女性のお困りごと、あなたの対応は?

2022/01/11 掲載

女性のお困りごと、あなたの対応は?

 

月経前(生理前)にイライラしたり、月経中(生理中)に痛みがひどかったり、つらいと感じるタイミングがある方も多いのではないでしょうか。

女性特有の健康課題に直面した時、あなたはどう対応していますか? 今回は、気になる症状やつらい状態について、質問に対する回答を選択しながら考えていきましょう。

シーン1:月経前症候群(PMS)で気持ちが不安定……

何だかイライラしやすくなったり、パートナーのちょっとした言動に悲しくて涙してしまったり……。変だと思ったら、2日~1週間後に月経(生理)が来てその後はいつもの私に戻る。そんな経験をしたことはありませんか?
このような症状が見られることの多い月経前症候群(PMS)は、月経のある人の2~10%に起こるといわれています。
そんな時の対処法は?

月経前症候群(PMS)

 

  • A:月経(生理)が始まれば落ち着くから我慢

    実は、この選択をする人が一番多数派。
    厚生労働省の調査によると、45歳未満で閉経前の人の約60%以上が何らかの不快な症状を感じていますが、症状があるときの対応で最も多いのは「特になにもしない」で69%にのぼります。次いで多いのは市販薬の利用18.2%、先輩・同僚への相談5.9%となっており、婦人科の受診はわずか5.7%です。
    PMSは生活習慣の改善や、受診によって、症状が緩和することがわかっています。
    また、このイライラや不安を感じるのは、月経前の時期だからと理解しているだけでも症状が緩和するというデータもあります。つらい状態をパートナーや専門家に相談してみることで、気持ちが軽くなるかもしれませんよ。

  • B:改善できる方法がないか生活習慣を見直してみる

    食事の見直しでまず行いたいのは、なるべく規則正しく3食を摂ること。そして、ホルモンバランスを崩しやすい食べ方を見直しましょう。

    「食欲が止まらない! しかもイライラする」
    ⇒ そんな時は、血糖値が急上昇、急降下しているかもしれません。
    食事の時にまずサラダや付け合わせ、小鉢などやメインのおかずを食べて、ごはんやパン、麺類などの炭水化物の多い食品は後から。

    「むくみがひどい」
    ⇒ そんな時は、塩分やアルコールの量をいつもより気にしてみましょう。

    「イライラが止まらない」
    ⇒ この時期は刺激物やカフェインは控えめに。また、神経伝達を改善するビタミンE、マグネシウム、カルシウムを意識して摂りましょう。食品でいうと、かぼちゃ、ブロッコリー、アーモンド、乳製品、あさり、海藻などがおすすめです。
    また、有酸素運動はPMSの症状をやわらげるとも言われています。景色を楽しみながらゆっくり散歩するのは気分もリフレッシュできますね。

    もちろん、PMSは生活習慣の改善だけで解決できることばかりではありません。つらい症状が続く場合は、専門家である婦人科へ相談してみるのもおすすめです。

  • C:婦人科へ相談

    実は少数派ですが、つらい症状を専門家に聞いてもらったり、漢方薬をはじめホルモン剤や症状に応じた薬を処方してくれることから、専門医に相談する効果は大きいといえます。
    イライラが積もって、家族、パートナーとの関係が悪化したり、仕事に行けないなどの状態になる前に、一度相談してみることをおすすめします。
    治療を始めて薬を服用している方も、生活習慣を整えることは大切です。

シーン2:毎月の月経痛(生理痛)がしんどい……

厚生労働省の調査によれば、月経痛を感じている人は、我慢できるレベルの人まで含めると76.5%。なんと、4人中3人以上が月経痛を感じています。
毎月、月経(生理)になると痛みがひどくてつらい。でも、終わればいつも通りだし……。あなたならどう対処しますか?

毎月の月経痛(生理痛)がしんどい

 

  • A:月経(生理)は病気じゃないから我慢

    たしかに月経は病気ではありませんが、だからといって、つらい症状を我慢する必要はありません。市販薬の利用や婦人科へ相談するなど楽に過ごせる方法を探してみましょう。
    治療や内服に抵抗があるという方は、からだを冷やさない、カイロなどを活用して温めるなどつらさをやわらげる方法を試してみてくださいね。
    食事では、ビタミンEを多く含むナッツ類を適量摂ったり、大豆イソフラボンを含む豆腐や豆乳を摂るのもおすすめです。

  • B:市販の鎮痛剤を服用する

    月経痛があると回答した人の多くは市販の鎮痛剤を服用しています。
    痛みがかなりひどいと回答した人の55%、ひどいと回答した人の82%、我慢できる程度だが痛いと回答した人の42.5%となっています。
    市販の鎮痛剤の利用は効果があることが認められています。痛みの元となるプロスタグランジンをブロックできるなど薬の作用によるものです。痛みを感じそうになったら早めに服用することがコツです。
    市販薬を利用しても、我慢できないほど痛い時は、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が隠れていることも考えられます。なるべく婦人科を受診しましょう。

我慢せず婦人科へ相談するのもひとつの方法

いかがでしたか?
今回は、女性の健康課題にフォーカスした内容を取り上げてみました。もしかすると、家族や友人に相談しづらいという人もいらっしゃるかもしれません。そんな方は、一人で悩んでいるより専門家である婦人科へ相談するのも良い方法です。 筆者も、長年月経不順と過多月経を我慢してきましたが、婦人科を受診し内服治療を開始したことで長年苦しんでいた症状が嘘のように軽くなり、今では快適な毎日を過ごしています。

内診を考えてひるみそうになりますが、まずはつらい症状を相談してみてはいかがでしょうか。

※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。