メタボになりにくいビールの飲み方とは・・・?

2012/03/29 掲載

ビールの適量ってどれくらい?

アルコールは飲みすぎると身体に様々な悪影響を及ぼして良くないのですが、「適量」を気分良く飲むなら代謝が活性化され善玉コレステロール(HDL-C)を増やすなどの効果やストレスの軽減にも役立つということで「百薬の長」とまで言われます。この時期、アルコールといえば「まずビール」ですが、ビールというと、ジョッキでぐいぐい飲んじゃうイメージですよね。

厚生労働省の「成人の飲酒実態調査」の結果(図1)を見ても、国民1人あたりのビールの消費量が80年代あたりから群を抜いているのがわかります(2001年で焼酎に抜かれていますが、97年あたりからグラフ中の「その他」に含まれる発泡酒の割合が伸びてきていますので、発泡酒もビールの仲間と考えるとかなりの量です)。
このように日本人に広く「たくさん飲まれている」ビールですが、ビールの「適量」っていったいどれくらいなんでしょうか。 厚生労働省の資料を探してみると、アルコール摂取の指針が見つかりました。その中には「ビールなら500ml程度」と書かれています(もちろんこれは平均的な目安です。実際には肝臓のアルコール処理能力等により個人差があります)。500mlというと、丁度中ビン1本分。小ジョッキなら2.5杯程度、中ジョッキで1杯強、大ジョッキで1杯弱ですね。

つまり、ジョッキで飲むなら1杯程度でやめておくのが無難なところ。でもそれだけじゃちょっともの足りないなぁ、という方が大半なのではないでしょうか。そんな「物足りない派」のあなたは次からの章をよく読んで、飲みすぎ・食べ過ぎ防止の参考になさってください(^^)。




 

出典:厚生労働省ホームページ「成人の飲酒実態と関連問題の予防について」より
https://www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/houkoku/061122b.html

ビールの飲み方の工夫

1)飲む前に1杯のりんごジュースを
ビールを飲む前に1杯のりんごジュースを 飲んでおくと、りんごに含まれるペクチン(水溶性の食物繊維) がアルコールから胃の粘膜を保護するだけでなく、お腹の中で水分を含んで膨らむ性質があるのでビールの飲みすぎを防ぐ効果もあるそうです。その上、ペクチンは整腸作用・便通促進作用もあり、コレステロールを下げる効果もありますので、お腹をすっきりさせたいダイエット中の方、メタボが気になる方には強い味方ですね。ただし、甘いジュースはエネルギーも高めですから、あんまりたくさん飲みすぎると今度はカロリーオーバーになってしまいます。ご注意を。「甘さ控えめ」な100%ジュースがお勧めです。

2)ライムやレモンを絞って入れたり氷を入れる
ビール好きな人から見たらちょっと邪道・・・?でも、コロナビールのようなメキシコのビールにはライムがつきものですし(ビンの口にライムをキュっと入れて飲むのがカッコいいですよね)、爽やかな味になってなかなか美味しいんですよ。ライムのクエン酸が自律神経を刺激するので代謝が活発化し消費エネルギーが高まりますし、ビタミンCとの相乗効果で疲れもとれます。意外に氷を入れるのも冷たさ倍増で美味しく飲めますよ。キレイなグラスにクラッシュアイスとライムを入れてビアカクテルにするのもステキです。1杯目以降はこんな飲み方を試してみるのはいかがでしょうか。
 

おつまみの選び方のコツ

ビールのエネルギーはそう高くなく、そのうちの2/3はアルコールですから(アルコール自体のエネルギーが脂肪となることは無いと言われています)、ビールを飲むだけで太るということはあまりないのですが、ビールのアルコールで肝臓の働きが一時的に鈍り(第一優先でアルコールを分解しようとするため)、血糖コントロールがうまく行かなくなって満腹感を感じにくくなってしまうということがあります。 そうすると満腹感を感じないままズルズルと高カロリーの物を食べ続け、最後に更に追い討ちをかけるようにラーメンなんぞ食べてトドメをさして結局すごい摂取エネルギーになってしまうことが多いのです。
こうなると脂肪増加↑メタボ悪化↑の道へとまっしぐら。おつまみには揚げ物や塩分高めな味の濃いものが多いので(これがまた美味しいのですが(^^;))、要注意。下記に満腹感を得られてヘルシーなおつまみ選びのコツをまとめました。

1) 生もの・和え物(酢の物)・焼き物・蒸し物を選ぶ(揚げ物はできるだけ避ける)→特に酢の物は、酢に含まれるクエン酸が代謝を活発化して脂肪の燃焼を促します。:「わかめときゅうりの酢の物」「魚介類のマリネ」など

2) 噛み応えのあるもの→噛むことで満腹中枢が刺激されて満腹感が得られますし食べ過ぎを防ぎます。:「野菜スティック」「大根サラダ」「するめ」「こんぶ」など。

3) お腹の中で膨らむもの→「ひじき」や「わかめ」、「オクラ」などは胃の中で膨らむので満腹感が得られ食べ過ぎを防ぎます。

4) 肝臓の働きを助ける成分を多く含む食材 ・ 良質なたんぱく質を多く含むもの(消耗した肝臓のたんぱく質を補います):「鳥ささみ」「豆腐」「枝豆」など ・ ナイアシンを含むもの(アセトアルデヒトの分解に役立ちます):「鳥ささみ」「レバー」「マグロ」「ブリ」「イワシ」「サンマ」など ・ タウリンを含むもの(肝臓の過酸化脂質生成をおさえ、コレステロール低下作用があります):「ホタテ」「アサリ」「イカ」「タコ」「カニ」など →たんぱく質とかナイアシンとかタウリンとか言っても、おつまみを選ぶときにパッとイメージが沸かないと思いますので「肝臓に良い食材=鳥ささみ、豆、豆腐、魚介類」・・・とざっくりと覚えて選ぶヒントにしていただけばOKです。



 

あとはとにかく楽しみましょう!

ヘルシーなおつまみを選んで注文したら、あとはとにかく楽しく飲みましょう!

楽しむことでストレスが軽減し、笑うことで自律神経が刺激され免疫力が高まる効果もあります。神経質に我慢してばかりでは楽しくありませんので、ちょっぴりなら食べたい揚げ物を加えたって良いと思います。

注文の大半を低カロリー高たんぱくなヘルシーおつまみにしておけば、色々な食材を食べられて、摂取エネルギーが抑えられ、その上適度なアルコールで代謝も活発化するので、むしろ通常の食事よりもダイエットやメタボ予防に効果的な場合もあるかもしれませんよ。

でも、あくまでも「適度な」アルコールですよ!飲みすぎにはくれぐれも気をつけてくださいね(^^)。(・・・と、自分にも言い聞かせています)

※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。