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タニタの健康コラム

公認スポーツ栄養士直伝!アスリートや運動を頑張る方に必要なたんぱく質の量とは?

運動(イメージ)

みなさんは公認スポーツ栄養士をご存知ですか?
公認スポーツ栄養士とは、競技者、監督、コーチ、トレーナー、競技団体などのスポーツの現場から、競技者の栄養・食事に関する自己管理能力を高めるための栄養教育や食環境の整備にいたるスポーツに関わる方の栄養のマネジメントが出来る人で、公益社団法人日本栄養士会および公益社団法人日本体育協会の共同認定による資格です。


そんな公認スポーツ栄養士である私が、日頃、実業団や学生アスリートの栄養マネジメントやアドバイザーをしていると、選手達のたんぱく質に対する意識の強さを感じます。


「競技力向上や、からだづくりのために必要な栄養素は何ですか?」また、「競技をする上で不足しないように気をつけている栄養素は何ですか?」といった質問を選手にすると、真っ先に出てくる栄養素が「たんぱく質」です。
 

そこまで本格的に運動はしていないけど筋肉量を維持したい、今よりも筋肉量を増やしたい、と思っている方も、筋肉の材料となるたんぱく質の必要量はどのくらいなのか、現状の食生活で不足していないかなど確認してみましょう。
 

一般的な生活で摂れるたんぱく質の量は?

まず一般的に推奨されているたんぱく質の量を見てみましょう。
男性の方が女性に比べ、全世代で推奨量が10g多いことが分かります。
この量を念頭に置いて、一般的な食事からたんぱく質がどのくらい摂れているのかを確認してみましょう。
 

◆ たんぱく質の推奨量 (※1)

年齢 男性 女性
18〜29歳 60g 50g
30〜49歳
50〜69歳
70歳以上
一般的な食事(イメージ)

<一般的な食事に含まれるたんぱく質量>

朝) 納豆(1パック)8.3g
   豆腐(味噌汁15g)1.0g
   ごはん(150g)3.8g
昼) 鶏肉(80g)15.2g
   たまご(1個)6.2g
   ごはん(150g)3.8g
補食) ヨーグルト(1個)3.2g
夕) 鮭(1切れ)18.0g
   ごはん(100g)2.5g

1日の主なたんぱく質源の合計  62.0g


朝、昼、夕、補食ともに、一般的に私たちが食べている食材で、三食しっかり、主菜をメインに摂ることができていれば、ある程度必要なたんぱく質の摂取ができるということが分かります。
 

ここでいう「補食」とは、単なる「おやつ」や「間食」とは異なります。
三食の食事で足りないエネルギー量や栄養素を補うための食事という意味になります。おにぎりやヨーグルト、果物など、エネルギー源になる物や、ビタミンやミネラルが多いものを摂るのがおすすめです。
スナック菓子やケーキ、カップラーメンや揚げ物など、消化に時間がかかり、次の食事に影響が出るようなものは避けましょう。
 

アスリートに必要なたんぱく質ってどれぐらい?

では次に、ジュニアからシニアまで、アスリートにとって必要なたんぱく質量の基準を確認してみましょう。


◆ 体重1kgあたりのたんぱく質必要摂取量 (※2)

  体重1kgあたりの
たんぱく質必要量(g)*1
活発に運動をしていない人 0.8
スポーツ愛好者(週に4〜5回30分のトレーニング) 0.8〜1.1
筋力トレーニング *2(維持期) 1.2〜1.4
筋力トレーニング(増強期) 1.6〜1.7
持久性トレーニング 1.2〜1.4
レジスタンストレーニング(基本)*3 1.2〜1.7
トレーニングを始めて間もない時期 1.5〜1.7
状態維持のためのトレーニング 1.0〜1.2
断続的な高強度トレーニング 1.4〜1.7
ウエイト コントロール期間 1.4〜1.8

*1 10代の方は成長に必要なたんぱく質量などを考慮し、上記の数値よりも10%多くたんぱく質を摂取する必要があるといわれています。

*2 筋力トレーニングは、筋肉の量を増やしたり、筋力をアップさせたりするためのトレーニングです。

*3 レジスタンストレーニングとは、鍛えたい部位や全身の筋肉に一定の負荷(抵抗)をかけて、筋力や筋持久力、筋パワーなどを鍛えるトレーニングの総称です。


 

スイミング(イメージ)

成長期にあるジュニアアスリートの場合、三食の食事でトレーニングによる消費と成長に必要なエネルギー量を補えているのか、身長や体重で確認する必要があります。


維持もしくは増量したいにも関わらず体重が減ってきている場合は、エネルギー量の摂取不足の可能性があるので、下記食品リスト(※3)を参考に、三食の食事内容と量の見直しとともに、補食の活用を検討しましょう。


