油を知って上手に選ぼう!

2012/08/05 掲載

ご質問

いろんな油の名前を聞きますが、どの油がからだに良いか悪いか分かりません。
また、最近よく聞くトランス脂肪酸って何ですか?


油の種類、確かにたくさんありますね!
それぞれ性質や健康への影響が大きく異なりますので選び方が大切です。
今回は上手に油を選んでいただけるように、一般的なもの数種類をピックアップしてご紹介します。

からだに良い油

【植物油】
主な成分はオレイン酸やα-リノレン酸、リノール酸など。コレステロール低下作用があります。

 

★オススメ1 『オリーブオイル』
オリーブオイル イメージ ドレッシングやカルパッチョ、炒め物、またパンにつけるスプレッドの代わりとしてもヘルシーでgood!

オリーブオイルに多く含まれるオレイン酸は、酸化しやすい植物油の中でも比較的酸化しにくく、コレステロール低下作用があります。

地中海料理がヘルシーだといわれる所以ですね。
ただし、抽出方法などに信頼のおける「エキストラバージンンオイル」の表示のあるものを選びましょう。

高温(100~120℃)になると酸化が起きるので、加熱調理に使用するならさっと炒めるくらいがオススメです。  

 

★オススメ2 『キャノーラ油』
オリーブオイル イメージ オリーブオイルと同じく、オレイン酸が多く含まれています。
クセが無くどんな料理にも使えます。
キャノーラ油って実は菜種油のことなんです。
こちらは高温に強いので揚げ物もOKです。

上記以外にも、ゴマ油、ベニバナ油(サフラワー油)、コーン油、エゴマ油、大豆油、くるみ油、アマニ油、などなど。

ただし、すべての油には1gあたり9kcalのエネルギーがありますので、どんな油も摂り過ぎは肥満や生活習慣病の原因となります!

特定保健用食品として「体に脂肪がつきにくい」などのメッセージを添えられた油も多種販売されていますが、これらも同様です。
揚げ物や炒め物などの頻度や回数をコントロールしつつ、上手に利用しましょう。

コーン油、大豆油や一部のサフラワー油に多く含まれるリノール酸は多量摂取によるアレルギー疾患の増加が危惧されているため、厚生労働省の食事摂取基準では摂取量の上限が設けられています。
摂りすぎに注意しましょう。

 

体にいい油と悪い油 イメージ

 

【魚油】
白身魚 イメージ

主な成分はEPADHAで、血栓を溶かす作用やコレステロール低下作用があります。
またDHAは頭の働きを良くする作用も有名ですね。

EPA・DHAはサプリメントなどにも利用されていますが、お魚にはEPA・DHA以外にも、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどからだに必要な栄養素がいろいろ含まれていますので、食品として魚から摂ることがオススメです。

魚にも種類がたくさんありますが、魚油の多さでは白身<赤身<青魚と覚えておきましょう。
 

からだに悪い油

【動物性脂肪とトランス脂肪酸】
多量に摂ると体内のコレステロールや中性脂肪を増加させ、動脈硬化や高脂血症などの生活習慣病の一因となります。

★注意1 『乳脂肪』
バターイメージ 乳脂肪の代表格はバターですが、風味豊かで料理だけではなく多くの菓子や加工品に利用されています。
また牛乳などにも3~4%、アイスクリームや洋菓子全般にはたっぷり含まれていますの要注意です。

★注意2 『肉類の脂肪』
オリーブオイル イメージ 牛や豚・鶏などの肉類に含まれる脂肪はもちろん動物性脂肪。
お肉そのものだけでなく、ベーコンやウインナーなどの加工品にももちろん含まれています。
部位によって脂肪の含有量が異なり、四足動物はヒレやモモ、鳥類はムネを選ぶとヘルシーにお肉を楽しめます。

★注意3 『トランス脂肪酸(マーガリン・ショートニング)』
マーガリン イメージ トランス脂肪酸は液状の油である不飽和脂肪酸に水素添加という化学処理を施して固形化させた油の総称です。
ショートニングはファーストフードの揚げ物や多くの菓子類に含まれています。
脂質の摂取量の多い欧米では、長期的に多量に摂取した場合に心臓疾患や現代病の一因である可能性が指摘されています。

 

このように、油にはたくさんの種類があります。

現代の食生活では、脂質の摂りすぎは問題視されていますが、悪者扱いされがちな脂質もエネルギー源としては重要!
乳製品には吸収の良いカルシウム、肉類には良質なたんぱく質も含まれていますので、全く摂らないのはNGです。

ただ、日本人全体の傾向として食事の欧米化が進んでいますので、動物性脂肪の摂る量が多くなりがちです。
健康の為には、良い油(植物や魚油):悪い油(動物性脂肪)=7:3のバランスが良いとされています。

「魚」や「和食」などを中心としたバランス良い食生活を送るように心がけ、油はその種類を意識して、適量を摂取するようにしましょう。

 

※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。