もうすぐ八十八夜!ダイエットの強い味方、お茶を楽しもう!

2012/04/12 掲載

やっと春が来た!と思ったら・・・季節の流れは速いですね。気が付けば暦の上ではもう初夏を意識する時期になってきました!
♪夏もち~かづく八十八夜♪の「茶摘み」の歌は有名ですが、この「八十八夜」がもうすぐそこまで来ています。

そこで今回は暦の「八十八夜」とダイエットの強い味方で身体にも様々な良い作用があると言われる「日本茶」について調べてみました。

イメージ図

ところで八十八夜っていつ?

「八十八夜」とは、その名の通り「立春から数えて88日目」の日のことを言います。歌の中で「夏も近づく」と歌われているように立夏のちょうど3日前にあたります。 暦の中で使われる二十四節気などの季節の区切りは、ほとんどが中国から伝えられたものなのですが、実は「八十八夜」は日本の生活の中から生まれた純国産(笑)の言葉で、日本独自の暦の数え方なのです。
なぜ日本でこの「立春から88日目の日」に特別な目印をつけ意識する必要があったのか・・・それは日本の気候と農業に深く関係していると言われています。 「八十八夜の別れ霜」という言葉があるように、春も後半に入り暖かい日が続くようになってもある日突然気温が急激に下がり「遅霜」が降りる日があることを警戒するための目印として「八十八夜」を区切っていたようです。

つまり・・・暖かい日が続くようになっても八十八夜までは霜に注意して油断してはならない、という区切りにしていたということです。
ちょうどこの時期は作物の若い芽が育つときなので、それがダメになってしまっては大変、と特別に注意を払っていたようですね。まあ、八十八夜を過ぎれば、もうそろそろ立夏ですからここまで来れば霜の心配しなくても大丈夫、と安心することができたわけです。

更に、こうした「霜への警戒が解ける」という意味だけでなく、様々な「夏に向けての準備」を始めるには縁起の良い日、としても大きな意味を持っていたようです(八十八という数字は末広がりで縁起が良いですからね)。こんな風に立夏のちょっぴり前にプレ立夏(笑)的な縁起の良い日の目印をつけておくところがいかにも気配り細やかな日本人らしくて面白いなぁ・・・と思ってしまいます。

八十八夜とお茶の関係

その「日本的な目印」である「八十八夜」とお茶の関係ですが・・・主なお茶の産地ではこの八十八夜の時期が新茶(一番茶)摘みの最盛期となるところが多く(気候の違いで異なる地域もありますが)、そうした「旬の時期」であるということと、八十八夜に摘まれたお茶は古来から不老不死の縁起物として 珍重されていましたから「縁起担ぎ」の意味も合わせて特に最上級とされているのだそうです。
実際、4月下旬から5月上旬にかけて摘まれる新茶(一番茶)は、後に摘まれる二番茶や三番茶よりも茶葉に栄養と旨み成分が多く含まれていて、特に質が良く香味豊かで美味しいと言われています(高級な抹茶や玉露は樹に覆いをかぶせるなど特別な育て方をした上、一番茶しか使わないそうです)。お茶が最も栄養豊かで美味しくて更に縁起も良いと言われるこの八十八夜の時期 に、ぜひぜひ新茶を味わってみたい
ですよね(^^)。

お茶のダイエット効果

さて。お茶はダイエットの強い味方!と言われます。それはもちろんノーカロリーの飲み物だから・・・ということもありますが、それだけではあり ません。「飲むだけで痩せる」なんていう極端な効果はないのですが、薫り高く風味のいいお茶をゆっくり飲むことで空腹感が和らぎ食事の調節がしやすくな る・・・という「食べること自体に働きかける」作用も大きいのです。

つまり、「食べ過ぎを防いで」「食事の摂取カロリーを調節しやすくなる」ということです。更に最近の研究では、お茶に含まれる茶カテキンに、脂肪の吸収を抑制し燃焼を助ける作用が 見られることも報告されています。ダイエット中の人にとってはまさに救世主!ただ、ちょっと気になる点としては、緑茶の苦味成分タンニンは野菜などに含ま れる非ヘム鉄の吸収を抑制してしまうことがあるとされていることです。貧血の気になる方で野菜から鉄分を摂取したい人は、念のため食事と一緒にあまり濃い お茶をたくさん飲みすぎない方が良いかもしれません。

最近の研究では、お茶に豊富に含まれているビタミンCが逆に鉄分吸収を促進するとか、消化してお腹の 中に入った非ヘム鉄にはタンニンの影響が無いので気にしなくてもいい、とも言われていますのであまり神経質になる必要は無いと思いますが・・・。いずれに しても、レバーなど動物性の食物に含まれるようなヘム鉄の吸収には影響ありませんので、バランスの良い食事を心がけていればまず問題無いでしょう。

=ダイエット中の人にお勧めのお茶の飲み方=
1.「食事の前」にゆっくり美味しい緑茶を飲み、一息おいて食べ過ぎを防ぐ
2.食事は「腹八分目」くらいでやめ、後はゆっくり美味しいお茶を飲み満足感UP!
3.「おやつ」を食べる時に一緒に緑茶をたっぷり飲み、食べる量を控えお茶の作用を十分生かしてカロリー摂取を抑えましょう!

お茶の成分と効能

お茶がダイエットに効果的なことはわかりましたが、お茶のパワーはそれだけではないのです。ダイエット以外にも身体に嬉しい作用がたくさんあります。【図1】にお茶に含まれる主な成分とその作用をまとめてみました。お茶の健康作用は特に茶カテキンによる作用が良く知られていて、学会発表や論文で も多数の研究結果が出ています。

実際にお茶を日常的に飲む人は動脈硬化や高血圧症になりにくい傾向があるという統計的な報告もあります。他にもビタミンC の美肌作用やアンチエイジング効果、フッ素の歯への効果など本当にたくさんの効果が期待できます。ううむ。たかが飲み物、と侮れませんね!なんだかむしょ うにお茶が飲みたくなって来ました!

図1

茶柱が立つと良い事がある!?

昔から「茶柱が立つと良いことがある」と言われていますよね。まあ、根拠の無い迷信ではありますが、こういう無邪気な縁起担ぎってけっこう気になるもので・・・。湯のみ茶碗の中に小さな茶柱がゆらゆら~と立っているのを見ると妙に嬉しかったものです。 最近はペットボトル入りのお茶が流行っていますし、緑茶もティーバック入りの物や粉茶が使われたりして「湯のみの中の茶柱」を見る機会がぐっと減ってしまったのはなんだかちょっと寂しいですね。加えて、毎日があまりに慌しくてのんびり湯のみ茶碗の中を眺める時間も無いような・・・。

今回、お茶の身体への作用をまとめてみましたが、「ひと息ついてゆっくりとお茶を飲む」という行為自体が、その成分以上に人の身体的な健康やメンタル面への良い作用をつくり出していると思います。そういう「ほっとする」「気分を切り替える」時間ってとっても大事ですよね。・・・やっぱり、せめて八十八夜のこの時期くらいは、新茶を買ってゆっくり急須でお茶をいれて味わってみようかなぁ。今度デパートのお茶コーナー見に行ってみよう。皆さんも、新茶でひと息入れませんか(^^)?

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