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公認スポーツ栄養士直伝!陸上長距離選手の食事のポイント

元日はニューイヤー駅伝(全日本実業団駅伝)、1月2日・3日は箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)と元日からアスリートの活躍をみて刺激を受け、自分も走ろう!と今年の目標にした方もいるのでは?

1秒」をテーマに掲げている大学もあるくらい、彼らにとっての1秒はとても重いものです。1秒で勝敗が左右したり、その後のレースの流れにも大きな影響を与えたりするというのが駅伝の楽しみかもしれません。

そんな選手達の走るエネルギー源は、炭水化物です!そこで、今回は炭水化物に注目し、いつ・どのくらい摂取すれば、効果を最大限に発揮するのかご紹介したいと思います。

 

長距離走るためには炭水化物を!

昨今、炭水化物は太るもと!痩せたいなら炭水化物を抜けば良い!という情報が溢れ、極端にご飯の量を減らしてしまう選手もいます。炭水化物は摂り過ぎたり、偏った食べ方をしたりしなければ、一概に太る原因と言い切る事はできません。

走るためのエネルギー源の炭水化物ですが、アスリートにとってはどのくらいが適量とされているのかというと、いくつか指標となるものがあります。(表1・2)

                                   

表1 アスリートの炭水化物(糖質)摂取の目安量 ※1

トレーニングの負荷

運動条件など

炭水化物の目安量

(g/kg体重)

低強度

低強度

3〜5g/kg体重

中強度

約1時間/日

5〜7g/kg体重/日

高強度

約1〜3時間/日

6〜7g/kg体重/日

超高強度

約4〜5時間/日

8〜12g/kg体重/日

カーボローディング 

90分以上の競技

9〜12g/kg体重/日

試合前補食(1〜6時間前)

60分以上の競技

1〜4g/kg体重

試合中

45〜75分

少量

1〜2.5時間

30〜60g/時間

2.5〜3時間

〜90g/時間

※カーボローディングとは、持久系のスポーツをする前、筋肉や肝臓のグリコーゲン貯蔵量を増やすために糖質を多めに摂取する食事法の事をカーボローディング、またはグリコーゲンローディングと言います。

 

表2 アスリートのための糖質摂取に関するガイドライン ※2

 

糖質の目安量

運動後、すばやく(4時間以内)回復するため

1〜1.2g/kg体重/時間

回復期間が1日の場合:継続時間が中程度で低強度のトレーニング後

5〜7g/kg体重/日

回復期間が1日の場合:中〜高強度の持続性運動

7〜12 g/kg体重/日

回復期間が1日の場合:かなりハードな運動

(運動時間4〜6時間/日以上)

10〜12gまたは

12g/kg体重/日以上

 

日頃からスポーツをしている方は、自分の体重だとどの位の炭水化物が必要なのか、そのためには何をどのくらい食べる必要があるのか、一度計算しておくのも良いですね。

 

例えば、体重55kgの選手がレース前にカーボローディングをする場合

55×9〜12g=495〜660g  一日に495〜660gの炭水化物の摂取が必要になります。

何をどのくらい食べれば良いかというと、

 ・どんぶり飯(350g)を3食(389.4g)

 ・バナナ1本(22.5g)

 ・オレンジ果汁100% 200ml(21.4g)

 ・補食:おにぎり2個(111.3g)

これらを食べると544.6gの炭水化物の摂取になります。(表3)

 

表3 炭水化物を多く含む食品リスト ※3

食品

目安量

エネルギー

炭水化物

ご飯

1膳(250g)

420kcal

92.7g

食パン

1枚(6枚切り)

158kcal

28.0g

ロールパン

3個(90g)

284kcal

43.7g

スパゲッティ

1人前(茹250g)

412kcal

80.0g

うどん

茹で1玉(250g)

263kcal

54.0g

そば

茹で1玉(170g)

224kcal

44.2g

コーンフレーク

50g

191kcal

41.8g

バナナ

1本(正味100g)

86kcal

22.5g

オレンジ果汁100%

200ml

84kcal

21.4g

 

