検証!運動には若返り効果がある?!

2012/03/28 掲載

ランニング質問です。皆さんは「週3日30分ランニング」のように、習慣化して行っている運動はありますか?
「運動は苦手」「太っていないし健康だから運動する必要性を感じない」そんな風に考えている方はいないでしょうか?

実はダイエット効果だけでなく、運動には様々な効果があります。今回は運動による「リフレッシュ効果」「若返り効果」などの嬉しい効果を科学的に検証します。

気のせいじゃない?!運動による気分の変化

運動した後は気持ちがすっきりとして、「あんなに落ち込んでいたのにどうしてだろう…」と思ったことはありませんか?
何かに行き詰っている時に「気分転換に運動してきたら」というセリフも決まり文句のように使いますよね。

運動後に気分が変化するのは決して気のせいではなく、科学的に説明ができることなのです。運動すると交感神経が活性化され、心拍数が上昇し、興奮状態になります。この交感神経優位の時間が増えると意欲的になり、ポジティブな思考になるようです。

また、脳内物質レベルでも変化が起きています。運動を始めてまず分泌されるのが脳内麻薬のβ-エンドルフィン。気分をハイにするホルモンで「多幸感」をもたらします。
次にドーパミンが分泌されます。「ワクワク感」「高揚感」「達成感」をもたらすホルモンとされています。そして最後にセロトニンが分泌されます。別名「愛のホルモン」や「幸せホルモン」とも呼ばれ、心を安定させる効果があると言われています。

これらはウォーキング等のリズム運動によって分泌を促すことができるとされており、ストレス耐性やうつの予防効果も期待できるそうです。

私は就職活動中にこの効果にとても助けられました。面接を受けた後、「もうだめだ」と思ったり、その結果が気になって不安で仕方がなくなったり…
そんな時にちょっと頑張ってジョギングにいくと、「何とかなる、次頑張ろう!」と気持ちをうまく切りかえることができました。

受験生の時にも運動していたら、もう少し精神的に楽だっただろうな…と今になって思います。自分に子供が出来たら是非教えてあげたいと思います(笑)
 

運動

運動で若さを維持する

○運動で若返り!

運動している人はいつまでも生き生きとしていて見るからに若々しいですが、「平成21年度体力・運動能力調査」によると、20~64歳の成人において運動する人としない人では最大20歳の体力差があることが分かりました!

運動を「週1回未満しか行わない群」と「週1~2日程度の群」について見てみると、男子の20~40歳代では10歳程度、50歳代以降では5歳程度、女子の20歳代では20歳程度、30歳代では15歳程度、40歳以降では5~10歳程度の差がみられたという結果でした。

私は現在20代前半で週3日以上の運動習慣がありますが、仮にこの習慣を続けると40代後半になっても、運動習慣のない20代前半と同じ体力くらいは維持できているということになります。

さすがに老化には逆らえませんが、この差は大きいですよね!タニタの体組成計でも体内年齢がわかるので、これを1つの目安としてお使い頂けるのではないかと思います。

ちなみに私の曾祖母の1人は今年100歳になりますが、バリバリ現役で1人暮らしをしています。毎日の日課はウォーキングと筋トレ!筋トレはもう10年以上欠かしたことがないと言っていましたから、本当に頭が上がりません。まだまだ頑張ってね、ひいおばあちゃん!
 

○運動でアルツハイマーを予防!

更に運動には体力向上だけではなく、アルツハイマーの予防効果もあるようです。2006年に発表されたイリノイ州立大学の研究によると、60~79歳までの高齢者が適度な運動をしたところ脳内のシナプスに新しい枝が生えたり、ニューロンを健全に保つ細胞が増加したり、脳内に酸素を供給する能力がアップしたりと脳が発達することが分かりました。

高齢になってからも脳を発達させることができるなんて、運動を始めるのに遅すぎることはないと言えるでしょう。もちろん、やり過ぎは禁物です!週に4日程度、30~60分が「適度」と言われていますが、継続することが大前提なので自分で気持ちがよいと思えるような頻度や時間で運動するのが大切でしょうね。

もう一度考えよう!本当に運動できないの?

先日ある病院で行われている減量講座に参加する機会がありました。
講座の受講期間は6か月間で、週に1回病院で食事や運動、ストレス対処方法に関する講義を聞き1週間分の食事記録や歩数、体組成データ等を提出して、先生に講評して頂くというものです。
講座初回は皆さん「これまで何をやっても痩せなかったんです」「水を飲んでも太るんです」と言っていたのですが、まずは食事に気をつけて少し痩せると、「運動もしてみようかな」という気になられて、皆さんが運動を始められたんです!

「腰やひざが痛いから、これまで運動するのを諦めていた」とおっしゃる方も多かったのですが、少し我慢してやってみると意外と歩けるということに気づいたり、痩せていくにつれてどんどん体が軽くなって動くのが楽しくなったりするのですね!

「運動が苦手」と言っていた方も、軽いウォーキングや家の中でできる簡単なエクササイズでいいんだということに気づき、どんどん運動量を増やすことができました。

更に素晴らしいことに、自分の目標に向かって努力し、その成果が表れていくわけですから、当然気持ちがよく、表情も声も明るくなっていくのが一緒にいて分かる程でした。家族にもよい影響が沢山あったようで、こっちまで幸せになりました!

これまで「運動が苦手」「痛いから無理」と言っていたのに、素晴らしい変化ですね。無理は禁物ですが、ちょっと勇気を出して運動してみると、案外のめりこんでしまうかもしれませんよ。さあ今日からでも運動を見方につけて、ハッピーな毎日を過ごしましょう☆

☆おまけ☆運動でハワイに行こう

運動の効果をいくつかご紹介してきましたが、いかがでしたか?運動したくなりましたか?まだちょっと…と思っているあなたにもうひとつ。運動することでハワイに行きましょう!というご提案です。

あなたが毎日最寄り駅まで片道210円払ってバスに乗り、通勤しているとします。この道のりを頑張って20分歩くと、毎日420円の節約になります。平日は毎日バスに乗っていたのをやめて徒歩にし、これを一年間継続すると

一週間で 420円×5日=2100円
一か月で 2100円×4週間=8400円
一年間で 8400円×12カ月=100800円

なんと10万円以上も節約できてしまうんです!!これは大きいですね。ハワイ5日間旅行に行けてしまいます。これほどうまくいかないかもしれませんが、「ちょっとタクシー」「一駅だけど電車」をやめて歩くだけで、かなり運動効果が得られそうですよ。まずは、自分が楽しめる目標を立てるところから始めてみましょう!

ハワイ
参考文献
「Scientific American Mind」 2009年7月号
見正 富美子, 林 達也, 柴田真志, 吉武康栄, 西嶋泰史, 森谷 敏夫 「有酸素運動における脳波・血中β-エンドルフィンの動態」 『体力医学』 45: 519-526, 1996.
平成21年度体力・運動能力調査
平成14年保健福祉動向調査
佐藤富雄 「脳が悦ぶと人は必ず成功する」 ナナ・コーポレート・コミュニケーション, 2008
 
※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。