変えて身をさばくのがオススメです。

食器・調理器具

【 加熱可能なもの 】 … 金属、合成樹脂、陶磁器、耐熱ガラス等

汚れを全て洗い落とした後に、大きな鍋で煮沸します。
熱湯で30秒間以上、90℃で5分間以上、75℃で15分間以上が目安です。
消毒終了後は、ふきんで拭くのではなく、余熱で自然乾燥させましょう。

 

【 加熱不可能なもの 】 … 漆器、ガラス製品、塩化ビニール製品

キッチン用の漂白剤のような次亜塩素酸ナトリム溶液に3分間以上浸し、水洗いします。
水洗い後は清潔なふきんで拭き取るか、自然乾燥させましょう。

 

ふきん

【汚れが多い場合】
洗濯用洗剤を入れて煮沸し、水洗い後直射日光で乾燥させます。

 

【あまり汚れていない場合】
キッチン用の漂白剤のような次亜塩素酸ナトリム溶液に、洗ったふきんを5分間以上浸します。
10~30分間漬け置きすると、漂白することもできます。水洗いした後、直射日光で乾燥させましょう。

 

エプロンやランチョンマット、鍋つかみなどの布製品

洗濯した後、直射日光で乾燥させ、アイロンをかけます。エプロンはレストラン等外食施設では、毎日取り替えられています。
みなさんはエプロンをどれくらいの頻度で洗濯していますか?

 

いかがでしょうか?みなさんはどれくらい実行できていますか?正しい知識があっても実施できていなければ意味がありません。
例えば土曜日の午前中に消毒する、とか自分で実施日を決めるのも良いと思います。

また、調理の前後はもちろん、調理中も手が汚れたらその都度手を洗う、調理の途中でエプロンをしたままトイレにいかない、など
ごくごく基本的なことでも家庭では意外とおろそかになりがちです。

家族の安全を守るため、ズボラなマイルールを卒業して、正しい消毒の知識と習慣を身につけましょう!

 

参考文献
一般社団法人東京都食品衛生協会
食品衛生責任者教本

※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。