冷えたビールは美味しい!でも、美味しいものにはトゲがある

2012/03/30 掲載

冷えたビールは美味しい!でも、美味しいものにはトゲがある

『ごきゅっ、ごきゅっ、ごきゅっ、ぷっはぁ~』やっぱり美味しいですよね、ビール。 暑くて汗かいて喉が渇いた後に飲むビールと言ったらそりゃもうたまりません(ビール党でない人スミマセン)。 焼き肉、鶏のからあげ、アジフライ、ソーセージ、なぁんてあった日にゃ、止まらなくなるってもんです。 おっといけません、高カロリーなものばかりです。おつまみには気をつけないと。

(関連コラム:http://www.karadakarute.jp/tanita/kcloseup/kcup14.jsp

でもカロリー以外にも気をつけなきゃいけないことあるんです。

『高尿酸血症』ってご存知でしょうか?

この疾病は生活習慣と密接な関係があり、近年のライフスタイルの変化に伴って増加傾向にあるようで、成人男性の約20%(5人に1人!)が高尿酸血症とのこと。尿酸値が高くなると、痛風や腎障害などにつながるとされています。 尿酸は水に溶けにくい物質なのでカラダの中で結晶になりやすく、関節で結晶化すると、「風が吹くだけでも痛い」という痛風のできあがりです。 そしてこの尿酸の元になるのが、ビールの表示によく見る、“プリン体”です。 プリン体はカラダの中で、遺伝情報に関わる核酸(DNAやRNA)、からだを動かすエネルギーになるATPなど大事な部分に関わっている、欠かせない物質です。 しかし過剰になるとやっかいなことになってしまいます。


よく言われる「プリン体の多い食品」としては、レバーや白子、鰹節や煮干し、干し椎茸などがありますね。レバーや白子は、グラムあたりの細胞の数が多いので、含まれる核酸の量も多くなります。 干物も水分が抜けているのでグラム当たりの核酸の量が多くなりますし、また鰹節のうま味成分イノシン酸、干し椎茸のうまみ成分グアニル酸はどちらもプリン体を持っているんです。このプリン体は水に溶けやすいので、料理によってはスープに多く含まれます。 つまり鍋の〆の雑炊や、ラーメンはプリン体たっぷりなのです(だから美味しいのでしょうけど、ね・・・)。

一方、飲酒でも尿酸値が上昇してしまいます。ビールは他のアルコール類よりもプリン体を多く含みますので、より注意が必要なのですが、アルコールの過剰摂取自体が良くありません。アルコールを分解する過程でATPを利用しますからプリン体から尿酸が産生されますし、腎臓から尿酸を排出する働きも低下させてしまいます。お酒の種類に関係なく飲みすぎないことが重要なんですね。



肥満も良くないそうですから、やっぱり食べすぎず、飲みすぎず、よく運動する、が基本のようです。 私も運動もしなきゃいけませんねと、運動したら汗かいて喉が渇いて・・・ああ、またビール→焼肉→ラーメンまでたどりついてしまいそうです・・・。自重します。

参考:『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン』 日本痛風・核酸代謝学会

 

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