食事や運動だけじゃない?睡眠不足で生活習慣病に!?

2012/03/19 掲載

睡眠と生活習慣病同じ時間に起きているはずなのに、季節によってぱっと目覚めたり、逆に朝起きるのが辛かったり…それだけでなく、季節によっては昼間もついウトウト仕事がはかどらない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この季節による影響を最も受けやすいのが、5月と言われています。
5月は、気温だけでなく、からだのホルモンバランスの変化が激しいため、 自律神経のバランスが崩れ、眠りが不規則になりがちな季節だそうです。

『春眠暁を覚えず』という漢詩があるように、この時期に眠いのは仕方ないですが不規則な眠りが続き睡眠不足になると、様々な身体のトラブルが出てきてしまいます。
今回は、そのトラブルについてご紹介します。

日本人の睡眠時間

本題に入る前に、まず、日本人の平均的な睡眠時間を確認してみましょう!皆さんの平日の睡眠時間は、どのくらいでしょうか?

平成18年に総務省が実施した、「社会生活基本調査」の日本人の睡眠時間についての報告では
男性の平均睡眠時間は7時間49分
女性で7時間35分となっており女性は男性に比べ、やや睡眠時間が短くなっています(表1)。

表1 日本人の平均睡眠時間(時間:分)
総務省:平成18年社会生活基本調査
  総数
総数
7:42
7:49
7:35
10~14歳
8:36
8:38
8:33
15~19歳
7:39
7:43
7:34
20~24歳
7:51
7:55
7:46
25~29歳
7:39
7:40
7:39
30~34歳
7:33
7:37
7:28
35~39歳
7:21
7:28
7:15
40~44歳
7:09
7:22
6:56
45~49歳
7:05
7:19
6:51
50~54歳
7:09
7:23
6:55
55~59歳
7:21
7:35
7:08
60~64歳
7:37
7:50
7:25
65~69歳
7:53
8:06
7:40
70~74歳
8:08
8:21
7:57
75~79歳
8:32
8:46
8:21
80~84歳
8:59
9:08
8:53
85歳以上
9:47
9:51
9:46

また、その睡眠時間は、時代とともに短くなっていることも報告されています(表2)。
インターネット・携帯電話などの普及も影響しているのかもしれませんね・・・。

 
 
表2 日本人睡眠時間の推移(時間:分)
総務省:平成18年社会生活基本調査
 
昭和61年(1986)
7:56
7:39
平成3年(1991)
7:50
7:34
平成8年(1996)
7:52
7:36
平成13年(2001)
7:49
7:35
平成18年(2006)
7:47
7:32

 睡眠不足と生活習慣病との関係について

「寝なくても、私は仕事ができるから大丈夫!」と、栄養ドリンクを片手に仕事をバリバリこなす方も多いと思います。
しかし、寝ない(睡眠不足)状態が続くと、体の不調や生活習慣病を引き起こすことが最近の研究で明らかになってきています。

例えば、『糖尿病』

日本人を対象に下の3つの群、
 「6時間未満の睡眠を取っている群」「6時間以上8時間未満の睡眠を取っている群」「8時間以上の睡眠を取っている群」
に分け、それぞれの血糖値を検討した報告では「6時間未満」もしくは「8時間以上」の睡眠状況にある群で、
血糖値が上昇傾向にありました。よって、睡眠時間が短くても、長すぎても、糖尿病発症のリスクとなっていることがわかりました。

また、『肥満』と睡眠時間の関係についても、睡眠時間が短い場合、体格を表すBMIの値が増加する、という研究報告がいくつかあります。

これらの調査では、睡眠時間が短い場合、飢餓を伝える物質であるグレリンが増加し満腹情報を伝える物質であるレプチンが減少することがわかっています。つまり、睡眠不足だと『空腹感が強まり』⇒『食欲が増加』⇒『太る』のです。

ですから減量をする場合は、食事や運動だけではなくきちんとした睡眠時間を確保し、太りにくい身体を作ることがオススメです。

眠りをはかる

近年複数の疫学調査から、睡眠は肥満・糖尿病だけではなく、高血圧・脂質代謝異常・心疾患などの生活習慣病メンタル疾患にも密接に関係していることが明らかにされ、自宅で睡眠を計測するニーズが高まりつつあります。

よい睡眠習慣は、肥満を含めた生活習慣病の予防、日常生活の質(Quality Of Life)を高めることにつながる重要な要素。

夏にむけてダイエットされたい方は、まず自分の『眠りの状態をチェック』することからスタートしてはいかがでしょうか?

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参考文献
・総務省:平成18年社会生活基本調査
・宗澤岳史,兼板佳孝:【睡眠】睡眠と生活習慣病:脳21 13巻4号 Page414-418(2010.10)
・兼板佳孝,大井田隆:睡眠障害の疫学研究:医学のあゆみ236巻12号 Page414-418(2011.1)

※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。