こんなに多い高血圧~超高齢社会を生き抜く減塩のコツ~

2014/04/15 掲載

総人口1億2000万人のうち、高血圧症有病者は3970万人(33%)、正常高値血圧者は5490万人(46%)を占めています。

40歳以上の人口に対する割合で見てみると、高血圧の方は57%、正常高値血圧社を含めると78%という状況にあります。

 

 
高血圧症有病者 収縮期血圧140mmHg以上、または拡張期血圧90mmHg以上、
または血圧を下げる薬を服用している者。
正常高値血圧者 正常高値血圧者:収縮期血圧130mmHg以上140mmHg未満で、
かつ拡張期血圧90mmHg未満の者または、収縮期血圧が140mmHg未満で
かつ拡張期血圧が85mmHg以上90mmHg未満の者(ただし、薬を服用していない者)。

 

国では5年に一度何をどれだけ食べたら良いのか、という基準である「食事摂取基準」が改訂になるのですが、2015年版の策定検討会の報告書によると、食塩の目標値がより厳しい数値になっています。

現在の日本人の食塩摂取量は10.4g(男性11.3g 女性9.6g)ですが、目標値は男性8g女性7gに設定されました。

理想と現実のこのギャップを埋めるためにはどうしたらよいのでしょうか?

 

正常血圧を再チェック

 

そもそも塩分過剰はなぜ悪い?

塩分(ナトリウム)を過剰にとる事で血液を薄めようとし、体内に水分をため血液量が増えます。

すると血管や、心臓に負担がかかり血圧が上がり高血圧となるのです。

高血圧は、脳血管疾患、心疾患といった循環器疾患のリスクになることは知られていますが、寝たきりの原因1位は脳血管疾患。

「ちょっと血圧が高い」を放置すると、いつのまにか高血圧症に、そのまま放置すると、脳血管疾患で寝たきりにということに繋がってしまうのです。

またナトリウムの過剰は尿路結石や骨粗鬆症、腎臓病、胃がんのリスクも高めます。

疾病予防、寝たきり予防の為にも血圧対策は重要だといえます。

 

※脳血管疾患:脳梗塞・脳出血・動脈瘤・くも膜下出血など
※心疾患:心筋梗塞・狭心症など

 

今日からできる減塩ポイント

●外食メニューの食べ方

もっとも注意が必要なメニューは、スープだけでなく麺自体にも塩分を含んでいる麺類です。

せめて、「汁は半分残すこと」を麺を食べる時のルールにしましょう。

これだけで、塩分を2~3gカットすることが可能です。

 

次いで、カレー・寿司・丼ものも塩分が多い傾向があります。

外食での塩分調整はどうしても難しいので外食の際には卓上に出ている調味料は極力使わない、漬物や汁物は残すなどの工夫が必要です。

 

●買い物の工夫

総菜や弁当は保存性を良くする為にも塩分が濃くなっています。

ナトリウム排出の為に野菜や果物をたっぷり摂るようにしましょう。

また、塩分の多い食材の代表格である漬物や干物はもちろん、ついつい頼りがちなハム・ソーセージ・チーズ・ちくわ・しらすなども高塩分の食品ですので、使用量や頻度を調整していきましょう。

 

●おうちご飯の組み合わせ

パン、麺 自体には塩分1g相当含まれていますので要注意。

ご飯自体には塩分は含まれていませんが、味噌汁などの汁物をつけると塩分1g以上になります。

汁物は野菜たっぷり具沢山にすることで、塩分を含むスープの摂取量を減らし、ナトリウムを排出する働きのあるカリウムを補給することができ一石二鳥です。

 

●調理の工夫

レモン、酢、香味野菜(しそ、ねぎ、生姜、にんにく)を上手に使って減塩クッキングも良いですね。

塩少々とレシピによくありますが、どのくらいかご存知ですか?

指2本でつまむと0.3g指3本でつまむと0.5g。

ドレッシングも無意識にかけると1回の使用量は15g(大さじ1杯分)となり、種類によっては1gの塩分をプラスすることになります。

ですが、はかって使えば量をコントロールすることが可能ですね。大さじ1/3~1/2杯を目安にしておきましょう。

調味料の使いすぎを抑えることが食費&医療費の家計節約にも役立ちます。

 

●お酒の飲み方にも配慮を

お酒も適量(※)以上を飲み続けている場合は血圧を高めるリスクがあります。

※適量の目安は、ビール中瓶1本、ワイングラス1杯、日本酒1合、ウイスキーダブル1杯です

 

特に夜飲むと、翌朝の血圧があがることが知られています。

お酒でだけでなく、そのおつまみも塩分過剰注意報

ここでも野菜を積極的に組み合わせて血圧対策に取り組みましょう。

休肝日を設けたり、外飲みの頻度を控えるのも良い方法です。

 

 

30代から血圧の異常が出る方(特に男性)が多いので、

こまめな血圧チェックと、ご家族皆さんの血圧チェックを今一度行ってみませんか?

ご自身&家族の健康を守るのは皆様です。

まずは血圧をはかることからスタートさせ、減塩に対しての意識を向ける事、何か一つでもアクションすることが大切です。

 

参考資料:

調理のためのベーシックデータ

H24国民健康栄養調査

食事摂取基準2015年版

※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。