熱中症だけじゃない!?真夏の血圧変動にもご用心!

2019/08/05 掲載

血圧は気温の変化で変動します

季節により血圧の変動があるということをご存知の方は多くいらっしゃると思います。一般的に夏は血圧が低く、冬は血圧が高くなりやすいと言われていますが、酷暑やエアコンの普及などにより、夏場ならではの血圧変動も注目されつつあります。

特に急激な血圧変動は、失神や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こすリスクがあるため、季節を問わず注意が必要です。

 

今回は夏場になぜ血圧が変動しやすいのか?その原因と対策を考えていきたいと思います。

夏に血圧変動が大きくなる原因

温度差

冬場に暖かい部屋から冷たい浴室などに移動した際、血管が収縮して血圧が上がるように、暑さの厳しい屋外から冷房の効いた部屋に入ったときにも同じことが起こります。

また、暑い空間と涼しい空間を行き来していると、自律神経のバランスの乱れにもつながり、血圧のコントロールや体温調節に不調をきたします。

発汗

たくさん汗をかくことで体水分が不足すると血液の流れが悪くなり、血圧が上がりやすく、血管も詰まりやすくなることがあります。

また、一気に多量の水分補給をすると、急激に血液量が増加し、一時的に血圧が上がることがあります。

対策方法

①温度差を小さくする

冷房で室温を下げ過ぎないようにしましょう。設定温度は26~28℃、外気との温度差は5℃以内が目安です。

自分ではコントロールできない冷房の効いた場所へ出かける時は、上着やストールなど、羽織れるものを持っていき、温度差を小さくします。

 

 

②水分補給

汗をかいた後はもちろん、汗をかく前にも適量の水分補給をこまめにしましょう。スポーツドリンクはナトリウムが含まれており、飲み過ぎると塩分の摂り過ぎにつながるため、水やお茶がお勧めです。

また、睡眠中は通常でもコップ1杯(200cc)ほどの汗をかきます。夏場はこれ以上の汗をかく場合もありますので、就寝前、起床後にコップ1杯程度の水分を摂るようにしましょう。

ただし、心臓や腎臓疾患などで水分摂取に制限がある人は、水分補給の方法を必ずかかりつけのお医者様にご相談ください。

 

 

③運動

ウオーキングなどの有酸素運動を1日30分、週3回程度行うと血圧のコントロールに効果的です。

ただし、ウオーキングをする場合は、できるだけ涼しい時間帯や屋内で行い、熱中症対策もお忘れなく!

 

 

④食事

夏は発汗により塩分(ナトリウム)やカリウムなど体内のミネラルが失われるため、熱中症対策として、水ではなくイオンウォーターのようなものを頻繁に飲んだり、塩分を摂らなくてはと思っている方も多くいらっしゃいます。

日本人の食塩摂取量は平均1日10g以上で、1日の必要量1.5gを大きく超えています。そのため、夏でも塩分摂取は控えることを心がけましょう。

 

 

⑤日々の血圧計測

家庭用血圧計が普及し、自宅で日常的に血圧を計測することができるようになりました。血圧が気になる場合は、毎日計測する習慣をつけ、なるべく同じ時間帯・環境で計測することで、数値に大きな変動があった場合にすぐに対応が可能です。

 

 

夏場は熱中症なのか、血圧が上がっているのか症状が似ていて気付きにくい時もあるかもしれません。いつもと違うと感じる時は、早めに医療機関で受診するなど、からだの声に耳を傾け、無理せず元気に楽しい夏をお過ごしください。

※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。