ダイエットや筋肉づくりの参考に!運動するのに最適なタイミング

2020/09/08 掲載

 

皆さん、習慣的に運動をしていますか?
これから始めようと思っている方も、もうすでに習慣になっている方も、せっかく運動するのであれば、効果の出やすい方法を適切なタイミングで行いたいですよね。
そこで今回は、運動の目的に合わせて、効果の出やすいタイミングをご紹介したいと思います。

日内リズムを知ろう!

私たちのからだには体内時計というものが備わっていて、からだの様々な機能をコントロールしています。例えば、朝の血圧と日中の血圧の数値では、日中の方が高かったという経験はありませんか?
このように、血圧や体温、心拍数、睡眠のリズムなどは1日に一定のリズムで変動しており、これを日内リズムと呼びます。そして、この日内リズムが一定の変動で起こるようにコントロールしているのが体内時計なのです。
からだの様々な機能が1日の中で変動しているということは、運動の効果についても変動がありそうですよね。

脂肪を落としたい!という人には

脂肪を落とすために、ウオーキングやジョギングなどの有酸素運動を行うのが効果的であることは、広く知られています。では、「なぜ有酸素運動をすると脂肪が落ちるのか」をご存知でしょうか。有酸素運動の効果的なタイミングを知る前に、脂肪が燃えるメカニズムについて、簡単にご説明しましょう。
私たち人間のからだは、運動に使うエネルギーを主に糖質と脂質から作り出します。この2つにはそれぞれ特徴があり、糖質からエネルギーを作り出すには、酸素が必要なパターンと必要ないパターンの2通りあります。しかし、脂質は酸素がなければエネルギーを作り出すことができません。
短距離走や筋力トレーニングなど、短時間でたくさんのエネルギーを使う運動では、酸素を必要とせず素早くエネルギーに変えられる糖質を主に使い、ウオーキングやジョギングなど時間をかけて行う運動では、酸素を使ってより多くエネルギーを作り出せる方法で糖質と脂質を使います。特に、運動の強度が低いウオーキングやジョギングでは脂質からエネルギーを生む割合が大きく、からだの中の脂肪が脂質となり、エネルギー源として使われるのです。(図1)

さて、ここからが本題の「有酸素運動を行うおすすめのタイミング」になります。
海外で行われたいくつかの研究で、朝に有酸素運動を行うよりも夕方に行う方が、運動中に脂質がエネルギーに変わる量が多くなるということがわかりました。つまり、有酸素運動を行うのであれば、朝よりも夕方の方が、より脂肪が燃えやすくなるということです。
また、時間には関係ありませんが、有酸素運動を行う際は、筋力トレーニングを先に行うことで脂肪燃焼効果が高まるといわれています。

筋肉をつけたい!という人には

筋肉をつけるためには、筋力トレーニングが大切ですよね。筋力トレーニングについては、筋肉を大きくしたいと思っている方と、筋肉の減少を防いで維持したいと思っている方で、おすすめのタイミングが異なります。筋肉を大きくしたい方は夕方の筋力トレーニング、筋肉量を維持したい方は朝のトレーニングがおすすめです。ただし、このタイミングによる効果の違いは、トレーニング期間が3カ月以上の場合に出てくると考えられているため、短期間で効果を出したい方であれば朝も夕方も変わらないといえます。
また、筋肉を大きくしたいと考える際には、筋力トレーニングを有酸素運動と同じタイミングで行ってしまうと、筋力トレーニングの効果が得られにくいということが知られています。
「筋肉も大きくしたいけど、有酸素運動もしたい!」という場合には、例えば朝に有酸素運動を行って、筋力トレーニングは夕方にする、もしくは1週間のうち筋力トレーニングを行う日と有酸素運動を行う日を分けることがポイントになります。

 

今回ご紹介した「運動の効果的なタイミング」は、実はまだまだわかっていないことが多い分野です。
なぜ時間による違いが生まれるのかについて、そもそもの生体リズムがあるからというところ以上は解明されていません。
また、このコラムおすすめのタイミングでウオーキングや筋力トレーニングができなくても、運動の効果がなくなるわけではありません。まずはご自身の生活の中で、運動を習慣にできる時間に取り組んでみましょう! 運動は続けることが一番大切なポイント。
タイミングも少し意識しつつ、楽しみながら、ご自身のペースで運動を継続してください。

※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。