春の風邪と花粉症の違いとは

2012/03/30 掲載

俳句のお題にもなる「春の風邪」。花粉症との違いは?

「春の風邪」って、俳句の季語や題目にも使われているほど、毎年お馴染みのやっかいごとで、ある意味季節を感じさせる出来事として昔から捉えられてきた向きもあるようです。でもこの季節には風邪と症状が良く似た「花粉症」の方も多いですよね。どちらもやっかいな身体の不調ですが、アレルギーとして花粉症がきちんと診断されるようになるまでは花粉症も春の風邪と混同して捉えられていたのでしょう。
私は幸い今のところ花粉へのアレルギーは全く無いのですが、この時期ちょっと体調を崩して鼻がグスグスしたりすると「もしやついに私も花粉症に!?」と、風邪なのか花粉症発症なのか区別がつかず、対処に迷うことがあります。とりあえずお手製の風邪対策ドリンク(ダイエットと免疫の関係の回で紹介しています)を飲んで寝るようにしていますが・・・。悩むところですよね。どちらも「ウィルス」「花粉」という外気から入ってきた異物(本来、花粉は「異物」扱いされないはずなのですが)を身体の外に出そうとして起こる防御反応から来る症状なので、似ていて当然なのですが、原因物質が違いますし、きっと何らかの違いがあるはず。そこで、風邪と花粉症の違いについて調べてみました。【図1】をご覧ください。



・・・うーん。鼻やのどの症状も微妙に違うようですが、明確に区別するのはやっぱり難しいですね(^^;)。
まあ、ある程度わかりやすいところとしては

●目の症状はあるか?
●天候に左右されるか?
●昼と夜どちらがつらいか?

といったところでしょうか。これで見当をつけて対処できる程度でしたら大丈夫かもしれませんが、つらい時には無理せずお医者様に診ていただきましょう。病院での花粉症の検査は、目やにや涙、鼻水を調べる「好酸球検査」や血液を採取して行う「アレルゲン検査」などがあります。血液検査では、いくつもの代表的な抗体を同時に調べることができるので、原因となる花粉の種類をある程度特定することも可能です。
 

風邪ひいた!と思ったらとにかくすぐに対処を!!

花粉症のようなアレルギーではなく風邪なら、とにかくひき始めの対処が肝心。というのも、風邪自体を治す薬は無く、薬には症状を和らげる作用しか無いからです。基本的には薬で症状を抑えている間に自分の体力と抵抗力でウィルスと戦い勝つしかありません。まだ体力が十分あって楽に勝てる初期のうちに打ち負かしてしまいましょう!

=あ、風邪だ!と思った時の早めの対処=
●とにかくたくさん水分を摂る(イオン飲料がお勧め)
●風邪に良い食べ物【図2】を積極的に食べる
●スタミナドリンク(カフェインレスのもの)で栄養補給
●早めに薬(初期なら市販薬で十分効果があります)を飲み、すぐ寝る
●とにかく睡眠(できれば仕事を休んで寝る!)



鼻や喉の不快な症状は、家にある食材を利用してある程度和らげることもできます。【図3】を参考にしてください。
薬を飲んだ場合の補助的な工夫としてこうした方法をとるのも良いですよね。じわじわと身体に効く感じがホっとしますよ!



リラックス効果があったり風邪の不快感を和らげる作用のある「香り」を利用するのもオススメです。

=風邪の不快感や症状を和らげる香り=
●ラベンダー(リラックス、安眠、ストレス緩和)
●ティーツリー(殺菌効果、清涼感、リフレッシュ効果、喉・鼻の不快感緩和)
●ユーカリ(空気の清浄、清涼感、喉・鼻の不快感緩和)など

特別な道具が無くても、マグカップのお湯にアロマオイルを2~3滴垂らして置くだけで、香りを楽しめて効果も得られます。手っ取り早く香りを漂わせたい時は水にオイルを数滴混ぜて、お部屋にスプレーするとふわっと香りが広がって空気の乾燥も防げます。鼻や喉がつらい時は、ティーツリーやユーカリのアロマオイルを洗面器のお湯に4~5滴入れ、顔を近づけて吸入すると楽になりますよ。

 

この時期はメンタル面の不調「心の風邪」にも要注意

・・・さて。この季節は気温の変化が激しい上、様々な面で多忙になるので、疲労が蓄積して身体が弱ってしまう方が多いのですが(そこを春の風邪ウィルスが狙ってくるわけですが)、実は、身体以上にメンタル面の不調も心配な季節です。神経内科の先生に言わせると、「春」は最も注意が必要で、メンタルヘルスにとっては大敵!とまで言われる季節なのだそうです。

身体の疲労とも重なりますが、春は社会的にも生活上でも様々な変化が重なる季節で、人生の節目となるような変化もしばしばおこります。卒業や職場の異動など様々な環境の変化、出会いと別れ、めまぐるしく変わる天気に気温のアップダウンと感情のアップダウン、咲き出す花々、新しい年度に向かうざわつき・・・そういったことが一気に押し寄せるので、変化に必死で対処している自律神経が自分では気付かないうちに相当疲れているはずです。自律神経がコントロールしている心が不安定になってしまうのも無理もありません。ポカポカとした穏やかな春の陽射しの中で、突然取り残されたようなつらい感覚におそわれてしまうこともあるかもしれません。でも、それは決しておかしなことではありません。あなたが頑張っていろんなことに対応してきた結果の「心が疲れてきたよ」のサインであって、おそらく、誰だって一度はそんな感覚にとらわれたことがあるはずです。「春」という季節はそれだけ大きな大きな心と身体の波を引き起こす季節なのですから。
   
では、そんな「あれ?ちょっとココロが疲れ気味?」と感じたらどうすればいいか。それは、ズバリ、「休みなさーい!!!」です!!!!(→命令ですよ!)。とにかく、なんとしてでも休んで下さい。ぼんやりしていると余計寂しくなってしまう、という人は、お友達も巻き込んで遊びに出かけてしまうとか、思い切って旅行とかもいいですね。とにかく、自分が心地よく、楽しくて、ほっとできる・・・好きなことをする時間を確保して心の休息をとってくださいね。「ココロの風邪」は身体的な風邪よりもずっとやっかいでダメージが残ります。心のケアを侮ってはいけません。

・・・でも、そうは言っても・・・どうしても、他人への気遣いは上手なのに自分のことは後回しにしてしまう人(そういう人ってすごくステキなのですが)、多いですよね。急に自己中心人間になりなさい!と言っても無理がありますので・・・せめて、どうかこの春先くらいは意識してご自身の心の疲れにも気を配り、早め早めのケアをしてみてください。日頃から、できるだけ「たっぷりの睡眠」と「規則正しい生活」を続けることも「ココロの風邪」にかかりにくい「丈夫な心」を保つ重要なポイントですよ。

・・・などと書きつつ・・・、毎度のことですがちっとも実践できていない私(涙)。幸い風邪はひいていないのですが、このところ夜更かしが続いたせいかちょっと喉が気になりだしたので、葛湯を作り(と言ってもインスタント(^^;))桜の花の塩漬けを浮かべてみました。・・・あら!手抜きのわりにはちょっとキレイでイイ感じです。
 

※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。