レース前後の栄養補給はどのようにしているのかというと、レース前はスタート時間から逆算して、いつどのような物をどのくらい摂るのか計画します。

消化に時間がかかる選手など、個々の体質によって何時間前に食事を終えているのがベストなのかは異なります。そのため、選手は普段の練習や記録会などでも食事時間を逆算して食事を摂るなどして、どのタイミングが自分にとって安心できるタイミングかを見つけています。

レース前の注意点を少しまとめておきたいと思います。

 

【レース前の食事のポイント】

 1.エネルギー源となる炭水化物中心のメニュー

 2.脂肪(油)の少ないメニューを選ぶ

 3.胃に負担のかかるメニューは控える

 4.食べ慣れない物は控える

 5.生物(刺身、生卵など)は控える

 6.食物繊維の多い食品は控える(お腹の張り予防)

 

いつ炭水化物を摂れば効果的?

レース前

レース前に選手が食べようと思う人気メニューは、豚肉の生姜焼き定食です。ご飯が進むおかずであり、豚肉には炭水化物をエネルギーに変える過程で使われるビタミンB1が多く含まれているからです。もう常識ですが、レースに勝ちたいからトンカツを食べるという選手はいません。

 

レース後

そして、レース後の栄養補給はというと、大学駅伝でゴール直後にゼリー飲料を飲んでいるシーンを良く見るようになりましたね。レース後、早めに栄養補給をすることが疲労回復のためには必要不可欠です。

また、レース後にたんぱく質をしっかり摂る!という意識を持っている選手は多いです。トレーニングジムでも運動直後にゴクゴクとプロテインを飲んでいる方を見かけたりもしますね。

しかし、たんぱく質だけで良いかというとそうではありません。

レース後は、速やかに炭水化物とたんぱく質を一緒に摂るのが効果的です。

 

公認スポーツ栄養士直伝!ここがポイント!

それは、運動によって消費したエネルギーの補給と運動によって傷が付いた筋肉の修復をするためです。

さらに筋グリコーゲンの回復においては、炭水化物とたんぱく質を一緒に摂ることで、筋グリコーゲンの増加量が、炭水化物だけを摂取した時よりも多くなるという報告もされています。

ご飯には炭水化物だけでなくたんぱく質も含まれているので、おにぎりはお勧めです。しかし、レース直後にすぐ食べられるかというと、すぐに固形物は無理という選手もいます。そんな時は持ち運びも楽で手軽にとれるゼリー飲料もお勧めです。

 

運動時のエネルギー源は主に筋グリコーゲンが使われるため、運動前にはしっかりと筋グリコーゲンを蓄えておく必要があります。

レース後やトレーニング後にしっかりと炭水化物(糖質)補給が出来ているかどうかで翌日以降の筋グリコーゲンレベルに大きな差が出てきます。筋グリコーゲン量が減ってくると、持久系の運動の継続が辛くなったり、練習の質の低下に繋がったりする事もあります。(図1)

 

図1 筋グリコーゲンの回復には高糖質食が必要である ※4

筋グリコーゲンの回復には高糖質食が必要である

※筋グリコーゲンとは、グリコーゲンはブドウ糖がたくさん結合した物質のことを言います。糖質は、体内で血液中には「血糖」として、筋肉や肝臓には「グリコーゲン」として存在しています。

 

ほぼ毎日運動をする選手にとって、十分な糖質補給はとても重要な事です。疲れが抜けない時、練習やレースの後半バテてしまうといった時、まずは食生活を振り返ってみましょう!

主食・主菜・副菜のバランスが揃っているか、しっかりと炭水化物の必要量が確保できているかを振り返りつつ、より良い食生活に出来ると良いですね。

 

【図表の出典】

※1 Nutrition for Athletes スポーツ栄養に関するIOCの合意声明2010より

※2 アスリートのための糖質摂取に関するガイドライン

Burke LM,Kiens B,Ivy JL.:Carbohydrates and fat for training and recovery.J sports Sci.22(1),pp15-30,2004.)抜粋

※3 日本食品標準成分表2015年版(七訂)参考

4 筋グリコーゲンの回復には高糖質食が必要である

Costill DL and Miller JM:Nutrition for endurance sport;carbohydrate and fluid balance.Int J Sports Med 1:2-14,1980.

 

【参考文献】

『新版コンディショニングのスポーツ栄養学』編著者:樋口 満 発行所:市村出版

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