時間栄養学を理解し、効果的なダイエット

2012/04/12 掲載

「何をどれだけ食べたらいいの?」
「そんなに食べてないのにちっともやせません、どうしてですか?」
ダイエットを望む方々によく聞かれる質問です。
食事の内容も大切ですが、重要なのは、『タイミング』。
「腹八分目、バランス良く」が基本なのですが、今回は一歩進んだダイエット法、 テレビで話題の時間栄養学「いつ食べたらいいの?」 についてお伝えいたします。

時間栄養学による効果的な食べ方

その1:一日の食事のエネルギー摂取量を10としたとき、朝食3、昼食3、夕食4の比率にすること

その2:朝日を浴びてから2時間以内に、タンパク質と炭水化物に富んだ充実した朝食をとること

その3:夜9時を過ぎたら、できるだけ軽い夕食にすること

「腹時計」(?!)というけれど、、、
私たちの体の中には、5種類の体内時計があるといわれています。
・週周リズム
・日周リズム(サーカディアンリズム)
・月周リズム
・年周リズム(季節性リズム)
・90分リズム(ウルトラディアンリズム)


【資料1】さまざまな体内時計



どの周期も私たちのカラダの中で働き、生活にリズムを作っています。女性の生理周期は月周リズムで体脂肪の合成や、分解を行っています。また、睡眠のリズムや、集中力は90分リズムが影響します。仕事の合間に集中力が切れて、コーヒーブレイクをしたり、チョコレートを食べたり、みなさんもされるかと思いま す。これらの周期と食欲との関係も奥深いのです。

最もダイエットに影響する体内時計が、日周リズム(サーカディアンリズム)です。

私たちは、1日24時間というルールで社会生活を送っていますが、実際には少し長い25時間で体内時計が刻まれています。
人は日中活動し、夜眠ることで、健康な生活を維持し、体内時計から発信される日週リズムによってベストコンディションに保たれるよう調節されているのです。
表1は私たちのカラダの日周リズム、例えば体温や血圧は寝ている間に最低値となり、目ざめと同時に1日の活動の準備をします。
日周リズムをリセットする役割を持つのが、「朝食」、朝日を浴びて朝食を食べることで、体内時計がリセットされるのです。
 

朝食を食べない&夜食を食べると太る?

(1) 欠食による代謝活動の低下
(2) 時計遺伝子が欠食による防衛反応で、エネルギーを節約し、脂肪合成を促進すること
(3) 昼食、夕食の摂取量が増えること
(4) 昼食や夕食後の血糖値が急上昇すること

朝ご飯抜きは80kcal-100kcalの消費カロリーが節約され、(食事誘発性熱発生量がない)深夜の食事は40kcal―50kcalの脂肪が蓄積されるといわれています。120-150kcalのプラスになり一食少ないはずが、かえって太るという結果に。
朝昼しっかり、夕食は夜9時くらいまでに済ませることが健康生活の基本となるのです。
私たちのカラダの活性時間を見ても、夜の重い食事はNGカラダの負担となります。

上のグラフ1をご覧ください。

私たちの内臓の活動時間を示したものです。
肝臓は朝活発に働くので、朝たんぱく質、ビタミンをしっかりとること、夜は肝臓、膵臓を休ませてあげることが大切。
21時以降はアルコールや脂質を控え目にしてあげるのが、カラダ思いといえます。
間食や、夜食は日週リズムを乱す要因になるだけでなく、ミネラル、ビタミンの摂取量も少なく、
健康には不利益であることがよくわかります。

朝食、昼食は糖質に加えて、たんぱく質をしっかりと

糖質は脳のエネルギー源である血糖をあげるために必要です。
しかし時計遺伝子を活性化するには、それだけでは不十分なことがわかりました。
たんぱく質と糖質を含んだ食事が時計遺伝子の針を正しく合わせることができるのです。
たんぱく質こそが、筋肉と細胞の栄養。菓子パン、おにぎりだけの朝食のあなた、牛乳や、卵、豆腐など手軽なたんぱく質を一品プラスして、朝からしゃきっと エネルギーチャージ、プロテインチャージしませんか?体内時計をうまくリセットして、効果的なダイエットが可能となります。
朝食、昼食にウェイトを置いていつまでも若々しく老化予防でライバルに差をつけましょう!!

コラム担当 CAROL

<参考文献,参考図書>
「時間栄養学」 日本栄養・食糧学会 監修
「体内リズムダイエット」クロード・ショーシャー 著

※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。