「疲れやすい」「ストレスいっぱい」そんな時にオススメな対策法

2012/04/13 掲載

 疲れやすい…そんなアナタ

こんな症状ありませんか? 【カラダ編 疲労】

●全身倦怠感  ●肩コリなどの筋肉疲労  ●冷え  ●頭痛
●やる気がでない ●体がだるい  ●食欲がない  ●眠い  ●思考力低下

疲労の多くは十分な睡眠と休養によって改善することができますが、それでもとれない慢性疲労が続くと、体の抵抗力や免疫力が低下し、風邪などの感染症にかかりやすくなります。さらに悪化すると、潰瘍や、心臓疾患、高血圧、高脂血症、糖尿病などのリスクを高め、脳血管障害や心臓病を誘発して「過労死」に至る危険性もあります。

◆要因として考えられること

多忙、睡眠不足、食生活の乱れ

◆疲労のタイプにあった食事をしよう

疲労の予防と回復に欠かせない栄養素をしっかり補給
  • 【ビタミンB1】 
    糖質からエネルギーが作られるときに必要な栄養素。たんぱく質(魚、肉など)と一緒に含まれています。
  • 【ビタミンB2】 
    タンパク質や、脂質、糖質の代謝に関与。不足すると、エネルギーをうまく供給することができず、乳酸などの疲労物質が蓄積されやすくなる。
    たんぱく質(魚、肉など)と一緒に含まれています。
  • 【カルシウム】
     筋肉を円滑に動かす働きや、精神的疲労、イライラを鎮める働きがある。乳製品、緑黄色野菜、海藻、小魚など
  • 【鉄】 
    全身に酸素を運搬する働きを持っているので、不足すると運動能力が低下して疲れやすくなる。
    牛肉、レバー、豆製品、緑黄色野菜
疲労のタイプにあった食事をしよう
  • 精神的な疲労に焼肉やウナ丼などのスタミナ食では効果はありません。かえって肥満の原因になるなど逆効果をもたらすことになります。疲労の種類をよくチェックしましょう。
  • 慢性疲労(肉体疲労) 慢性疲労(精神的疲労) 夏バテ
    乳酸撃退 免疫力アップ、抗酸化作用 食欲増進
    肉体労働やスポーツなどで消費されたエネルギー源を補給し、糖質のエネルギー代謝に必要なビタミンB1を補います。入浴やマッサージなどで血行を促進し、疲労物質の乳酸を残さないことも大切です。 過労は、体内に活性酸素を増加させたり、免疫力を低下させたりします。β-カロテンや、ビタミンCE、ポリフェノールなどの抗酸化成分を多く含む野菜、果物、きのこなどの植物性食品をしっかりとるようにします。 香辛料やかんきつ類など刺激のある食材を利用して食欲増進をはかります。にんにくやニラの香り成分のアリシンは食欲増進だけでなく、ビタミンB1の働きを助ける効果もあります。


◆大事なのは3つのR

  • 【Rest-休息】 
    疲れたなー、と思ったら無理せず休む。昼休み中の短い休息なども効果的。暑くてシャワーですませてしまうところも、ゆっくりぬるめのお風呂に入ってしっかり質の良い睡眠を取りましょう。
  • 【Recreation―余暇、娯楽、創作活動】 
    人それぞれの趣味や楽しみのこと。映画鑑賞、音楽鑑賞、スポーツ、レジャー、料理、華道、茶道、陶芸、絵画など好きなことをしていると、脳が活性化されます。
  • 【Relax-癒し】
     自分がリラックスできる場所や、時間を探しましょう。森林浴や、温泉に出かけるのもよし、アロマをたいたり、花をかざったり家をくつろげる空間にするの もよし。風呂上がりのストレッチ、ストレッチポールを活用したリラクセーションなど自分なりの癒しを見つけましょう。
  • (参考資料)ストレス時代を生き抜く、栄養の基本がわかる図解辞典

ストレスいっぱい…そんなアナタ

こんな症状ありませんか? 【ココロ編 ストレス】

●タバコの量が増えた  ●酒の量が増えた  ●過食  ●食欲がない
●眠れない  ●思考力低下  ●感情の乱れ  ●判断力の欠如
●遅刻  ●欠勤  ●落ち着きがない  ●ミスを繰り返す  ●動悸
●息切れ  ●下痢  ●頻尿  ●頭痛  ●肩こり

過度のストレスは胃腸、胸腺(免疫に影響)、副腎(ホルモンに影響)にダメージを与えます。自律神経系、ホルモンなどの内分泌系、免疫系の3つの系統で身体反応が起きてきます。カラダとココロはつながっているので、ストレス解消できない期間が長いと、神経症、うつ病、心身症を引き起こすことにも…・