また、同じ競技で同じ体重であったとしても、その日の体調や練習内容、消化吸収能力も異なってくるので、自分のからだに聞きながら調整していきましょう。



◆ たんぱく質を多く含む食品リスト(※3)

食品 目安量 エネルギー量
(kcal)
たんぱく質量
(g)
豚肉(もも・赤身) 100g 143 21.9
鶏肉(もも・皮なし) 100g 127 19.0
牛肉(もも・赤身) 100g 193 21.3
卵(Mサイズ) 50g 76 6.2
納豆(1パック) 50g 100 8.3
豆腐(木綿・半丁) 150g 108 9.9
べにざけ 80g 110 18.0
さば 80g 198 16.5
まぐろ 80g 86 18.2
   牛乳(普通牛乳) 200ml 134 6.6
ヨーグルト(1個)脱脂加糖 75g 50 3.2
プロセスチーズ(1個・1枚) 20g 68 4.5
ご飯 250g 420 6.3
食パン(6枚切り・60g) 1枚 158 5.6

たんぱく質は食事から意外と摂れている?

アスリートだけでなく、日頃からスポーツをしている方も、自分の体重だとどのくらいのたんぱく質が必要なのか、そのためには何をどのくらい食べる必要があるのか、一度計算しておくのも良いと思います。
 

<体重60kgの人が筋力トレーニングによる増量(増強)を目的とする場合>

60×1.6〜1.7g=96〜102g

さらに10代の場合、体重1kgあたりのたんぱく質必要摂取量が10%UPする(※2参照)として、一日に106〜112gのたんぱく質の摂取が必要になります。



では一般的な食材を例にした場合、何をどのくらい食べれば良いかというと、

たんぱく質が多い食事(イメージ)
朝) 鮭(1切れ)18.0g
     納豆(1パック)8.3g
   豆腐(味噌汁15g)1.0g
   ごはん(250g)6.3g
   牛乳(200ml)6.6g
昼) 鶏肉(100g)19.0g
   たまご(2個)12.4g
   ごはん(250g)6.3g
   牛乳(200ml)6.6g
夕) 豚肉(100g)21.9g
   ごはん(250g)6.3g
     牛乳(200ml)6.6g

これらを食べると合計 119.3g のたんぱく質の摂取につながります。



プロテイン(イメージ)

食事からだけでは不安と思い、市販のプロテインパウダーを活用している方もいると思いますが、これを見て「毎食しっかり主菜を食べていれば、必要量は摂れている」ということに気付くのではないでしょうか。

プロテインパウダーやプロテインバーの活用としては、

  • ・食事のバランスが偏っている場合(主菜が不足気味)
  • ・三食で必要量を摂れない場合
  • ・トレーニングや試合終了から次の食事まで時間が空いてしまう場合

などが挙げられます。


上記のような場合には、プロテインパウダーやプロテインバーの活用を検討するのも良いと思います。
色々な種類の商品があるので、自分の目標や目的に応じた物を選びましょう。
 

たんぱく質を上手に摂るタイミングは?(※4)

筋肉(イメージ)

ここまでで、たんぱく質の必要量の確認が出来たので、次に考えるのはタイミングです。


トレーニング終了後、最大24時間、筋たんぱく質(筋肉を構成するたんぱく質の総称)の合成が活発に行われることが確認されています。このことからも、トレーニング後速やかに筋たんぱく質合成を最大限に高めるのに十分な量を、筋肉や骨の維持や増大、損傷を受けた組織の回復のために摂るようにしましょう。
 

筋たんぱく質の合成を最大限に高めるために必要な量は、15〜25g/回(食)といわれています。これ以上の量を摂ったからといって筋たんぱく質の合成が高まるわけではありません。繰り返しになりますが、基準はあくまで参考に、自分の体調や体感など、からだに聞きながら調整していきましょう。
 

主食・主菜・副菜のバランスが揃っているか、しっかりとたんぱく質の必要量が確保できているか、振り返りつつより良い食生活に出来ると良いですね。



関連コラム : 公認スポーツ栄養士直伝!陸上長距離選手の食事のポイント

 

【図表の出典】

  • ※1 日本人の食事摂取基準2015年版引用
  • ※2 『新版コンディショニングのスポーツ栄養学』p.63引用 (Sports Nutrition,Ronald J.Maughun,Louise M.Burke,p30,2002と Nutrition for Health,Fitness,&Sport,Seventh edition,Melvin H.Williams,p221,2005)
  • ※3 日本食品標準成分表2015年版(七訂)参考

【参考文献】

  • ※4 『栄養とアスレティックパフォーマンス』一般社団法人日本臨床栄養協会 New Diet Therapyニュー・ダイエット・セラピー 第33巻第1号(通巻第127号)別冊参考

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