  • 神経症(不安障害)とうつ病(気分障害)
    症状を訴えても臓器や器官には異常が発見されない。
  • 心身症
    ストレスが原因で体のどこかにはっきりとした異常が現れる。
  • 【心身症の種類】
    呼吸器系 気管支ぜんそく、過呼吸症候群
    循環器系 本態性高血圧、本態性低血圧、狭心症、心筋梗塞、一部の不整脈
    消化器系 胃・十二指腸潰瘍、慢性胃炎、心因性嘔吐、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎
    内分泌・代謝系 神経性食欲不振症、単純性肥満症、糖尿病、反応性低血糖、甲状腺機能亢進症
    神経・筋肉系 筋伸縮性頭痛、偏頭痛、痙性斜傾(筋肉の収縮)、書頚(手の震え)、自律神経失調症
    その他 慢性蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、関節リウマチ、心因性インポテンツ、更年期障害、原発性緑内障、メニエール症候群、アレルギー性鼻炎

◆要因として考えられること

精神的、身体的な過度の負担

原因が取り除ければいいのですが、「変えられるコトと変えられないコト」がありますよね。変えられないコトを頑張って変えようとするよりは、しっかり休養、栄養を取ることがおすすめです。

ストレスコーピング(ストレス対処法)10則

(ストレッサー:ストレスの原因、刺激 ストレス:刺激に対する人間の反応)
  1. ストレッサーを軽減、除去する
  2. ストレッサーとの距離を変える
  3. ストレッサーから一時避難する
  4. ストレッサーを回避する
  5. ストレッサーの心理的意味を考える
  6. ストレッサーとの取り組みを支援する
  7. ストレス処理能力を高める
  8. ストレス耐性を高める
  9. ストレスを発散する
  10. ストレスを忘れる
「一流のひとがやる気を高める10の方法」 中野ジェームズ修一 著 より

◆ストレスに強くなる栄養素を補給する

・ビタミンB1、ビタミンB2 たんぱく質(魚、肉など)と一緒に含まれています。
・カルシウム マグネシウム (緑黄色野菜、種実類、海藻類、)
・たんぱく質 (肉、魚、卵、乳製品、豆製品 とくにトリプトファンを多く含む肉・乳製品)

【ストレスから胃と腸を守る食品成分】

食品成分 働き 多く含む食品
抗酸化物質 活性酸素を抑えて胃や腸の粘膜を守る 野菜、果物、お茶、コーヒー、ココア
消化器系 アミノ酸 肉類、レバー、マグロ、カツオ
乳酸菌 腸内環境を整えて腸を守る  ヨーグルトなどの乳酸菌、味噌漬物などの発酵食品
オリゴ糖 乳酸菌を増やす 大豆製品、ゴマ、玉ねぎ、味噌醤油、はちみつ、とうもろこし
食物繊維 乳酸菌などの善玉菌の働きを助け、便通を良くする 穀物、大豆、海藻、おから、野菜

◆ストレス解消のために・・・

  1. 1. 規則正しい食べ方

    「時間栄養学」の回で書いたように、一日の体温のリズムを作ること。私たちの基礎代謝は一番に体温調節に使われます。夏の暑さと、冷房の体温調整で、体に負担をかけています。それ以上に、生活リズムを乱すことで、体への負担が余計にかかってしまうことになります。

  2. 2. 酒やたばこ、過食に逃げない

    アルコール代謝にはストレス対策ビタミンのビタミンBが必要、ストレス対策で食べてしまう脂質、糖質たっぷりの甘いもの、油ものはストレス対策ビタミンのビタミンBが必要、たばこはストレス対策ビタミンのビタミンCが必要。
    ということで、かえって体に負担がかかります。肝臓や、肺に悪影響を及ぼし、臓器に障害がでることも…。依存症になって抜け出せなくなることもあるので注意が必要です。

  3. 3. 適度な運動

    運動には、1)筋肉トレーニング、2)有酸素運動、3)ストレッチがありますが、ストレス解消に効果的なのは、2)、3)です。副交感神経を優位にし、体温が上昇し、筋肉の緊張を取る効果があります。「頑張りすぎない」運動が効果的です。

NG(ストレスをためる食生活) OK(ストレス解消の食生活)
偏食 欠食 暴飲暴食 ながら食い おいしい 楽しい リラックス 団らん
ストレスの多い生活では食生活が不規則になりがち、さらにストレスに拍車をかけてしまいます。忙しくても1日3食きちんと落ち着いて食べることがストレス対策の基本です。 おいしいものを楽しくリラックスして食べることがストレス解消には何よりも大切です。ときには家族そろって外食に出かけるなどして、食事の環境を変えてみましょう。

疲労やストレスを感じたら、充分な休養と栄養を。食事の内容や環境を工夫してリラックス、賢く食べて、賢く休む、ストレスマネジメントのスキルは一生ものですよ。

(参考資料)ストレス時代を生き抜く、栄養の基本がわかる図解辞典、 一流のひとがやる気を高める10の方法

 

※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。